おまけ1.公爵令嬢セリーヌの真実 SIDE:セリーヌ
ちょっとした裏話というか……AIさんが書いた文面読んでる内に、いろいろな疑問が浮かんできたのでこの後付け設定で解消させました(笑)
私はセリーヌ。かつては当初である父が宰相を務めるリヒテン公爵家の長女であり、公爵令嬢でもあった。
今は公爵家から勘当されたので、ただのセリーヌであり、国家を危機に陥れた第一級犯罪者として独房に押し込められた囚人でもある。
「くそっ!!セリーヌ!!お前のせいだ!!お前があんな提案してなければこんな事にならなかったんだ!!」
となりの独房から、元王太子であったルドヴィックの喚き声が聞こえる。
その内容は荒唐無稽も良い所。ただのわがままな子供が癇癪を起こしているような響きしかなかった。
(あなたのような無能、私が誑し込むまでもなく自滅してたでしょうね)
私はそんな事を思いつつも、口に出さなかった。
全ては、こうなる事を覚悟の上だったからだ。
「えぇ、全ては覚悟の上だったのよ……この腐った国を根本から変えるために、誰かが完璧なまでに潰す必要があったのよ……」
―——
“ナコロサーズ王国を完璧なまでに潰す”
私がこんな過激思想を持ったのは、三年前。十年にも及ぶ留学から帰国した時だった。
十年前の時点で私は母国の教育レベルの低さに辟易し、より高みへと近づけるよう父に頼み込んで国外。実力主義として名高いレナリア帝国へと渡った。
そこで過ごした十年で、母国が如何に低レベル……いや、愚かなのかを痛感した。
知識も制度も、人々の考え方さえも、百年の時差があるかのようだった。
ナコロサーズ王国では未だに女性が学問を追求することすら眉をひそめられるのに、レナリアでは女性宰相や女性将軍が当然のように活躍しているのだ。
だが、そんな後進国である母国にも、輝く原石は存在した。
「ミラノール・ヴァイスハイト……真の天才というのは、あの子のような事を言うのよね」
彼女は実務の才覚を見込まれて王太子の婚約者に選ばれた伯爵令嬢だったが、その本質は研究者だった。執務の合間を縫って医療研究に没頭し、最近ではまだまだ謎の多い瘴気病の研究に乗り出していた。
興味本位で彼女の研究資料を見たとき、私は息を呑んだ。医学の専門知識が乏しい私に詳細は理解できなかったが、紙面にびっしりと記された数式の複雑さと緻密さは凡庸なものでない事を示していた。
私はすぐにその資料の写しを、母国よりはるかに進んだ医療制度を持つ他国から派遣された医療ギルド長に送り、意見を求めた。返信は驚くほど早かった。
「これは……私の理解すら及ばない革新的な理論です。すぐに公表すべきです」
ギルド長の興奮した言葉が手紙から伝わってきた。しかし、私はそれを止めた。
王国の内情からみて、今公表すれば誰かが彼女の功績をかすめ取る。例え私という公爵令嬢が後ろ盾になっても、女性軽視の国では守り切れない可能性が高いからっと言う意見にギルド長は納得したようだ。
「まぁ、あのナコロサーズ王国だからねぇ」
ギルド長は遠慮がちに言葉を濁した。その控えめな表現こそが、母国が外国からどう見られているかを如実に物語っていた。
それから、私は決意した。
ミラノールという天才を、こんな腐った国に留めさせてはならない。彼女が真に活躍できる場へ送り出すこと──それが私の使命だと。
―——
私は次期王太子妃としてミラノールに押し付けられている王太子の実務の大半を、宰相である父の仕事の補佐という体面でこっそりと処理した。彼女が研究に専念できる時間を確保させるためだ。
その甲斐あってか、ミラノールの研究は驚異的な速度で進展した。わずか一年半後、その研究成果は三ヶ国同盟医療研究所の注目を集め、正式なスカウトの申し出が届くまでになった。
ならばっと、私は彼女を三ヶ国同盟医療研究所へと送りだせるよう一芝居を打った。
こちらは父も協力的だったので、スムーズに進んだ。
問題あったのは、ナコロサーズ王国を完璧なまでに潰す計画だった。
そちらは父が大反対したのだ。
「セリーヌ……それは過激すぎる。流血は避けなければならない。穏便な方法で改革を進めるべきだ」
「甘い!砂糖と蜂蜜とシロップで作る紅茶ぐらいに甘すぎるわ!!」
私は父をののしった。このままでは国が滅ぶだけでは済まない。世界中から危険視され、歴史書に愚国として刻まれることになる、と力説した。
その剣幕に押された父はため息をついた。
「お前はいつからそんなに冷徹になったんだ?」
「留学先で、この国の未来のなさを客観視できたからです」
この時は父もまだ私の案に首を縦を振らなかった。でも、次善の策となるプランBとして準備を進める事には反対しなかった。
そして、最終的に父は折れた。いや、正確には私の懸念。
王家の愚かさが父の想定を遥かに超えていた事で、未来のなさを実感できたのだろう
―——
「炊きつけた私が言うのもあれではあるけど、まさか王達が三ヶ国同盟医療研究所の成り立ちやら保持している権力を全く理解してなかったなんて……」
私は鉄格子の外、黒装束に身を包んだ暗闇に潜んでいる人物へ独り言のように愚痴った。
彼女はリヒテン公爵家に仕えている影の一員であり、わざわざ外の近況と私が立案したプランBが実行に移されたと伝言に来てくれたのだ。
「それでは、これから貴女を逃がします」
「いえ、結構です。私はここで処刑される日を待つ予定ですから」
「なぜですか?貴女様は悪人ではありません。国を救うために――」
「理由はどうあれ、私は王国を滅びに導いた極悪人であり、多くの国民に迷惑をかけました。ならば、その責任を取るのが、上に立つ者の義務でしょう」
影は簡単には引き下がらなかったが、私の意思が固いことを悟ると、一言だけ告げた。
「歴史では貴女様を悪女としてののしるでしょう。ですが、私は貴女様を聖女として崇めさせてもらいます。……出来るなら、これからも貴女の元で働きたかった」
「ふふ……私が聖女なんてね。本当の聖女はミラノールの事を言うのよ。なにせ、彼女の頭脳が世界を救ったのだからね」
私は、いつのまにか消えた影に向かってそう愚痴るのであった。
そんな牢獄での日々を過ごしている内に、革命が成功したようだ。
それに伴って私と元王太子ルドヴィックの処遇が決まった。
――毒杯による処刑
私達は処刑場となる広場に連れてこられた。元王と元王太子は見苦しく喚いたけど、私は一切の躊躇いがなかった。覚悟は留学から戻ってきた三年前の時点ですでにできていたからだ。
「お父様……先に地獄へ行ってまいります」
私は毒杯を一気に飲み干した。苦みが口の中に広がる──と思った瞬間、世界がゆらめき始める。
視界がぼやけ、音が遠のいていく。膝がガクンと折れ、石畳に崩れ落ちる自分の体を、まるで他人事のように感じた。
(……これで……私の役目は……終わった……)
最後の思考が頭をよぎり、すべてが闇に包まれた。
そして……
なぜか目覚めた私は、見知らぬ部屋の天井を見つめていた。
っというわけです。いや、女性軽視な国で成り上がるって苦労の割に得られる利益少なそうだし、だったらこの人の目的は成り上がりではなく国潰しの方が説得力あるよね~っと思い、そこから超有能な味方に路線変更させたけど、それはそれで新たな矛盾出来た気がしないでもない?
まぁ、その辺りは適当に脳内補完しといてください(投げ槍)




