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皇女殿下の飛空艇~皇女殿下は鬼畜な艇長にしごかれています~  作者: うにおいくら
第15章 親子の事情

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稽古の相手

「ああ、ソフィアは先生と隼人に毎日稽古を付けて貰っているよ。あんたも叩き込まれた剣技を、とっても素直に愚直に吸収しているよ。ただこれから数日間は姫巫女様のところで、魔法を伝授してもらう事になるけどね」

とシバが言葉に詰まるソフィアに苦笑しながら口を挟んだ。


 話題が少し逸れかけたのでソフィアは安堵の表情を見せたが、


「成る程……先生と隼人の兄さんから直々にか……愚直に学んだソフィアがタケル殿に稽古だと?……ふむ……」

とフレデリックはシバの話にはつられずに、逆にこの一連の流れに何かを感じたようだ。ソフィアの顔が再び引きつり出した。


「うちの娘が殿下に何か御無礼をば仕(つかまつ)りませんでしたでしょうか?」

とフレデリックは恐縮した表情でタケルに聞いた。父親の目から見ても、素直が取り柄のソフィアである。あの二人に『俗世の垢にまみれた』剣術の技を教わったという事は、ソフィアの剣技も推して知るべしというものである。


「いえ。そんな事はありません。毎日、先生の代わりに、手取り足取り稽古を付けて頂いております。ただ一度も私が勝てた事は御座いませんが……」

と最後は悔しそうな表情を浮かべてタケルは答えた。


 その様子を見てシバとアキトは懸命に笑いを抑えていた。


――手取り足取りではなく、手が出る(なぐる)足が出る(ける)の間違いではないのか?――

と二人同時に思っていた。しかもフレデリックも同じ事を思って苦笑していた。


「ソフィアは国では魔導学校魔導剣士科を首席で卒業しているからなぁ……更にあの性格の悪い二人直々に教わっているわけだから、タケルが気に病むことはないよ。相手が悪かったという事だな」

とシバはタケルを慰めた。


 最初の稽古の時よりはマシになったとは言え、真刀斎と隼人直伝の稽古をつけて貰ったソフィアである。容赦ない指導がタケルを待っていた。


 ソフィアはとても素直にそして愚直に師匠たちの教えを守っていた。


「ま、なんだな……少しはソフィア殿にタケルもしごかれた方が、こ奴の為にも良いというものだ……」

と状況を知るスサノ帝はそう言ってフレデリックに気を使ったが、


「成る程……我が娘は素直なところが美点でしたな……」

とフレデリックは諦め顔でスサノ帝に頭を下げた。


 彼もシバやアキトと同様に真刀斎と隼人に『世間の垢にまみれた』剣術を叩き込まれた弟子のひとりである。


「しかしのぉ。お主の娘と違い、タケルは末っ子故に甘やかされて育ったのでどうも今一つ根性が足りん」

とスサノ帝はフレデリックにぼやくと


「なので、お主の娘に太刀打ちできずに毎日やられている……」

とタケルを睨みつける様に言った。


 タケルはその言葉を聞いて首を竦めた。


――このオッサンが子供を甘やかすってあり得るのか?――


とシバとアキトとフレデリックの三人は同時にアメノを見た。

その視線を受けアメノは静かに首を振った。

どうやらシバ達の予想が当たっていたようである。


 後でシバ達がアメノに聞いた話では、アメノや次男のヒコネよりはマシだが、結局はスパルタな帝王学をタケルも課されていたようである。


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