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皇女殿下の飛空艇~皇女殿下は鬼畜な艇長にしごかれています~  作者: うにおいくら
第16章 飛空艇ミカサ

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我々の艇

「本当にこの艦が飛ばせるのか……」

とオージーは感動したように身体を震わせながらシバに聞いた。


「ああ。あれが言うのだから間違いないだろう。しかし問題が一つある」

とシバは冷静に答えた。


「なんだ?」

とオージーは目を見開き聞き返した。


「あんたも我々の仲間になるという事だ。でないとこの試作艦は我々のモノになるだけだ」

とシバはオージーに言った。彼は既にフレデリックがオージーが一緒に加わる事を前提に、話を勝手に進めている事に気が付いていた。


「なんだそんな事か……それなら何の問題もない。この艦を飛ばす事が出来るのであれば俺は何でもする」

とオージーは事もなげに即答で快諾した。


「そうか。では決まりだ。これからはあんたも俺たちの仲間だ。よろしく頼む」

とシバはオージーに握手を求めた。

オージーはその手を両手で握りしめて


「ありがとう。この艦の事は全て俺に任せてくれ」

と力強く握り返しながら言った。


 今ここに五人目の仲間が増えた。


結局、四人の冒険者はオージーの厚意により、この試作艦に泊まる事になった。


 翌朝、シバとアキトは改めて森の中に佇むこの試作艦を見た。


「この時代にリフティングボディに前進翼って……あのオージーっていうオッサン凄いな」

とずんぐりとした艦体を見ながらシバは声を上げた。彼はそのこの世界に於いて斬新なデザインに本気で驚いていた。


「ああ、昨日は分からなかったが、この時代の設計思想ではないよな。あのオッサンこそ転移者でないのか?」

とアキトも同意見だった。


「本当にそう疑いたくなるよな」

とシバは改めて艦体を見返して感心していた。ちなみにオージーは転移者でも転生者でも無かった。


「どうだ。俺がこの艦に乗りたくなった理由が分かっただろう?」

と二人の背後からフレデリックが自慢げに声を掛けた。


「なんで、あんたがドヤ顔してんだ?」

とシバは言ったが、アキトは


「うん、これは乗りたくなるな。実寸だったらこの倍ぐらいの大きさになるのか?」

と聞いた。


「そうだな。戦艦というのであれば、全長はこの倍近くにはなるだろうな」

とフレデリックが答えたが、その言葉に付け足すように


「いや、そこまで大きくはならん」

と声がした。

三人が振り向くとそこにはオージーが立っていた。


「気に入って貰えたようで安心したぞい」

とオージーは笑っていた。


「そうなの?」

とシバが聞き返すと、


「うむ。まずはこの艦は上陸奇襲戦を想定しておったからな。しかし艦隊戦の中で白兵戦に持ち込むのであれば、小回りの利くこれぐらいの大きさの方が良いかもしれん。ただ、そうなると武装に少し手を加えなければならんじゃろうな」

とオージーも試作艦に目をやりながら言った。


シバも同じように見つめながら


「この艦(ふね)は戦艦よりも、もっと平和な最強な艦にしたいな」

と呟いた。


「平和な最強艦?」

とアキトが首を傾げながら聞いた。


「そうだ。この大空を戦いではなく、自由に飛び回る事が出来る艇(ふね)だ。しかし、売られた喧嘩は幾らでも買えるような最強の艇だ」

とシバは目の前に横たわる試作艦を見つめながら言った。


「それも面白いかもな」

とアキトはシバの意見に同意した。

オージーも黙って頷いていた。


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