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幼女転生から始める異世界解読術  作者: りょう
第8章光ある未来は少女達を闇へと落とす
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第73話 彼女の秘め事

カナデの協力を得た日の翌日、早速昨日カナデから与えられた情報を整理していた。カナデの預言の始まりは、丁度俺が輪廻の森に迷い込んだあたりから始まっていた。


(やっぱりこの辺は、預言書の通りの事が起きていたんだな)


与えられた情報を紙に書き出し、それを整理していく。けどその中で、いくつか気になる事があった。


一つはカナデの事。


カナデと最初に会った時、彼女は色々と言い残して俺達の目の前から立ち去っている。こうして情報を与えられるまで頭から抜けていたが、彼女が当たり前のようにスービニアにいた事。

皆それを当たり前のように受け入れていたが、いつの間に彼女達はカナデと接触していたのだろうか。その辺りも気になるのだが、その肝心な部分が預言者には書かれていない。


そして二つ目は……


「ユウ、ユニが呼んでいるよ。話がしたいって」


「話?」


今丁度俺の元にやって来た彼女、フリスの事だ。預言の中にはしっかりとフリスとの出会いについても明記されていたのだが、


「ねえフリス、ユニの所に行く前に私が話をしたい事があるんだけど」


「ユウが私に?……あ」


フリスは俺が書き出していた内容を見て、それに気がつく。


「話す事はないよ」


「え? でも」


「私はフリス。そんな名前の人は知らない」


「知らないって、だってこの時に出会ったのは確かにフリスのはずだよ? なのに、どうして名前が」


「知りたいなら調べてみればいいよ。でも調べたところで、何も得しないから」


意味ありげな言い方をするフリス。けどそれ以上は答える様子はないので、俺は大人しくユニの所に向かった。


「フリスの事?」


「そう。彼女に出会った時の預言書の内容を読んだけど、フリスって名前じゃなかったの。だからそれが気になって」


「ユウは考えなかった? フリスがおかしい事に」


「おかしい?」


「私は昨日気付いた。フリスの隠し事に」


と言ってユニは一枚の紙を渡してくる。それは俺が昨日スービニアの人達に聞いた話をまとめた紙だ。


「これのどこに隠し事が?」


「話を聞いた人の名前を見て」


「名前?」


ユニに言われて目を通すと、彼女が言いたい事に気がついた。


「この名前、預言者にも書いてあった……」


「アティーニ。ユウは多分知らないと思うけど、その名前は今行方をくらましている妖精族の長の名前」


「妖精族の長? じゃあフリスは本当に」


「その可能性が高い。それに昨日私はそれを彼女に問い詰めた」


ユニは昨日フリスとした会話を教えてくれた。昨日のカナデとの一件の後、名前の事に気がついて聞いてみたらしい。

ただ彼女は、さっきの俺と同じような反応を示して、何も答えてはくれなかったという。


「でもどうしてその妖精女王が、逃げてきたんだろう」


「それは恐らく、今族間で起きている抗争が原因だと思う」


「抗争?」


「私は詳しくは知らない。ユウが出会った時、彼女はどんな様子だった?」


「確か何か凄く慌てた様子だったような」


突然現れたフリスは俺と衝突して、俺にぶつかりそのまま気を失ったので、かなりインパクトのある出会いだった。


「ならやっぱり逃げ出した可能性が非常に高い。そしてもしかしたら」


「私の知らないところで、勝手な妄想を膨らますのはやめてくれない」


ユニの言葉を遮るように、フリスが会話に割って入ってきた。


「フリス、いつから話を」


「ずっと聞いてたわよ。絶対に二人が勝手な事を話すと思うから」


「勝手って、フリスがちゃんと話してくれれば」


「何であなた達に話さないといけないの? 関係ないでしょ」


「関係ないって、私達は仲間なのに」


「仲間だから全部話せって言うの? そんなの大間違いよ」


「そ、それはそうだけど」


「とにかくこの話はもう忘れて。次その話をするなら、もう二度と私はあなた達に目の前に現れないから」


フリスはそれだけ言い残すとその場から去っていってしまった。残された俺とユニは、重い空気になりながらも本来の話に戻す事にした。


「そういえばユニ、話があるってフリスに言われたけど、何の用事だったの?」


「明日からの事だけど、伝えられた預言には何か書いてあった?」


「あ、そういえば書き出していた途中だったんだ。覚えてはいるけど、他の人に伝えるなら書き出したほうがいいと思って」


「それでどうだった?」


「えっとまだ明日からの事は書き出していなかったんだけど」


俺は情報を探る。明日の事、明日の事……。


「……え?」


「どうしたのユウ」


「あ、ごめん。えっと、明日からの事だよね」


書き出していた部分より先の事を思い返している途中で、とある事が引っかかったけどそれを何とかスルーして、これから先の事を書き出す。


「思い返す限りでは特に何かがありそうなわけではないけど」


「ならいい。でも一つ気になる事がある」


「気になる事?」


「ユドリシアに着いてからのここ」


ユニが指差す。そこに書いてあったのは、王女と無事謁見した後の話。


「これ、つまりどういうこと?」


「王女が行方不明になるか、もしくは死ぬ可能性がある。しかも私達がそれに関わっているってこと」


「私達が、ユドリシアの王女を?」

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