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【09】 大時計とスタートの仕組み

丹沢「それなら私がスイミングパンツをはいて、立ち泳ぎをしながらチェッカーフラッグでも振ろうか?」

由利「それは良いアイデアだ! 今からスイミングパンツを買ってこようか?」


丹沢「いいよ、いいよ。こんな話、そんなに膨らませなくていいから」

由利「ははははは。丹沢さん、泳ぎは得意なの?」


丹沢「うん、得意だよ。こう見えても学生の頃は『フジヤマのタ(・)チ(・)ウオ』と言われていたんだから」

由利「えっ? 『フジヤマのト(・)ビ(・)ウオ』じゃなくて?」


丹沢「『立ち泳ぎ』が得意だったから『タ(・)チ(・)ウオ』だね」

由利「ははははは。でも、チェッカーフラッグを振るのが男じゃなぁ」


丹沢「じゃぁ、アーティスティックスイミングのお姉さんたち6人を呼んで、泳ぎながら一斉に旗を振らせたら? 絶対に観客が増えるぞ!」

由利「それはいい! でも、レーサーがお姉さんたちに見とれて事故を起こしかねないな」


丹沢「なるほど。でもその方が客が増えるのになぁ、残念!」

由利「確かに」


丹沢「ところで、あの時計、今何時なんだ?」

由利「ああ、あれね」


丹沢「数字も無いし、止まっているみたいだし、役に立たないなぁ」

由利「そりゃぁ、お宅の課長だろう」


丹沢「いや、あれでもいい所もあるんだよ」

由利「どこが?」


丹沢「職員みんな、メンタルが強くなる」

由利「そうかい?」


丹沢「それと、あれほどの悪者が居るお陰で、私のような2番目の悪者が目立たないで済む」

由利「ははははは」


丹沢が大時計を指さし、

丹沢「あの置時計は、何に使うんだ?」


由利「なんであれが置時計だと思うんだ?」

丹沢「まさかあれは腕時計じゃないだろう。あれを腕にして歩いている人間を見たことが無い」


由利「ははははは。じゃぁ、目覚まし時計とは思わないか?」

丹沢「それも無いな」


由利「どうして?」

丹沢「あんな大きな時計のアラームが鳴ったって、てっぺんのストップボタンが押せないもん」

由利「ははははは。素晴らしい!」


その後、由利は、スタートと大時計の

関係を簡単に説明した。


そして最後に、

由利「大時計の地点を、時計の針が真上の『0』から『1』秒後までに通過しないといけない、というのがルールなんだ」


丹沢「随分詳しいんだな」

由利「もう何年もボートレースやってるからな」


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