↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇女殿下の飛空艇~皇女殿下は鬼畜な艇長にしごかれています~  作者: うにおいくら
第15章 親子の事情

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
200/220

その頃カンベの都では……

 ソフィアが姫巫女から直々魔法の修練を受けている丁度その頃、カンベの都では大きな騒ぎが起きていた。

カンベの都に向かって巨大な違国の飛空戦艦が飛来していた。


 カンベの都の民が近づいてくる飛空戦艦を指さし不安げに空を見上げていた。

道場生を指導していたシバとアキトも道場を出て遠くの空を見つめていた。

数か月前に飛空艇ミカサが飛んだ経路をなぞる様にその軍艦は、内海上をゆっくりとこちらへと向かって飛行していた。


 ミカサとは違って流線型のスマートな軍艦だった。見た目は槍の穂の様に鋭い形をした戦艦であった。その両舷には大砲が十五門づつ連なっていた。艦橋はそれほど高くはなく、マストが後方斜めに伸びていた。

目を細めてそれを眺めていたシバは、艦橋のマストから連なる信号旗のてっぺんに見覚えのある皇帝旗が翻っている事に気が付いた。


「ああん? 皇帝旗が掲げられているという事はフェリーが来たのか?」

とシバは驚いたように声を上げた。


「みたいだな。という事はあの戦艦は旗艦リリューシュか……」

とアキトも同時にそれに気づいたようだった。リリューシュとはフレデリックが公の航海時にいつも乗艦している飛空戦艦の名だった。


「何をしに来たんだ?」

とシバが吐き捨てるように呟くと


「聞くまでもないだろう? 娘の事が心配でやって来たのに決まっている……」

とアキトが間髪入れずに答えた。


「ふん。どこまで親バカなんだ? あの男は……」


「本当にな」

と二人とも最後は呆れてそれ以上の言葉も出なかった。


――この男の『親バカ』は底無しか……――


と二人同時に同じ事を思っていた。


「ほほぉ……あれがモルタリア帝国の戦艦なのか……」

と二人の背後で声がした。振り返るとそこには、真刀斎が立って同じように空を見上げていた。


「あ、先生!」

とシバは驚いたように声を上げた。


「うむ。あの戦艦(ふね)にはフェリーも乗っておるのか?」


「多分。皇帝旗も偉そうに翻っていますからね。親バカも乗っているでしょう」

とアキトが笑いながら答えた。


「そうか……あれは親バカか……」

と真刀斎は目を細めてモルタリア帝国の飛空戦闘艦を見上げていた。


 暫くすると戦艦は桐の馬場上空に到達した。

桐の馬場には、既に野次馬がわらわらと集まっていた。まさに飛空艇ミカサがここの着陸した時の再現である。

ゆっくりとそして静かに飛空戦艦リリューシュは桐の馬場に着陸した。モルタリア帝国の正規飛空戦闘艦である。ミカサの倍近くの大きさがあった。


 ほどなくリリューシュの乗降扉がスライドして開き、そこからタラップが地面まで下りた。


 乗降扉の奥から軍装姿のモルタリア帝国皇帝フレデリック三世の姿が現れた。

表情は硬い。覚られないようにはしていたが、誰かを探しているかのように視線が軽く彷徨っていた。それを見てシバとアキトはフレデリックの親バカぶりを確信した。


「ありゃ、ソフィアを探しているな」


「あぁ、間違いない」

と二人は口元を緩めて頷いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。