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12/19

【12】 お騒がせの代償とハズレ舟券

そこに場内警備員2名が

かけ足でやって来た。


警備「あなた、何やってるんですか!!!」


警備員が水面に浮かんでいる

丹沢を指さしながら言った。


丹沢「はぁ、えー、まぁ、そのー」

由利「丹沢さんは、転覆して落水したレーサーを助けるために飛び込んだのです」


警備「丹沢さんて言うのね、この人?」

丹沢「はい、そうです」


警備「丹沢さん見えますか? あそこにレスキュー艇という船がいるのを」

警備員が落水したレーサー付近を

指さしながら言った。


丹沢「えっ?」


転覆したレーサーの近くに

レスキュー艇が停まっていた。


警備「ボートレース場には、事故があったときのために、常にレスキュー艇が待機しているんです。ご存じないのですか?」

丹沢「それ、早く言ってくれる?」

警備「それ、早く聞いてくれる?」


警備「まさか、あなた、レースを妨害するために飛び込んだんじゃないでしょうね?」

由利「丹沢さんは、本当に落水したレーサーを心から心配して飛び込んだのです!」


警備「怪しいな?」

由利「そんな言い方をしなくても。丹沢さんは『純粋』なんですよ!」


警備「『純粋』なのか、『アホ』なのか、良くわからないなぁ?」

由利「『アホ』かも知れませんが、こんなに純粋な人は滅多に居ないんです!」


警備「わかった、わかった。今回は見逃すから早くそこから出て!」


丹沢は水面から陸へと these 這い上がり、

フェンスを登ってスタンド側に戻ってきた。


丹沢が出てきたことを確認すると

警備員2人は戻って行った。


丹沢はボートレース場内のトイレに行き、

濡れたポロシャツを良く絞り、

手洗い場のハンドドライヤーで乾かし始めた。

由利もそれに付き合った。


丹沢「ところで今のレース、1、2着は?」


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

『ボートレース戸田』 4日目 1レース 予選 男女混合一般戦

【出走表】

1号艇 柳田 肇 32歳 A1級 勝率6.76 成績141551


2号艇 野川 孝弘 47歳 B1級 勝率4.60 成績6 2 22


3号艇 三上 昴 24歳 B1級 勝率5.47 成績536 21


4号艇 森尾 真紀 39歳 B1級 勝率4.89 成績2 3441


5号艇 天崎 智一 35歳 B1級 勝率5.36 成績22534


6号艇 山田 修二 27歳 B1級 勝率5.16 成績F 6 6


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


由利「1着1番、2着5番、3着4番」

丹沢「あれっ3番はどうしたんだ?」


由利「転覆したのが3番だよ」

丹沢「なーんだ。じゃあ掛け金が戻ってくるのか?」


由利「いや、転覆は失格となりお金は戻ってこない」

丹沢「ってことは、ハズレってこと?」


由利「早い話がそうなる」

丹沢「遅く言ってもそうだろう?」


由利「まぁ」

丹沢「なんだ、それなら助けに行くんじゃなかった」


由利「まぁ、変わり身の早いこと!」

丹沢「冗談だよ、ははははは」

由利「ははははは」


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