第1話【読書モード】壊れたはずの分類
なぜ、同じ物語なのに、読むたびに違って見えるのか。
(そういえば、あの本感動したな。もう一回、見てみるか)
手にとると、あれ、何か違う。
作者はよく経験します。
皆さんはいかがですか?
変わったのは作品ではなく、“自分自身”のほうかもしれない。
この疑問から、この話は始まる。
前作(『なぜ、この物語は届かないのか』)で、私は「7つの質問」を使って、読者のタイプを分類をした。
1. 深くものごとを考えるのが好き
2. 人の“見えない部分”に興味がある
3. 静かな物語の中の緊張感を味わいたい
4. 一つの出来事を多視点で読み解くのが好き
5. AIでは測れない“人間らしさ”に惹かれる
6. 読後に余韻が残る作品を求めている
7. キャラクターの内面を丁寧に読みたい
いくつ「Yes」があるかで、その人がどんな作品に刺さるのかを見た。『告白』(湊かなえ)は「4〜5」、『彼女の計画』(自作)は「7」……などなど。
実際にやってみると、ある程度はうまく機能した。「5以上の人には刺さりやすい」——そういう傾向も、確かに見えた。
しかし、同時に、無視できない違和感もあった。
——同じ作品なのに、評価が変わる。
あるときは深く刺さる。
別のときにはそこまででもない。
逆に、以前は何も感じなかった作品が、時間が経ってから急に残ることもある。
もし「タイプ」が固定されているのなら、こんなことは起きないはず。
ここで、一度立てた前提が崩れる。
人は、ひとつのタイプに分類できる存在なのか。その問いに対する答えは、どうやら「No」。
※この後も【読者編】、【書き手編】と進んでいきます。お楽しみに。




