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嘘告の功罪 ~「本当は好きだった」は免罪符にならない  作者: 紡里
第二章 その後

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母親

短いです。

 処刑当日、彼の母親が会場で騒ぎを起こしたらしい。会場を警備していた兵士たちに当然捕まった。数日勾留され、取り調べも受ける。

 自分の人生をかけて抗議をするとは、なんと大きな愛情なのか。少し羨ましいという気持ちになる。その一方で、判決が出る前に動かなければ意味はないのに、と不思議に思った。


 たっぷり愛されたから、彼はあんなに自分に自信があったのかもしれない。

 けれど、あそこまで話が通じなくなってしまうのは……ちょっと考えてしまう。嫌だと言っているのに通じないのは、恐怖だった。


 実家の母から呼び出しがかかった。

「襲撃に巻き込まれたなら、無事な姿を見せなさい」と。


「行きたくないわ」

 夕方に近づくにつれて、愚痴が増えていく。

「こういう日に限って、残業もないしねぇ」

 同僚が、そっけない相槌を打つ。


 母からの愛情がないとは言わない。

 だが、それは彼女が考える「正しい愛情」であって、こちらがそれを嬉しいと思うかどうかは無視されるのだ。

 一人の人間として扱われていないような、不快感がまとわりつく。

 もう何度目かわからないため息が出た。



「姉貴、ごめん! 緊急出動だ」

 実家に住んでいる弟と、一緒に帰宅する約束だった。

「わかった。こっちは気にしないで。ご武運を」

「ありがと。行ってくる」

 弟は廊下を駆け出していった。


「忙しいときに、わざわざ言いに来てくれたのね。悪いことをしちゃったわ」

「……一人で大丈夫?」

 同僚が小声で訊いてきた。

「仕方ないわ。取って食われるわけじゃないもの」

「実家に行く人の発言じゃないわね」

「確かに……」

 いつもなら微笑みながら言える台詞が、喉に詰まって続けられなかった。


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― 新着の感想 ―
 こっちの母親も元凶のひとり。  正論パンチを公平な第三者(複数)の前でかまして味方をふやす?一対一では「ヤツ」同様自己満ムーブを延々とループするだけだし⋯⋯。  一番良いのは一切関わらない人生なんだ…
娘に嫌われてる自覚ないだろうし、口にしたら被害者ぶって娘責めるんだろうなぁ……。
拗らせ過ぎてて対応力が乏しい主人公さん…
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