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幼女転生から始める異世界解読術  作者: りょう
第10章妖精達の物語
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第87話 破滅の秘密 後編

 俺達が突き進む未来が絶望


 王女はそう語った。その上で彼女は俺にこう提案した。


「私がやろうとしている事は、あくまで未来を掴むためのもの。その為には貴女の力が必要なんですよ。この本を真の預言書とするために」


「真の預言書……」


「貴女がしようとしていることは分かっています。しかしそれが本当に世界の未来の為になるのでしょうか」


「そんなの貴女には関係ない」


「私個人には関係ないかもしれません。それなら、世界はどうなるのでしょうか。果たして世界は受け入れてくれるのでしょうか」


「世界……」


「貴女の望みが果たして世界を救う事に繋がるとは、限らないという事ですよ」


「ならこの世界には何が正しいというの?」


「それは先ほども申しましたよ」


「それが真の預言書……」


 この王女が言っていることは決して間違っていない。だけど間違っていないからってそれがすべて正しいとは限らない。俺達がやろうとしている事が、世界に背いているとてして貫くって約束した。


「言っていることは正しいかもしれない。だけど、私達には私達の意思がある」


「ここまで言っても分からないとは……。呆れを通り越して流石と言うべきでしょうか。でも貴女には選択肢などないんですよ。貴女の未来は決まっているのですから、ユウ」


 そう言いながら王女は何故か拘束を解くと、俺の体を抱きしめてきた。


「は、離して!」


「ええ、離してあげますよ。ただし」


 王女は俺の体をあの巨大な本の中に投げ飛ばす。


「預言書の中にですけどね」


 投げ飛ばされた俺の体は、巨大な本の中に入り込んでしまう。


「こ、これは」


「今から数時間後、この国には貴女の仲間がやってきます。それまでに果たして貴女の体は持ってくれるでしょか」


「ユニ達がここに……」


「二時間です。貴女の体がすべて預言書に飲み込まれるまで」


 王女は部屋から出ていく。残されているのは本の中に体が半分飲み込まれた状態の俺。残り二時間で俺の体は完全に本になってしまう。そう考えると恐怖で体が震える。

 でもユニ達が今この場所に来ていると分かった以上、希望は捨てない。


(そうだ、何を言われたって俺は……)


 ユニ達を信じている。


 ■□■□■□■□

 スービニアを出発してしばらく、私達は目的地であるユドリシア到着目前で、最終確認を行っていた。


「向こうはもしかしたら私達に気付いている可能性がある。それも含めてここからは部隊を二つに分けて動く」


「陽動と潜入ですよね」


「そう。陽動はスービニアの人たちに任せて、私達はその陰でユウを救いに向かう」


「龍ちゃんがどこにいるのかは分かっているの?」


「大方予想はついている。そして私達はそこに急いで向かわなければならない」


「それは何かが起きるからでしょうか」


「そう。そしてそれは、絶対に起きてはいけない。ユウにとっても、私達にとっても絶対に起きてはいけないこと」


 ユドリシアの王女はユウが強い意志を貫けば、強硬手段に出てくるはず。ユウと戦うことは避けられても、それはユウを失う事に繋がる。

 だから急がなければいけない。


「ねえ、急ぐのはは構わないんだけど、その前に一つ聞かせてユニ」


「どうしたのサシャル」


「ユニはどうして分かったの? 王女が動きを変えたことを」


「特に理由はない」


「特に理由はないなら、どうしそこまで急ごうとするの? あの預言書にはそこまで詳しくは記されていなかったはず」


「私がそう予感しただけ」


「それはちょっと無理があるんじゃないの? 疑うつもりはないんだけど、ユニ何か隠し事をしていない」


「別にしていない」


 そう、今の私には隠し事をする理由もない。例えどんなに疑われたとしても、私は貫き通すだけ。


「とにかく陽動隊も動き出したし、私達も急ごう」


「う、うん」


 ユドリシアへの潜入ルートは直接城へと繋がっている王国の地下だ。陽動隊が相手を引き付けているうちに確実に侵入して、確実に救出しなければならない。


(ユウ、今貴方がどんな状況におかれているかは分かっている。だから今は少しだけ我慢して。必ず助けに行くから)


 間もなく地下への入口にたどり着く。あとはあそこを駆け抜けて......。


「見つけましたよ、我らの反逆者」


 しかしその直前で、私たちの歩みを止めるものが現れた。私達囲むように現れたのは、フリスと同じ妖精族。


「どうしてここに」


「貴女を追ってきたからですよ。元王女様」


「元って、私はまだ」


「残念ながら貴女はもう妖精女王ではありません。だから私は反逆者と呼ばせてもらいます」


「反逆者......私が......」


 動揺するフリス。彼女が妖精女王なんは知っている。ただ、どういう経緯でこうして現れたのかは知らない。ユウは逃げるように現れたと言っていたけど、それとこれは関係しているのだろうか。


「貴女は先代をその手にかけて、女王の地位を奪った。偽りの女王などこの国には必要ありません」


「それは違う! 貴女達は勘違いをしている」


「問答無用です。貴女達はこの先には向かわせません!」


「どうして...どうしてこんな事に......」

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