【16】「水関係」の正体判明!
♪ファンファーレとともに、
6名のレーサーが水面に出てきた。
丹沢「おっ! いよいよ始まったな。6番のレーサーの顔を見ないと。6番は何色だ?」
由利「緑」
丹沢と由利が居るスタンドから
レーサーの位置まで、約70mの距離があった。
丹沢「ヘルメットをしてなければ、顔が分かるけれど、ヘルメットで良く見えないな。しかも横顔だし……」
由利「6番のレーサーの声援を送ってみたら? ひょっとしたら振り向くかもしれないよ」
丹沢「よし、やってみよう!」
由利「うん」
丹沢「速水頑張れ~!!!」「速水頑張れ~!!!」
丹沢が大声で叫んだ。
その瞬間、速水爽香がチラッと丹沢の方を見た。
ほんの一瞬の出来事だったが
丹沢と由利はそれを見逃さなかった。
丹沢「見たぞ!」
由利「確かに彼女こっちを見た!」
丹沢「やった、やったぁ~!!」
丹沢がジャンプして喜んだ。
そして両手を上げて、手を振った。
由利「うん、やったね!」
丹沢「やっぱりあいつだ。間違いない。そうか『お水関係』とはこのことだったのか!」
由利「丹沢さん、やったね!!!」
由利が丹沢を抱え、背中を叩いた。
丹沢「でも全然反応してくれなかったね、手を振ってくれるとか、」
由利「そうだね」
丹沢「やったね。まさかこんなところで見つけるなんて思いも寄らなかった」
由利「戸部さんに連絡をして、ハッピーハイツの見張りを中止にしないと」
丹沢「そうだな、みんなにもお礼を言わなくちゃ。あとで電話するね」
丹沢はあとで携帯電話で戸部考一に連絡した。
実況「進入はインから1、2、3、4、5、6、」
丹沢「よし、速水頑張れー!」
6艇が一斉に助走し始めた。
ボートレース場内にエンジン音が勢い良く響き渡った。
速水爽香は、コース大外をボートレース場一番奥から走り出し、スタートラインである大時計に近づくにつれてそのスピードを増していった。
実況「大時計が回り、10秒前、5秒前、3、2、1、スタート」
丹沢「スタートだ!」




