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第9話【涙の正体】その涙は、どこから来ましたか
ここまで「泣ける読書」について書いてきた。しかし、それが読書の全てではない。
笑いがあってもいい。感慨に耽ってもいい。知識を得るためでもいい。
楽しみ方は人それぞれ。それが読書。
その上で——もしあなたが「泣ける読書」を求めているなら。
ここまで読んでくれたあなたに、最後に一つだけ問いを残したい。
あなたが最後に泣いたとき、その涙はどこから来ましたか。
作品からか。状態からか。それとも――あなた自身の、これまで積み重ねてきた何かからか。
どの要素が大きかったとしても、その涙は間違いなく「あなただけのもの」だ。
なぜなら、同じ作品を読んでも、同じ状態でも、あなたと同じ涙を流す人はいない。あなたの性質が、あなただけのものだから。
さて。
あなたは今、どんな涙を待っていますか。
了
※この後も【読者編】、【書き手編】と進んでいきます。お楽しみに。




