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黒い神  作者: 小春日和
巫女の正体
73/104

兄の出立 5

 バス停に着いた。

「バスが来るまでつきあう」

と帰宅を渋る晴彦を、兄は、半ば強行に突き放した。

「持衰が目を覚ましたときに、お前がうちにいたほうがいい」

「でも、誰もいないとこに崇志兄を置いてくわけにいかんし……」

抵抗を示す少年に、崇志は顎で前方を指ししめす。

 片側1車線の、住宅街を周回する道路。対岸には民家が並び、交通量もそれなりにある。

 なにより、兄の耳は近づいてくる(かまびす)しい集団の声を捉えていた。

「あと10分もすればバスが来る。それに、お前に見送られるのは……」

いったん言葉を切って、バツが悪そうに俯き、

「気恥ずかしい」

と愚痴る。自分が無事にバスに乗車するまで、熱心に目で追いつづけるだろう晴彦を想像すると、座りの悪い感覚に囚われる。

「なんや、それ?」

呆れた表情を返した少年は、わずかの間、兄の依頼を無視していたが、やがて、

「……じゃあ、帰る。ちゃんと京都に着いてね。連絡待ってるから」

と、自分の携帯をポケットから取りだし、振って見せた。

「わかったわかった」

ふだんは電話の不携帯を苦にしない崇志も、今回は、電源がしっかりと入っていることを確認して、晴彦にジェスチャーを返してみせた。


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