嫌味と妬み
ギルド内は落ち着いた雰囲気が漂っていた。昼も過ぎ、忙しくなるのは夕方くらいからだろう。
「エイミーちゃん。これあげる。」
「はい?わ!甘味屋ロザリーのお菓子!ありがとうございます!」
「みんなでどーぞ。」
「ちょうど休憩に入るとこだったんですよ。ジーナにお茶入れてもらいますー。」
いつも世話になっている以上、これは必要経費といえる。
「おうおう!女性職員に差し入れとは!余裕のあるシルバーランクは違いますねぇ!」
絡まれた。サクラに…
「私は差し入れを貰ったことはないですね!女なら誰でもいいんですか!なら私でいいでしょう!」
変な絡み方だ。
「今日はサクラ一人なのか?」
「今日はお休みです。私は兄の保障金を受け取りに来ました。瞬間的にお金持ちです!」
「そ、そうか…」
コメントに困る発言だ。
「じゃあ俺はこれで…」
嫌な予感がするからこの場から逃げようと
「ダメです。私は暇なのです!」
ダメらしい。
「暇って言われてもな…」
「かぁーっ!こんな美少女が暇だって言っているのに!ギルド職員には色目を使っても私には使わないと?」
「差し入れしただけだろ。個人に向けてでもないし。それを言えばヴァルキリーやお前に対してはメシを奢ったり気を遣ったりしてるだろ?」
「足りません!もうちょっとこう…男女のねっとりとした感覚が欲しいです!」
「あのーお二人とも、仲良しなのは理解しているのでもうちょっと静かに…」
エイミーに怒られた。俺達は外に出た。
「こんな感じで追い出されるとは…」
「ジェイドのせいですからね。」
なにを言っても無駄っぽいので俺は歩き出した。が、サクラが付いてくる。
「なに?」
「暇だと言ったでしょう!私の話を聞いてましたか?」
困った。この午後の中途半端な時間に女の子と二人ってのも困るが、相手がサクラってのがこれに拍車がかかる。飲食の時間でもないし、どこかに行くには遅すぎる。俺はとぼとぼと歩き続けた。
俺達は王都の外れまで来ていた。だが…
「王都の外れにしてはなんか豪華だな。」
「ここらへんは奴隷商の館がありますからね。」
この世界では奴隷というシステムがある。主に借金奴隷と犯罪奴隷だ。
「ジェイドは性奴隷に興味あるのですか?」
「ねーよ。なんで性限定なんだよ!」
「男はみんなそうでしょう?」
「違うわ!」
話しながら歩いていると奴隷商の馬車とすれ違う。あれに奴隷が乗っているのか…ん?サクラが立ち止まっている。
「サクラどうした?」
「あの女の子…気になります!」
「へ?」
馬車が館の前に止まると何人かの奴隷が出てきた。
「サクラ?」
「あの白髪の女の子です!気になりますね!」




