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47.武器の再現



 山方小隊長はカマキリUMAにトドメを刺したことを確信した。


「こちら山方、今度こそカマキリUMAを討伐した」


『了解。帰還後話しを聞きたい、ブリーフィングルームに集まってくれ』


「了解」


 三神隊長への報告を終えた。


 ボロボロの状態の山方小隊長が俺の傍まで近づいてきた。


「大丈夫か、よくやったな」


 山方小隊長が俺に手を差し伸べてくれた。


「何とか勝てましたね」


「お前、よくあそこで倒し切る覚悟したな」


「えっ?」


「空中で吹っ飛んだ時、無理に推進機構を使わずに態勢を立て直す選択もできたはず。だが、お前はもう一度突っ込んだ」


「あの時は、あそこで倒し切らないとって思って…………必死で」


 自分でも、なんであそこであんなに無茶したのかよくわからなかった。


「お前推進機構を使った戦闘、まだほとんど経験してねぇだろ。今までずっと見てきたが、訓練でも上手くいかないことが多かったからな。そんなもんを空中で使うって判断を、よくあの一瞬でできたな」


(そういえば、推進機構を使った訓練は合同訓練場でやってたけど、いつも山方さんがいたな)


「あのチャンスを逃してたら、また奴に立て直されてたかもしれねぇ。確実に成功するとは限らねぇ方法でも、倒し切る方を選んだ。上出来だぜ」


 山方さんはそう言うと、笑って俺の肩をポンと叩いた。


「……ありがとうございます」


(必死だったから自分でもわからない。でも、あそこで倒しらないと次のチャンスはない気がした。ずっと推進機構の訓練を続けてきた。努力が実ったんだ!)


 俺は自分の努力が成果として現れ、それを山方小隊長に認めてもらえたことが嬉しかった。


(でも、実戦で自信をもって使えるように、まだまだ訓練を続けないとな)


 そして俺たちは、今回の戦闘について話しをするために帰還を急いだ。





 三班全員がガイアへと帰還し、ブリーフィングルームへと集まった。


「諸君集まってくれてありがとう。今回のUMA討伐に関してだが、かなり苦戦したようだな、ご苦労。そしてその件についてなんだが、戦ってみてどうだったか聞かせてほしい」


 三神隊長が今回のUMA討伐について聞いてきた。


「明らかに強くなっていたな。洞窟で取り巻きにいたUMAたちは弱かった。しかし、そこから逃げ出したUMAたちはこの数日間で恐ろしく強くなっている」


 長月さんが最初に報告した。


「アタシのところも同じだね。明らかに洞窟にいた時とは比べ物にならない程強くなってる」


 桜木さんのところも同じようだ。


「あぁ、俺たちのところもそうだ。三神には報告したから知っているとは思うが、倒したと思ったら脱皮してどんどん強くなっていきやがった。あのまま野放しになっていたら相当やばかったぜ」


 山方小隊長が今回討伐したUMAについて報告した。


「うむ。皆、洞窟にいたときとは明らかにUMAが強くなっていると感じたわけだな。すると、討伐が遅れれば遅れるほど、UMAたちは成長して強くなっていくと予想できる。早く討伐しないとまずいな」


「とは言ってもよ。俺たちも連戦できるわけじゃねぇし、傷を癒す必要もある。それに、討伐数の効率を考えて三班に分かれるとなると、一回の討伐で三体狩れるがその分負荷もでけぇぜ」


 山方小隊長が指摘する。


(確かに、あの強さのUMAが相手となると三人での討伐はかなりキツイ。今後UMAが成長してもっと強くなるとしたらなおさら………)


 三人での討伐はすぐに限界が来るのではないかと感じた。

 おそらく今回の戦闘で山方小隊長もそれを感じたのだろう。


「何か手を打たんといけんな、考えておく」


 三神隊長は難しい顔をしていた。


 しばらくは三班体制でUMA討伐をすることになった。


 三神隊長から今回のUMA関連だけでなく、さらに話しがあった。


「以前、再生能力を持つUMAに使用した抑制剤だが、あれを戦場で使える形に改良してもらった。抑制剤と違って再生能力を打ち消してくれる。弾丸として撃ち込めるようになったから、今後再生能力を持つUMAが現れた場合に備えて携行してくれ」


 全員がリボルバーを渡された。

 ホルスターも用意されており、戦闘中に邪魔にならないように太腿に装着することを推奨された。


「へぇー、こんなものが作れるようになったんだねー。三神、ちょっとお願いしたいことがあるんだけど、いいかい?」


 桜木さんがリボルバーを受け取った時に、三神隊長に何やら話しかけていた。


 三神隊長からの話が終わり、俺は個人訓練場に向かった。




(UMAがどんどん強くなっていくとなると、俺ももっと強くならないとまずいな)


 真一さんの大鎌を再び再現することができた俺は、いろんな状況に適応できるように他にも武器を再現する訓練をした。


 しかし、そううまくはいかなかった。


 真一さんの大鎌を再現できなかった。


(カマキリUMAとの戦いでは再現できたのに、今は再現できない………)





 俺は数日訓練を続けることで、やっと真一さんの大鎌を再現することができた。


(なぜかは分からないけど、やっと安定して大鎌を再現できるようになったぞ)


 他の武器もいろいろ再現してみた。


 片手剣を再現する。そして消える。

 もう一度試す。今度は短剣。


 それも再現できた。


「できた……!」


 しかし、戦闘で使うことを考えると、再現までに時間がかかる。


 俺は何度も繰り返した。


 武器を思い浮かべる。

 再現する。

 消す。

 別の武器を再現する。


 最初は一つ再現するだけでも集中力を必要とした。


 それでも何度も繰り返すうちに、少しずつ時間が短くなっていった。


(これなら実戦でも武器を再現して戦えそうだ)


 俺は感覚を体に覚えさせるように毎日続けた。




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