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18/19

【18】 走行指示違反と爽香の苦悩

5艇は最後3周目に入った。

5艇の順位は変わらなかった。

4艇がレスキュー艇の外側を走り抜けた、


だが最下位を走る6号艇速水爽香だけが

レスキュー艇の内側を走り抜けた。


由利「あれっ!」

不思議そうに声を出した。

丹沢「どうかした?」


由利「いえ……?」

由利が首をかしげた。

少しして先頭の艇がゴールした。

後続も次々ゴールした。


場内アナウンス、

「1番ゴールイン、2番ゴールイン、3番ゴールイン、5番ゴールイン。なお4番は落水により失格、6番は走行指示違反により失格です」

丹沢「あれっ? 6番ゴールインしたよね?」


由利「うん、ゴールインした」

丹沢「なのになぜ失格なんだ?」


由利「6号艇は最後、レスキュー艇の内側を走ったからね」

丹沢「レスキュー艇の内側を走ってはいけないの?」


由利「うん、事故の状況にもよるけれど、レーサーは救助の邪魔をしないように、レスキュー艇の外側を走らなければならないんだ」

丹沢「そうなんだ」


事故状況により、レスキュー艇の内側を走行するのか、

外側を走行するのか、ランプ(航走指示灯)により指示が出る。


由利「もちろんレースも大事だけれど、何より大事なのはレーサーの命だからね」

丹沢「それはそうだ。命より大事なものはない」


由利「うん」

丹沢「それにしても、さすが由利さんだな。ボートレースのことはなんでも知っているんだね」

由利「とんでもない、まだまだ知らないことがだらけだよ」


爽香がレース場のピットに戻ってきた。


爽香(またやっちゃった、失格だ。しかも、現在まですべてのレースで最下位。こんな新人いるのかしら? こんなことを考えながら走っているからレスキュー艇の外か内かを走る指示灯を見落としちゃうのよね)

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