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皇女殿下の飛空艇~皇女殿下は鬼畜な艇長にしごかれています~  作者: うにおいくら
第16章 飛空艇ミカサ

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森の中

「まだ、何にも言っちゃいねえぜ」

とオージーがシバの顔色を窺うように言った。


「別に隠すほどの話じゃないさ」

とシバは笑い


「俺も聞かせて貰おうかな」

と空いている席に座った。

アキトも同じようにその隣に座った。


「なんだ? 艇長も副長も今更聞きたい話かぁ?」

とオージーは少し困惑した表情を浮かべたが、


「まあ、いいや」

と腹を括ったように語り出した。


「それはな。さっき話しかけた、儂がまだアルベルナの森に居た頃の話だ」

とオージーはシバに視線を向けた。シバは笑って頷いた。


「それってオリバイエ公国のボーグ山脈のすそ野に広がる森ですよね?」

とソフィアが聞いた。


「その通り。当時……創生歴1610年だったかな……そこに儂は住んでいた……というか隠れていた」

とオージーは話の続きを語り出した。



     *



 それはシバとアキトがこの異世界に飛ばされてきて数ヶ月ほど経った頃の話だった。

シバとアキトはメリッサ、フレデリックの二名をメンバーに加えた後、トルヒエという小さな村で魔獣退治のクエストを受けたりしていた。しばらくそこでクエストを攻略しながら滞在していたが、北東のゲルオン王国を目指して旅に出た。


 その途中にモルタリア帝国の属国であるオリバイエ公国がある。四人はそこの首都フランドワープに立ち寄ろうと公国に足を踏み入れた。


 その道すがら


「この国は我がモルタリア帝国の王族が建てた国だ。故にこの国の大公ベニートは我が父と非常に仲が良い」

とフレデリックがシバとアキトに教えた。


 このオリバイエ公国は小国ではあるが、元々はモルタリア帝国の大きな州がそのまま国になったのである。公国というよりもそれなりの領土と行政区を持った国だった。

街並みが美しく、美味しいスイーツでも有名な国である。モルタリア帝国とゲルオン王国の間に位置する為、交通の要所ともなっていた。ただそれなりの領土を持つといっても小国であるため、モルタリア帝国の庇護のもとにその存在が可能な国とも言えた。


 そんな小国ではあるがこの国の技術力は素晴らしく、この西側諸国では一番の技術立国と言っても差し支えなかった。特にモルタリア帝国の兵器は、この国で開発されたものが多く採用されていた。

そんな話をフレデリックに聞かされながらシバ達は旅を続けていた。


 オリバイエ公国に入って四人はアロボ地方のボーグ山脈のふもとまでやって来た。ここは森林地帯で、この森を抜ける街道の先に、公国の首都フランドワープがあった。


 その街道を四人はたまに出会う魔獣を退治しながら、フランドワープを目指していた。

ある日の夕暮れ近くになった頃合いの話である。そろそろ今日の宿泊地を決めなくてはならない時刻でもあった。


「そろそろ暗くなってきたな」

とシバがアキトに言った。


 その時、同時にシバとアキトの探知スキルに反応するものがあった。


「この森の中に何かデカブツが潜んでいるな? 建物か?……いや、違うな……」

とシバがアキトに確認するように聞いた。


「確かに……何かあるな。ここからそう遠くない。行ってみるか?」


「うむ。こんな森の中にわざわざ隠すようにしているなんて……これは怪しい匂いがする」

と二人は完全に興味本位でそこに向かおうとしていた。

フレデリックとメリッサはそんな二人の後を、諦め顔でついて行った。


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