臨時パーティ結成
レイナは俺の話を黙って聞いていた。
「深淵の森か…」
そう呟くとまた黙ってしまった。俺は一刻も早く出発したい気持ちを抑えながらレイナの反応を待つ。
しばらくすると…
「私のメリットはなに?」
こう聞いてくるということは金や名誉という話ではないのだろう。貴方に協力することで得られる特別なモノはなにか?という話だ。
「…俺への貸しが一つってのは?」
「ブラックランクだもんね。悪くないかもしれない。」
「恩に着るよ。」
「いいわよ。ヴァルキリーと貴方へ貸しが一つずつだもの。悪くないわ。」
「そうか。早速だが、出発は…」
「今からでしょ?」
「いいのか?」
「私は緊急時のために荷物は揃えてあるから。」
「じゃあ一時間後にここで。」
「えぇ。それでいいわ。」
俺はレイナの店が出ると、宿に向かった。
一時間後、レイナは店前にいた。
「よし、行こう。」
「えぇ。とりあえず王都の外へ出てからね。」
俺達は王都の外へ向かう。ここでお互いの手の内を明かすには目立ってしまうからだ。
「ここら辺りでいいでしょう?」
「あぁここからスキルを使う。」
「やっぱりスキル持ちなのね。まぁ私もだけど。」
「黒服」
「魔力を纏うのね。身体強化系かしら。」
「まぁね。黒翼」
俺は翼を生成した。二人で飛んだことはないがなんとかなるだろう。
「ヨシ、俺におぶされ。」
「え?う、うん。重いかもよ。」
俺はレイナをおんぶする。意外と軽いな。
「じゃあ行くぞ!深淵の森が近くなったら魔法探知を頼む。危ないから喋るなよ。」
「うん。わっっ!」
俺は跳躍した。そして滑空する。レイナが叫んでいるが無視した。
跳躍して滑空、跳躍して滑空。その繰り返しだ。飛行能力はさすがにないが、これでも走るよりは早い。
深淵の森が見えてきた。レイナは大丈夫だろうか?俺は跳躍を止めて、レイナを降ろした。と、同時にビンタされた。
「こんな移動の仕方なんて聞いてないわよ!怖すぎるわよ!」
「すまん。説明が難しかったんだ。」
レイナは一通りキレ散らかすと少し落ち着いた。
「もういいわよ!とりあえず探知魔法を使うわ。」
レイナが集中している、と同時に魔力の広がりを感じる。ソナーみたいな感じなのか。
「なにも感じないわ。もっと深くみたいね。」
「では様子を見ながら行こう。」
俺とレイナは深淵の森へ走った。
レイナに合わせて走っているが、さすがはプラチナランク候補だ。見事な身体強化で進んで行く。
何度か探知魔法を使いながら進む。夜明けが近くなった時にやっとレイナから
「反応があるわね…でもこれって?」
「なんだ?反応が五つあるのよ。三つは人間、一つは魔物かしら?もう一つがわからな…」
レイナが言い終わる前に激しいプレッシャーが襲いかかる。
「これって…なに!」
「悪魔だ、な。」




