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千と一物語  作者: Co27
第一章 ジョブを貰おう!
16/17

十四話 勇者パーティ(仮)

投稿が遅くなってしまい申し訳ありません…。12月中旬まで少し忙しい日々が続くので更新が遅くなります。※追記:次回の更新は12/9か12/15になると思います。

 

「…魔王討伐か…。お前達、なかなか思い切った決断をしたな!俺様、もう少し考えてから決断した方がいいと思うんだが?」


「本当にそうだよ…魔王討伐をそんなあっさり承諾するのはどうかと思うよ?本当に行くのかリナ?」


 レイア達の体面に座るカリオスとカノアは、ハソンの地位やレイア達への依頼、レイアとリナのジョブと魔王討伐へ行くことを聞き、揃って呆れた顔をする。

 しかし、レイアは自信満々に、リナは少し躊躇いつつカリオス達に思いを告げる。


「カリオスの言うことは尤もだと思うよ。けど、ボクは魔王討伐に行くべきだと心が、体が叫んでいるんだ。この思いを振り切ることができないんだ。それに、”勇者”になったからには魔王討伐をするのは伝統みたいなものでしょ?」


「…私もです。”賢者”というジョブを得てから、使命感のようなものが体の奥から湧き上がってくるんです。それに、父さんが語ってくれた冒険者をしていた時に見た世界を私も見てみたいんです。」


 そんな二人の決意を知り、カリオスは面白そうに大きな声で笑い、ハソンに話しかける。


「一つ聞いてもいいかハソン様?その魔王討伐に参加すれば金は貰えるのか?」


「ええ。魔王という危険な存在を相手にして戦うのです、国からそれ相応の金額が支給されるでしょう。どれ程かは断言しかねますが、王国軍近衛隊長の年俸を軽く超えるほどでしょうね。それに加え、王国からの全面的なバックアップにより何不自由なく生活できるでしょう。」


「そうかそうか…。なぁハソン様よ、その魔王討伐、俺様も参戦することはできるか?」


「カリオス!?」


 不敵な笑みを浮かべながら、魔王討伐に志願したカリオスにカノアは驚きの表情を浮かべる。そんなカノアにカリオスは少し真面目な顔をしながら言葉を紡ぐ。


「俺様には金が必要だって言ったろ?そんな状況で、金がたんまり貰える話が来たら乗るしかないだろ?で、どうなんだハソン様?」


「カリオス君とカノアさんのステータスカードは先ほど見せてもらいましたが、お二人とも二職持ちダブルに上位ジョブ、概ねその資格があると思います。」


「なら決まりだ。俺様も魔王討伐に連れて行ってくれ!」


「…分かりました。貴方のような将来有望な人材は今の王国からしてみれば、喉から手が出るほど欲しいですからね。断る理由もありません。」


 魔王討伐行きが決まったカリオスに、レイアはどこか頼もしさを感じつつも確認する。


「いいのかいカリオス?ボクが言うのも何だけど軽く決め過ぎじゃないかい?」


「ははは!男は度胸だ!金も貰えるし、俺様の名を世界に轟かせれるチャンスなんだ、乗らないわけにはいかないだろう!」


「ははは…。カリオスさんらしいですね。けど、頼もしいです。カノアも来ませんか?…カノア?」


 いつもの様に妙なポーズをとりながら堂々と宣言したカリオスに、レイアは苦笑いをし、リナも少しその暑ぐるしさに引きながらも頼もしさを感じる。そして、カリオスと同様、魔王討伐への資格を持つカノアを誘う。が、カノアの様子が少しおかしいことに気が付いたリナは不安げに声をかける。


「どうしたんですか、カノア?具合でも──」


「カリオス、上位ジョブを授かったんだし、金を稼ぐならもっと安全に出来るんじゃないか?レイア、勇者になったからって魔王討伐に行かないといけない訳ではないんだぞ?リナ、世界が見たいならもっと他に方法があるじゃないか、わざわざ魔王討伐に行く必要はないだろ?あんた達全員、雰囲気に飲まれてるんだよ!考え直すべきだよ!」


 リナの声を遮ってカノアは胸の内に溜めていたものを吐き出すかのように声を荒げる。そんなカノアに三人は反論することができない。カノアの言っていることは正しいし、何よりもレイア達を心配していることが十分に理解できるからだ。

 それでも、レイアの瞳に映る決意の炎が揺らぐことはない。レイアは思う、カノアが言っていることは正しい。けど、その”正しさ”を理解した上で自分は危険な道に歩もうとしているのだと。


「カノア、それでもボク達はいや、ボクは魔王討伐に行く。ボクが勇者に選ばれたのは、何か意味があると思うんだ。それに、今もどこかで悲しんでいる人がいる、こんな世界を変えたいんだ。いや、変えなければいけないと思うんだ。」


「すまんなカノア。お前の言っていることは尤もだが俺様はもう決めたんだ。男に二言は無し!俺様の考えは変わることはない。」


「レイア、カリオス…」


「カノア、私も魔王討伐に行きます。私もレイアさんと同じく、賢者を授かったのには意味があると思うんです。ただの我が儘かも知れませんが、止めても行くつもりです。」


「…リナ。皆本当に良いのか?死ぬかもしれないんだぞ?」


「それでもボク達は決めたから。この決意を曲げることはないよ」


 レイアの言葉に同意するようにカリオスとリナは頷く。そんな三人を見たカノアはため息をつき、困ったような笑みを浮かべる。


「本当に、この村の奴らは変なところで頑固だな…。分かったよ、アタシはもう何も言わない。兄貴も道を狭めるのはよくないって言ってたしな」


 カノアの言葉を聞き、レイアとリナはホッと息をついた後、ニヤニヤしながらカノアにすり寄る。


「ふふっ結局兄さんですか?」


「カノアは少し、アルカのこと見過ぎじゃないかな?かな?」


「うるさい!お前らこそ魔法学園に行くとか、この村で暮らすとか言ってた割にはすぐに考え変えやがって、兄貴は優柔不断な奴は嫌いだってこの前言ってたぞ!(嘘だけど…)」


「ふふんっアルカがボクを嫌うなんて世界が滅ぶぐらいあり得ないことだね!そんな言葉は効かないよ!」


「妄想を垂れ流しているレイアさんは置いておいて、カノア、貴女も一緒に来ませんか?」


「何だよ寂しいのかよ?」


「その通りです」


「…そっそうか」


 カノアは小馬鹿にしたように言ったが、リナのあまりにも素直な返答に少し戸惑ってしまう。普段はしっかりしていて弱い部分を見せないだけに、カノアはリナも魔王討伐に不安を感じているのだと思った。それなら、辞めればいいのだろうが、それができないから姉妹カノアにも一緒に居て欲しいと思ったのだろう。


(ったく…家族を戦地に誘うとか、どんな思考してんだか。けどまあ、リナの不器用さは昔から出しな、仕方がないか…)


 カノアは視界の端に映る、リナに飛び掛かろうとしているレイアと、それを抑え込んでいるカリオスを無視しながらリナの方をじっと見つめる。リナもカノアから視線を外さず、見つめ返す。

 何かを感じ取ったのか、レイアは暴れるのを止め、カリオスと共にカノアを見守る。そして、悩ましげな顔をしたカノアが口を開こうとした瞬間。


「オッスお前ら!上位ジョブを授かった稀代の幸運者のソーレン様の登場だ!……って何だこの空気?」


 バーンッ!と扉を開ける音と共に部屋に入って来たのは愛すべきバカ、全てにおいて間が悪い男、ソーレンだった。

 部屋に入ってきたソーレンは、自身に向けられる白い眼と、ハソンの呆れられたようなため息に「何だこの状況!?」っとアタフタしている。流石のソーレンもこのような事態は想定していなかったようだ。


「カリオス、摘み出せ。」


「了解。」


「え?何、ちょっと待って!?何だよコレ!?待って、カリオス引っ張るなって!待てってぇぇぇええええ……」


 レイアの指示により、カリオスはソーレンを儀式の間に放り投げ、扉を閉めた。扉の向こうから「俺がなにしたってんだー!!」っと聞こえてくるが、何事もなかったように元の位置へと戻る。

 どこか微妙な空気が流れる中、カノアは咳払いをした後、リナの方へ向き直る。


「分かったよ、アタシも魔王討伐について行くよ。リナ達だけだと危なっかしいからな!」


「有難うございます、カノア!」


「ボクも嬉しいよっ!カノアは中々頼りになるからね!」


「ただし二つ条件がある。」


 カノアの参戦に喜ぶレイアとリナに、カノアは人差し指と中指を真上に向ける。


「何だいカノア、その条件って?」


 可愛らしくコテンッと首を傾げながら質問するレイアをカノアは見た後、リナとカリオス、ハソン、部屋にいる全ての人間を見渡した後、口を開く。


「兄貴は連れて行かないこと、兄貴には秘密にすることだ。」


「何となく想像はできますが、理由を教えて貰ってもいいですか?」


 リナに問われたカノアは一度目を瞑り、深く息を吸った後、苦笑いをする。


「これはあたしの唯の我が儘なんだけどさ、兄貴には危ないことをせず、平和に暮らして居て欲しいんだ。きっと兄貴はあたし達が魔王討伐に行くなんて言ったら意地でも付いてくると思うんだ。だから、このことは兄貴には伝えないで欲しい。」


 カノアの言葉を真剣な表情で聞いていたリナとカノア、それにカリオスは揃って笑みを浮かべる。


「確かにアルカには争いなんて言葉は似合わないしな、俺様はカノアに賛成だ!」


「アルカと離れ離れになるのは本当に、ほんとーーーーーーにっ寂しいし嫌だけど、アルカを危険な場所に連れて行く方が嫌だし、ボクもカノアに賛成だよ。」


「私も兄さんには争いとは無縁の生活を送ってほしいと思いますし、カノアに賛成です。…まったく、カノアは本当に兄さんには甘いですね」


「なら決まりだな、あたしも魔王討伐に参戦させて貰う!その、なんだ…よろしくな?」


 カノアはどこか恥ずかしそうに頬を掻きながら、決意を口にする。レイア達は笑顔で三者三様の返事をして、拳を打ち付け合う。そんな四人を微笑ましげに見つめていたハソンが声をかけようとした瞬間、扉が音を立てて開き、どこか憐れみを感じる姿をしたソーレンが入って来た。

 部屋にいた全員が忘れていたことに「…っあ」っと声を出す。そして、顔を俯かせながらこちらにズンズンと歩み寄ってくるソーレンに四人はどうしようかと慌てふためく。流石に今回の扱いは酷すぎると思ったのだろう。


 女性陣に目を向けられ、半ば強制的にカリオスがソーレンに話しかけようとしたが、カリオスが言葉を発するよりも一歩早く、ソーレンが顔をガバッと上げ、拳を前に突き出し、吼える。


「俺も魔王討伐について行く!!異論は認めないッいいな!!」


 ソーレンの思はぬ気迫に四人は少し圧倒され、「おっおう…」と頷く事しか出来なかったが、どこか恥ずかしそうにしているソーレンを見て自然と笑みがこぼれる。四人に笑われたソーレンは顔を赤くしながらも、強調するように、再度拳を前に突き出す。

 四人は笑みを浮かべながらもソーレンと、魔王討伐を決心した仲間と拳を打ち付け合う。


「歓迎するぜ、ソーレン。お前も漢だったってことだな!」


「まあ、何となくあんたは来ると思ってたよ。あっ兄貴には魔王討伐に行くことは内緒にしてくれよ?」


「ソーレンがいなくてもボク達は魔王を倒せると思うけど、可哀想だから連れて行ってあげるよ!」


「居ないよりはマシでしょうし、私も歓迎しますよ」


「忘れてたくせによく言うぜお前ら…ってかリナちゃん、それは褒めてんのか!?もう少し嬉しそうにしてくれても良いじゃねえか!」


 五人はいつもの様に和気あいあいとしながら拳を打ち付け、離す。いつもと違うところと言えば、その瞳に決意の炎があることと、白髪の少年がいない所だろう。


 斯くして、この日、この場所で、この瞬間、少年少女たちの勇気ある決断によって勇者パーティが作られた。今はまだ仮の状態ではあるが、彼らが戦場に立つのも、そう遠くない話だろう。


「盛り上がっているところに水を差すようですが、少しいいですかな?」


 五人のことを見守っていたハソンは話に区切りがついたことを見計らい、声をかける。

 互いに向き合っていた五人は、ハソンの方に向き直り、話に耳を貸す。


「勇者様に賢者様以外のお三方の勇者パーティへの参戦は、国王陛下直々に許可が下りました。勇者様たちには王都で魔王討伐へ向けて力をつけて貰うべく、修業を行ってもらいます。一週間後に王都から使者が参ることになりましたので、それまでに準備等をしておいてください。」


 ハソンはレイア達が話をしている間に、魔道具を使って国王にソーレン達の勇者パーティ入りの許可を貰ったことを伝える。

 ソーレン、カリオス、カノアの三人は国王に自らが認められたことに、嬉しさと緊張が入り交ざったような表情をする。

 リナは、王都に向かう一週間後までに家の整理や近所の人への挨拶などの、やるべきことを考え、レイアはこの後、どの様にしてアルカに伝えるかを考えており、難しげな表情をする。


 そんな五人を見ていたハソンは薄く笑った後、立ち上がり、儀式の間の扉に手をかける。


「それでは私は失礼させてもらいます。五人とも、今日はジョブ診断の方、お疲れさまでした。また王都でお会いできることを楽しみにしています」


「こちらこそ今日はありがとうございました!」


 五人を代表して、レイアがハソンに礼を述べ、ソーレン達もお辞儀をする。ハソンもレイア達に向けて軽くお辞儀をした後、部屋を出ていく。リナは本来、この国で高い地位を有する枢機卿であるハソンが、勇者や賢者と言っても、村人出身であるレイア達に頭を下げたことに驚き、どうやら、ハソンは悪い人ではないようだと思い、少し心の中にあった不安も和らいだ。


 ハソンが退出した後、頭を上げたレイアは四人の方へと振り返り、困ったように笑いながら口を開く。


「よーしっ!それじゃ、アルカにどう説明するか考えよう!」



 ▽▽▽



「皆遅いなー、何かあったのかなー?」


『おそいねー』


 一足先にジョブ診断を受け終わったアルカは、儀式の間から少し離れたベンチに座り、何故か儀式の間の近くにいたスイと一緒にレイア達を待っていた。アルカはスイのふさふさの毛を撫で、スイはアルカの腹に自身の頭をぎゅうぎゅうと甘えるように押し付ける。


「そういえばスイ、何でここにいたんだい?」


『キュー?スイはアルカを待ってたんだよー!フィアたちも来たいって言ってたけど、アルカに村には来ちゃダメって言われてたから、スイが来たんだよー!”じょぶしんだん”が終わったら、スイ達をアルカの”じゅうま”にしてくれるんでしょ?』


 アルカは日頃から、泉に住むフィア達に村に来てはいけないと言っていた。ワン太と太郎は魔物だし、フィアは妖精、ランとルナは動物(?)だが、成体なので村人に見つかっては騒ぎになると思い、村に来ることを禁止していた。だが、スイだけは()()の兎であるため、村人に見つからないようにするなら来ても良いと言っていた。


「そういうことだったのかー。ふふんっ安心してよスイ!僕は見事、テイマーを授かることができたんだ!明日にでも泉に行って、皆と獣魔契約だ!」


『アルカすごい!さすがだよ!!』


「ふふっ明日から、待ちに待った僕のテイマーとしての生活が始まるんだ!一緒に頑張ろうねスイ!」


『うん!何を頑張ればいいか分からないけど、スイも頑張るよー!』


 アルカは笑いながらスイを持ち上げ、くるくると回りだす。スイも嬉しそうに声をあげながら、アルカに為されるがままになる。傍から見れば、アルカが独り言を言いながら兎を持ち上げ、笑顔で回る、という何とも不思議な光景となっているのだが、アルカは気にしていないようだ。いや、ただ気づいていないだけかもしれない…。


「今日は”チキチキ黄昏時の闇鍋味”を買ってお祝いだ!」


「どんな味だよそれ…」


 未だにくるくると回っていたアルカに、後ろから声がかけられる。見るとそこには、この村唯一の冒険者である、太陽の光を反射する金髪に澄んだ青い瞳を持ったトンスが立っていた。


「トンスさん!」


「よっアルカ。ジョブ診断は終わったのか?」


 トンスはアルカが座っていたベンチに腰掛け、持っていた剣を立てかける。アルカが自身がテイマーのジョブを授かったことを言うと、トンスはまるで自分のことかの様に、その整った顔立ちに笑みを浮かべ喜ぶ。


「やったじゃねえかアルカ!きっとグレンさんとマリさんも喜んでるさ」


「うん!後でリナ達とお父さんとお母さんに報告しに行かなくちゃ!」


「そうだアルカ、その時俺もついて行っていいか?」


「いいけど…どうして?」


 アルカは頭にクエスチョンマークを浮かべ、首を傾げる。トンスは恥ずかしそうに頬を掻きながらアルカの赤い瞳を見る。


「実はな、冒険者ランクの昇格試験の案内が来たんだ。その試験に合格できるとな、晴れて俺はBランク冒険者になれるんだ。だから、師匠であるグレンさんに報告しておこうと思ってな」


「すごいじゃないですかトンスさん!!Bランク冒険者だなんて!」


 アルカはその赤い瞳をキラキラと輝かせ、トンスを祝う。トンスは少し頬を赤くしながら両手を前に出し、否定する。


「待て待て、まだ決まったわけじゃないんだ。王都に行って、筆記試験と実技試験、それに精神力やらなんやらの診断を受けなくちゃならないんだ。しかも、試験まであと二か月もあるし、昇格試験の案内が来たからって、必ず合格できるわけじゃないんだ」


「そうなんですか…。けど、きっとトンスさんなら合格できますよ!昇格試験!だって、父さんの弟子なんですから!」


「へへっありがとよ!そこまで言われると、何が何でも受からないとな!」


「ズルは駄目だよ?」


「そんなことはしないさ。そうだアルカ、久しぶりに本気で手合わせをしないか?お前もジョブ診断が終わって、体に魔力が定着しただろ、今なら下級の魔法の詠唱はいらないし、非戦闘ジョブだが身体能力も上がっているはずだ。もしかしたら俺から一本取れるかも知らないぞ?」


 トンスは剣を持ちながら立ち上がり、頭に兎を乗せているアルカに向き直り、挑発じみたことを言う。トンスはグレンの弟子であり、アルカもグレンに剣術や魔法を習っていたため、言わば二人は兄弟弟子なのだ。そして、今は週に二、三日程、ソーレンに魔法を教えたように、トンスはアルカに剣術を教えているため、兄弟弟子でもあり、師弟関係でもあるのだ。因みに、カノアは剣術をリナは魔法をトンスに教えて貰っている。


 師匠(トンス)から挑発を受けたアルカは、笑みを浮かべながら立ち上がり、常に携帯している護身用のナイフを取り出し、構える。アルカの頭から地面へと降りたスイもファイティングポーズをとる。


「非戦闘ジョブだからって舐めないでよねトンスさん!僕とスイの華麗なコンビネーションでボコボコにしてあげるよ!」

『キュー!!』


「ははっ頼もしくなったなアルカ!それなら、全力で行かせてもらうぞ?後、そこの兎ちゃんも戦うのか?」


 トンスは剣を構えながら、スイの方をチラッと見る。フンスー!と鼻息を荒くしながらシュッシュッと殴る真似をする(スイ)はとても可愛らしい。


「勿論!なんだって僕はテイマーだからね!やれるよね、スイ!」

『もちろんだよアルカ!スイに任せて!』


 アルカは堂々と胸を張り、自身のジョブを誇らしげに言い、スイも真似をするように胸を張る。トンスは、外見も赤目に白毛と似ているな、と可笑しそうに笑いながら、腰を落とす。


「それじゃ、そこの兎ちゃんも手加減はしないぞ?…行くぞアルカ!」


「行くよスイ!”ふぉーめーしょんA”だ!」

『キュー!』


 太陽の暖かな日差しが降り注ぎ、爽やかな風が吹き抜ける中、アルヒ村に鉄が交じり合う音が響いた。

カノア「そういえばソーレンは何で勇者パーティに入ったんだ?」

ソーレン「それは勿論!全世界のお姉さん方にモテるからだ!!」

リナ「サイテーですねクズですね。兄さんに近寄らないでください」

ソーレン「リナちゃん最近当たりが強くない…?」

リナ「汚物が喋らないでください」

ソーレン「あんまりだぁ…」

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