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皇女殿下の飛空艇~皇女殿下は鬼畜な艇長にしごかれています~  作者: うにおいくら
第15章 親子の事情

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心配は尽きない

「そうかぁ……会えるのか……」

とフレデリックは安堵の笑顔を見せた。


「本当に親バカだな」

とアキトが呆れたように呟いた。


「お前にならこの気持ちは分かるだろう?」

とフレデリックはアキトに言い返した。


「まあ、分からないではないがな……」

と子持ちのアキトは苦笑しながら答えた。


「しかし、あんたほどの『親バカ』は他にはいないって」

とアキトが言いたいことをシバが言った。


「うるさい!」

とフレデリックは不貞腐れたように言った。


 ……と、話が取り敢えず落ち着いたところで、今まで黙って彼らの話を聞いていた南條頼宗が


「ところで最新鋭艦とはいえ、皇帝御自らが戦艦一隻でお越しになるとは……不用心ではありませんかな?」

とフレデリックに聞いた。


「いえ、実は他の艦はこの国の手前で待機しています」

とフレデリックは申し訳なさそうに答えた。


 彼らは一個艦隊、十隻でここまで来たが、流石に何の前触れも連絡もなくそのまま訪れるのは、なにかと誤解されかねないと思い、まずは旗艦リリューシュ一隻で入国することにした。

それであれば前触れの戦艦を一隻回せば済むことなのだが、少しでも早く娘に会いたい親バカがそれを許さなかった……という次第だった。


「やはりそうでしたか……それでは他の戦艦(ふね)も急ぎ、呼ばれるがよろしい」

と八雲は快く他の戦艦の入国及び上陸を許した。


 その後、シバとアキトはソフィアが姫巫女の元で修業を始めた経緯(いきさつ)をフレデリックに改めて説明した。

勿論、魔導書がソフィアを選んだ理由が『転生にある』という事は伏せておいた。それ以外は大まかながらも全て話をした。


「魔導書(グリモワール)か……始祖イササギと姫巫女様しか使えぬ魔法をソフィアが使える様になるのか……」

と呟きながらフレデリックは感慨にふけっていた。我が娘がこの世界で最強の魔法を手に入れる事が出来る。それ自体は嬉しい事である。が、その引き換えにソフィアは姫巫女と聖獣『翡翠』と一蓮托生となってしまった。


――今、ここで俺が考える事でもないな。ソフィアが自分で決めた事だ。ソフィアを信じる事にしよう……しかし、分不相応な力は身を滅ぼすともいうな……――


とフレデリックは自分に言い聞かせようとしたが、心配の種は尽きなかった。

しかしそんな心の葛藤を顕わす事もなく


「それにしても、あの氷穴にそんなものがあったとは……」

とフレデリックは気持ちを切り替える様にシバ達に言った。


「そうだ。始祖イササギの時代の遺跡がそこにはあった」


「そんなものがあったんだなぁ……あの時はシバがさっさと帰ろうというから、氷穴の奥も確かめずに帰ったが……」


「おい。俺のせいだけにするな。あん時はあんただって『スキノの無理難題をこれ以上ふっかけられるのは、ご免こうむりたい』と皆の意見は同じだっただろう!」


「ああ、そうだったな。そう言えば、あの時は皇女の我儘に振り回されていたなぁ……」

とフレデリックは懐かしそうに笑った。


「その皇女も今は『北の大地』の女王だよ」


「え? そうなんだ!」

とフレデリックは驚いた。


「そう、あんたと同じだよ」

とアキトも愉快そうに口を挟んだ。


 その時、廊下から『ドスドス』と荒々しい足音が聞こえたと思うと障子が勢いよく開いた。

スサノ帝だった。

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