満腹
俺とモミジはひたすらに肉を焼いている。サクラはもちろん、なぜか怒っているカエデもスゴい勢いで食べている。アイリスは…
「こんなに美味しい物は初めてですっっ!」
涙を流しながら食べている。ええんやで、お腹いっぱい食べな。
「ジェイドさん…私もそろそろ食べていいですか?」
「そうだな。ちょっと落ち着いてきたから俺らも食べよう。」
「ジェイド!私の皿が空です!肉を!」
「野菜も食え!アイリスを見習え!」
アイリスは合間に野菜も食べている。実に良い子である。
「野菜も美味しいですよ!」
「くっっ!仕方ない少し食べますか…」
「すいません!コメください!」
「私はスープください。」
「あ、私も!」
なんとか満足したらしいヴァルキリーの面々を見ていると。ふいにディアッカのことを思い出した。アイツも世話焼きだったから大変だったろうな…と。
「ところでアイリスはどんな魔法が得意なのですか?」
「え、ええっと…私は…」
なぜか言いにくそうなアイリス。
「ん?魔法は使えるんだろ?」
「実は、魔法を使ったことがないんです…」
「そうなのか?適性検査は?」
「受けていないです…ごめんなさい。」
アイリスの身の上話はなかなかに闇が深そうだ。普通、魔力がある子ならば8歳の時に適性検査を受けることになる。それを受けなかった、受けられなかったというのは…
「じゃあギルドで受けましょう!大丈夫!私達に任せてください!」
「はい!よろしくお願いします!」
どうやら今夜、ギルドに顔を出した方がいいみたいだ。俺もアイリスに情が移ってしまっている以上、ギルマスには経緯を話して味方になってもらおう。
「ほら、アイリス!デザートも食べましょう!」
「デザートですか?」
俺はオレンとリモーネのシャーベットを頼んだ。
「っっ!冷たくて美味しいです!」
「アイリス。これから美味しい物をいっぱい食べようね。」
「まだまだお店はいっぱいあるよ。」
やはり女の子には甘い物が好評だ。デザートを頼んでひと息つくとバッカムが来た。
「よっ!今日は小さいお嬢ちゃんも一緒か!」
「私達の新メンバーだ!アイリスと言う!」
「よろしくお願いします!アイリスです。」
「こちらこそ!よろしくな。バッカムだ。」
バッカムは強面だが子供には優しい。
「今夜はゴールドランクが二組も来店とはな。良い夜だぜ。」
「そうなのか?どこだ?」
「ホワイトファングだよ。全員いるぜ。」
そうか、ちょっと顔出してみようかな。と思っていると…
「ジェイド!ホワイトファングには良い魔法使いがいます!今のうちに親睦を深めておいて損はないですよ!」
「それはお前の仕事だろ…」
「私よりジェイドの方が仲良しでしょう!ほら、行ってください!」
俺はホワイトファングの卓へ向かった。なんで俺が…




