14.初めての役割は護衛
俺と真二くんは、廊下を全力で駆け抜け、ブリーフィングルームの重い扉を押し開けた。
張り詰めた空気が漂う室内のどこを見渡しても――やはり、長月さんの姿はなかった。
俺はすぐ近くにいた医療部隊副隊長の立花さんの元へと駆け寄り、声を潜めて尋ねた。
「立花さん……っ。長月さんの容態は、どうなんですか?」
立花さんは痛々しそうに眉をひそめ、首を横に振った。
「身体の怪我自体は、私たちの処置でだいぶ良くなったわ。でも……まだUMAと戦わせるのは絶対に危険よ」
立花さんは、あの治療室での地獄のような光景を思い出すように声を震わせる。
「……怪我が完治したとしても、もう以前のような戦い方は無理ね。またあんな風に心を無にして戦えば、今度こそ彼女の肉体は完全にUMA細胞と同化して、本物の化け物になっちゃう。正直、私はもう彼女には戦ってほしくない。またあんな無茶をしたら、本当に……」
「そう、なんですか……。しばらくは、長月さん抜きで戦い抜くしかないんですね」
あの時、長月さんの全身を覆っていた紫色の不気味な脈動が頭を過る。俺が拳を握りしめていると、立花さんは俺を安心させるように無理に笑顔を作ってみせた。
「大丈夫よ! ガイアには、他にも強い先輩たちがたくさんいるんだから!」
その言葉通り、室内には続々と討伐部隊のメンバーたちが集結してくる。
全員が席に着くのと同時、前方に立つ三神隊長がモニターを点灯させ、声を響かせた。
「よし、揃ったな。時間がない、作戦を伝える! ――今回目撃されたUMAは『鳥型』だ。飛行能力を有し、上空から緑色の酸を吐き散らして街を溶かしながら移動している」
画面には、広大な翼を広げて上空を旋回し、建物をドロドロに腐食させていく不気味な怪物の姿が映し出されていた。
「敵は上空から一定の距離を保ち、遠距離攻撃を主体として立ち回ってくる。そのため、今回の討伐は『中遠距離メンバー』をメインに編成する。敵に飛行能力がある以上、飛空船での接近は奴に気づかれない位置までだ。そこからは各自降下し、地上から足を使って距離を詰める。作戦は、まず九十九が逃げ道を塞ぎ、山方による拘束。完全捕縛の後、如月のアンチマテリアルライフルによる一撃で仕留める」
三神隊長は一度言葉を区切り、俺たちを鋭く見据えた。
「如月の狙撃位置が敵にバレれば、間違いなく真っ先に命を狙われる。確実に仕留められる絶好のタイミングが作れるまでは、如月はその場で完全に気配を殺して待機だ。――そして、今回は九十九、山方、如月の3名に、それぞれ1名ずつ『護衛メンバー』を付ける。手持ちのシールドを使い、敵の酸による空中からの波状攻撃を確実に防ぐことに専念してくれ」
(空を飛ぶ敵……。あんなサイ型みたいな大怪獣の次は、上空から酸を吐いてくるバケモノを相手にしなきゃいけないのか……)
実戦のスケールの大きさに圧倒される。
「出撃メンバーを発表する! 九十九! 山方! 如月! ――護衛メンバーは俺、清乃女! そして、一ノ瀬! 以上だ!!」
隊長の声と同時に、呼ばれたメンバーたちが一斉に部屋を飛び出し、広間での待機に向けて動き出す。
(あ……あの人って、以前合同訓練を見ていた時、一人だけ武器を何も持たずに素手で動いてた。あの人の戦い方、一体なんなんだろうな……)
そんな疑問を抱えながら廊下を歩いていると、三神隊長が俺の隣に並び、歩きながら声をかけてきた。
「一ノ瀬! お前は如月の護衛に当たれ。万が一、如月が敵を一撃で仕留めきれなかった場合、お前がその盾で、敵の反撃から如月を死ぬ気で守り抜くんだ」
隊長は前を向いたまま、シールドを手渡して淡々と続ける。
「……如月が一撃で仕留められれば、特にお前の出番はない。奴が一発で倒せることを、心の中で祈っておくんだな」
(……そっか。俺はまだ、自分の専用武器が完成してない。手元にあるのは、このデカいシールドだけだ。だからこそ、一番安全な役目を任せてくれたんだろう。敵を捕まえるまでの間は、激しい前哨戦になる。上空からの酸を防ぎながらの地上と空中の攻防戦は、隊長たちが身を挺して担ってくれるんだ)
「だがな」
三神隊長の声が、不意に冷徹な重みを帯びた。
「もしも一撃で仕留めきれなかった場合、お前たちのいる狙撃地点は真っ先に狙われ、戦場で一番危険な場所になる。その時は、俺たちが合流するまで『耐えること』を最優先に死力を尽くせ」
「――わかりました!」
俺は震えそうになる声を張り上げて返事をした。
(戦場に、最初から安全な場所なんてあるわけがないんだ。もしもの時は……専用の武器がないなんて言い訳はしない。この盾で、俺が如月さんを絶対に守り抜く!)
「タクマ、前回の『見学』と違って今回はマジの出動だな!頑張れよ!無事で帰ってこい」
真二は笑顔で俺の肩を軽く叩き送り出してくれた。
「うん!必ずUMAを倒して帰ってくる!」
スーツのフィッティングを終え、巨大な大型シールドを背負って出撃広間で待機する。
同じように、三神隊長と清乃女さんがそれぞれのシールドを背負って静かに闘志を燃やしていた。
そこへ、二人の男が合流した。
一人は、自分の身体ほどもある太い鋼鉄の鎖を全身に纏った、いかつい男の人。そしてもう一人は――やはり、何も武器を持たずに手ぶらのまま、穏やかな笑みを浮かべている細身の男の人だった。
最後に、身の丈ほどもあるアンチマテリアルライフルを抱えた如月さんが合流する。
「よし、集まったな。細かい作戦は飛空船のなかで話す。乗れ!」
三神隊長の号令の元、俺たち6人は格納庫の飛空船へと乗り込んだ。
ゴオオオ、と微かな重低音を残し、飛空船は鳥型UMAの待つ戦場へと夜空を滑り出す。機内のミーティングシートに座ると、隊長がホログラムの地図を広げた。
「飛空船で接近した後は、敵に気づかれない位置から降下し、足を使って隠密に距離を詰める。如月と一ノ瀬は絶対に見つからないよう、大きく迂回して指定の狙撃ポイントへ向かってくれ」
「了解」
如月さんが真面目な顔で頷く。
「残りのメンバーも、なるべく気配を殺して接近しろ。九十九はまず、敵の周囲の上空を取り囲んでくれ。それが済んだら――山方、頼んだぞ」
太い鎖を纏った男の人が、不敵にニヤリと口元を歪めた。
「任せろ。俺が奴をガチガチに捕縛したら、如月、可能な限り撃ち込めよ」
「はいはーい! めちゃくちゃ撃っちゃうよ~!」
如月さんのいつもの軽い調子が戻る。
「俺が山方の護衛に就く。清乃女は九十九を頼むぞ」
「はいな~。よろしゅうな、九十九はん」
「はい、よろしくお願いします」
手ぶらの男の人が、清乃女さんにペコリと丁寧に頭を下げた。
(……なるほど。あの太い鎖を巻いてる人が、山方小隊長って人か。真二が言ってた、もう一つの小隊の凄い人……! ってことは、何も武器を持ってないあの人が、九十九さんなんだな。一体どんな武器を使って戦うんだろう……)
飛空船のシートから身を乗り出し、俺は思い切って隣の九十九さんに尋ねてみた。
「あの……俺一ノ瀬タクマっていいます。九十九さんは、一体どんな武器を使うんですか?」
「よろしくタクマくん。ぼくは九十九恭介、ぼくの武器はワイヤーだよ。これで鳥型の上空周辺を囲んで、奴の逃げ道を塞ぐのが今回の役目なんだ」
九十九さんは優しく微笑みながら、そっと自分の両手を見せてくれた。
「ワイヤーですか。だから合同訓練のとき、手ぶらに見えてたんですね……」
ようやくすべての謎が解けて腑に落ちた俺に、横から重々しい声が飛んできた。
「お前ら、無駄話はそこまでだ。そろそろ降下地点に着くぞ」
山方小隊長の緊張感に満ちた一言に、機内の空気がピキリと張り詰める。
「よし。総員、作戦通りそれぞれの指定地点へ展開しろ!」
三神隊長の鋭い号令と共にハッチが開き、隊長が真っ先に夜空へと飛び降りていく。それに続いて、みんなが次々と闇の中へ降下していった。
地上へ着地した俺と如月さんは、敵の索敵に引っかからないよう、息を潜めて大きく迂回しながら狙撃ポイントへと急いだ。
その間に、前線へ先回りした九十九さんがワイヤーの罠を張り、山方小隊長が捕縛のタイミングを狙う手はずになっている。
『――こちら九十九。目標地点に到着。作戦通り、これより周辺に罠を設置していきます』
『こちら山方、同じく配置に就いた』
インカムからノイズ混じりの無線連絡が入る。歩調を合わせる如月さんが、すかさずマイクに指を当てた。
「了解。こちら如月、現在狙撃地点へ向かって移動中。到着まであと2分くらいかと」
前線では、九十九さんが極細のワイヤーを慎重に張り巡らせているはずだ。
しかし、静寂は突如として破られた。
『――何だ? 何かが俺に触れたぞ……!?』
インカムから響いたのは、背筋が凍るような鳥型UMAの不気味な声だった。
奴がわずかに移動しようとした瞬間、九十九さんの仕掛けておいたワイヤーのどれかに接触してしまったのだ。
自分が何者かに包囲され、罠を張られていることに気づいた鳥型は、即座に翼を広げて上空からの索敵を開始した。
『チッ……! ギエェェェェーーーッッ!!』
凄まじい怪鳥の咆哮。直後、インカムの向こうから「ジュウウウウウ」と何かが激しく溶ける悍ましい音が響き渡る。鳥型がパニックになり、あたり一面に緑色の酸を吐き散らし始めたのだ。
『おい三神、このままだとターゲットが移動を開始しちまうぞ! 如月が予定の狙撃地点に着く前に、射線が通らなくなる可能性が出てきた!』
山方小隊長の焦った声が無線から聞こえてくる。
『――如月が到着するまで、その場で時間稼ぎをする。可能な限り奴にダメージを与えて機動力を削ぐぞ!』
三神隊長の冷静な、だけど命懸けの判断。三神隊長と山方小隊長が、酸の雨が降るなかを鳥型の正面へと躍り出たのが無線の気配で分かった。
『お前たちか……! 俺の周りにこんな小細工を仕掛けたのは!』
『だったらなんだ? 用があるなら降りてこいよ、鳥公!』
山方小隊長が敵を引きつけるために激しく挑発する。
『焼き尽くしてやるわぁッ!!』
鳥型が大きく息を吸い込み、上空から大量の酸をブレスのように吐き出してきた。
直後、ズドォンという凄まじい衝撃音がインカムを揺らす。隊長が巨大なシールドを構え、その圧倒的な酸の濁流を正面から防ぎきったのだ。
『山方、今だッ!』
『おうよォッ!!』
三神隊長のシールドの影から、ジャラララッ!と重厚な金属音を立てて鋼鉄の鎖が伸び、上空の鳥型へと襲いかかる。
しかし――敵の反応速度が速すぎる。鳥型は空中で不気味に身体を翻し、その鎖を素早くかわしてみせた。
それからしばらくの間、前線からは激しい攻防の音が無線越しに伝わってきた。けれど、状況は最悪だった。
あたり一面の地面や建物は鳥型の酸まみれになり、それだけ激しく動く敵に対して、山方小隊長の鎖はただの1発も命中していなかった。
『おい、三神。奴の吐いた酸だが、おかしいぜ。全然蒸発しねぇで、ずっとその場に酸が残ってやがる。くそ足場がワリぃぜ』
『確かに妙だな・・・これは、油だ!引火したらまずいぞ、辺り一帯火の海になる』
無線越しから三神隊長の焦りがうかがえた。
「……こちら、如月。目標の廃ビル屋上へ到着。――狙撃準備、完了」
俺たちが指定の場所に辿り着くと同時、如月さんはアンチマテリアルライフルのバイポッドを地面に固定し、冷たい声で無線を入れた。
『やっとか! これで作戦開始だ……と言いたいところだがな。クソ野郎、こっちの攻撃が全くあたらねえ! 反応速度が異常に速い上に、ずっと一定の距離を保って上空から油酸を吐いてきやがる。このままじゃいくらやっても捉えられねえぞ!』
山方小隊長の苛立った声。
『九十九、ワイヤーの範囲を徐々に狭めろ。奴の空中での行動範囲を物理的に制限するんだ』
『了解です!』
三神隊長の指示と九十九さんの声を合図に、鳥型を覆っていた見えないワイヤーの網が、じわじわと外側から中心に向かって狭まっていく。
不穏な空気を感じ取ったのか、上空の鳥型が不気味に首を傾げた。
『お前たちの他に……まだ仲間が隠れているな? 誰だ、俺の周りに見えない何かを飛ばしている奴は……』
『へっ、何のことだ、鳥公! テメェの相手は俺たちだぜ!』
山方小隊長が必死に敵の視線を自分へと引きつけようとするが、知能の高い鳥型は騙されなかった。
『――そっちかッ!!』
鳥型は鋭い眼光を地上の別の影へと向け、九十九さんと、その護衛に就いていた清乃女さんが身を潜めている場所目掛けて、大量の油酸を吐きかけた。
『九十九はん、うちの後ろへ!』
インカムから清乃女さんの鋭い京都弁が響く。彼女が背負っていたシールドを全力で構え、九十九さんの身を挺して油酸の直撃を弾き返したのだ。
ガガガッと盾が融解していく不気味な音が無線に混ざる。
『九十九! バレちまったなら、こっからは丁寧にやる必要はねぇ! 強引に奴を網に捉えるぞ!』
『はい!!』
九十九さんは隠れるのをやめ、極細のワイヤーを四方八方へと猛烈な勢いで張り巡らせていった。
鳥型は肌を切り裂くワイヤーの包囲網から逃れるようにして必死に飛び回り、狂ったように油酸を吐き散らす。
『野郎、九十九のワイヤー自体は見えてなさそうだが……さっきからワイヤーから遠ざかるように逃げてやがるぜ。どう見る、三神!』
『見えていないのだとしたら、音だな。ワイヤーが風を切る音や、糸を張ったときの微かな金属音を聞いている。何があるかまでは分からずとも、そこに何か危険な障害物があると判断して避けているのだろう』
ジュウウゥゥゥと酸で溶ける音とブンッブンッと鎖が風を切る音と共に、インカムの向こうから、状況を冷静に分析する三神隊長の声が聞こえる。
『なるほどな。九十九のワイヤー自体が奴の目に見えてねえなら、まだやりようはあるぜ。九十九! お前が張ったワイヤーの正確な位置を俺に教えろ!』
山方小隊長が無線越しに九十九さんへ細かく位置を確認していく。
『よし、把握したぜ! これならどうにか地上に引きずり落とすことはできそうだ。後はそこから地上戦に持ち込んで、そのまま奴を倒せれば万々歳。捕縛できれば作戦通り。最悪、奴に上空へ逃げられても、俺たちの後ろには如月の狙撃が控えてる。――如月!! 集中を切らすなよ!』
「――了解。いつでもいけるよ」
隣でスコープを覗く如月さんの指が、アンチマテリアルライフルの引き金にそっとかけられる。彼女の横顔を、極限の緊張感からくる冷たい汗が伝った。
『そんじゃ、作戦開始だ。おらぁッ! 捕まりやがれ、鳥公!!』
山方小隊長が力強く地を蹴り、上空の鳥型へと太い鎖を激しく伸ばした。
鳥型はそれをあざ笑うかのように、空中で翼を羽ばたかせて悠々と交わしてみせる。――だが、山方小隊長の狙いは最初から敵の身体ではなかった。
山方小隊長は空中で鎖の軌道を強引に横へと変え、九十九さんがあらかじめ設置していた極細のワイヤーへと鎖を絡みつかせたのだ。そして、そのまま肉体をへし折らんばかりの怪力で鎖を強く引っ張る。
かわされたはずの鎖が、張り巡らされていた見えないワイヤーの網を一瞬で引き絞り、上空の鳥型を巨大な網のように包み込んだ。
『な、何ぃ!? これは……さっきの、見えない糸かッ!?』
鳥型の驚愕の悲鳴。
鎖で直接捉えることはできずとも、周囲のワイヤーごと力ずくで引きずり下ろすという豪快な力技。網に捉えられた鳥型は、激しい風切り音と共に、地面へと派手に叩きつけられた。
『総員! 一気に畳み掛けるぞッ!!』
三神隊長の鋭い号令がインカムに響き渡る。
遠目のビル影から俺が見守るなか、前線の三神隊長と清乃女さんが、構えていたシールドを背負い一瞬で近接武器の剣へと持ち替えるのが見えた。
『キエェェェェーーーッッ!!』
鳥型は強靭な翼と腕に極細のワイヤーが深く食い込み、どす黒い血を流しながらも、強引に網を引きちぎりにかかる。
素早く再び上空へと羽ばたこうとするその足元へ、三神隊長と清乃女さんの目にも留まらぬ鋭い斬撃が炸裂し、その強靭な脚の肉を深く切り裂いた。
さらに、逃げ道を完全に塞がれた鳥型の胴体へ、山方小隊長の太い鎖がガチガチと音を立てて雁字搦に巻きついていく。
「……ダメ、低すぎる! ビルが邪魔で、ここからじゃ射線が通らない……っ!」
隣で如月さんが焦ったように声を漏らした。
敵を完全に地上へと引きずり落としたせいで高度が足りず、俺たちのいる廃ビルの屋上からでは、手前の遮蔽物に阻まれてアンチマテリアルライフルによる狙撃が封じられていた。
『だったら、このまま締め殺してやるぜ! !九十九、テメェもこいつの身体をワイヤーでぐるぐる巻きにして窒息させろ!』
『はい!!』
『俺の鎖はなぁ、酸にも熱にも衝撃にも強え素材を使ってんだよ! 一度捕まえた獲物は、地獄の果てまで絶対に逃さねえぜ!!』
このまま地上戦を繰り広げる前線チームの圧倒的な連携で、鳥型を圧殺できる――誰もがそう確信しかけた、その瞬間だった。
鎖とワイヤーに全身を強固に締め付けられ、身動きが取れない鳥型が強引に抜け出そうと押し広げる。
ほんの少しの隙間を作ったその時、その巨大な胸板を不気味に膨らませ、周囲の空気をすべて吸い込むかのように、大きく息を吸い込んだ。
そして
(な、んだ……? パチッパチッって聞こえてくる……)
インカムから漏れ聞こえてくる不穏な音に、俺は震える手で、背負った大型シールドのグリップをさらに強く握り締め直した。




