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【読者地図】創作エッセイ―読み手と書き手の共犯関係の向こう側―「なぜ、その物語は届かないのか」  作者: Taku
読者編:『なぜ、その物語は届かないのか ―受容の地図―』

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第4話【届かない理由】有名な作品に当てはめてみる

※作品の分類は作者の個人的見解であり、優劣などを示すものではない。


この分類がそれなりに機能しているのなら、

様々な作品にも当てはまるはずだ。


そう思い、いくつかの作品を思い浮かべてみた。


作業はこうだ。


いくつかの作品に対して、さきほどの7つの質問を当てはめてみる。


深く考える——Yes。

見えない部分——Yes。

余韻——Yes。


多くの項目に「Yes」がつく。


この作品は「5〜7」に位置する人に強く刺さるタイプだと言えそうだ。


次の作品はどうか。こんな作業だ。


では、自分の作品はどうか。


代表作『彼女の教室』

7つすべてに「Yes」がついた。

(無論、自己評価だが)


では、読者タイプとして、7つ「Yes」の自分が

選んだ既読作品の分類を以下に示す。

自作も僭越ながら一番後ろにつける。



0〜1:あまり引っかからない/【効率的リアリスト】

『容疑者Xの献身』(東野圭吾)

『彼女のインフレーション』(自作)


2〜3:部分的に興味がある/【バランス型観測者】

『コンビニ人間』(村田沙耶香)

『夜のピクニック』(恩田陸)

『彼女の喫茶店』(自作)


4〜5:かなり相性が良い/【深層探求家】

『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(東野圭吾)

『告白』(湊かなえ)

『彼女の教室』(自作)


6:ほぼ間違いなく刺さる/【全方位没入型】

『海辺のカフカ』(村上春樹)

『1Q84』(村上春樹)

『新世界より』(貴志祐介)


7:ドハマりする/【考えることが快感な人】

『ハードボイルド・ワンダーランドと世界の終わり』(村上春樹)

『羊をめぐる冒険』(村上春樹)

『彼女の計画』(自作)


ここまで分類してみた。

(これはあくまで、私の読み方だ)


読者の方の中には「いや、それは違うのでは?」と思われる方もいるかもしれません。

はい、その通りです。


「海辺のカフカ」

「コンビニ人間」を、

社会風刺として読む人もいれば、

ただの一人の女性の生き方として読む人もいる。


「海辺のカフカ」も、

象徴を読み解こうとする人と、

雰囲気として受け取る人では、体験がまったく違う。


つまり、同じ作品でも、

読む側の“モード”によって、まったく別のものになる。


そう考えた瞬間、

この分類の前提が、少し揺らいだ気がした。


(人って、そんなに単純に分けられるのか?)


さらに、自分自身の読書を振り返ってみる。


昔は響かなかった作品が、

時間が経ってから強く刺さることもある。


逆に、以前は夢中で読んでいたものが、

今読むとそこまででもないこともある。


その違いは、作品の側ではなく、

自分の側にあるはず


だとすると——


「Yesの数」で人を分類すること自体に、

どこか無理があるのではないか。


ここで、ようやく気づく。


この分類は、

「固定されたタイプ」を見ているのではなく、

その瞬間の“状態”を切り取っているだけなのかもしれない。


そう思うと、さっきまでの納得感が、

少しずつ形を変え始める。


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