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皇女殿下の飛空艇~皇女殿下は鬼畜な艇長にしごかれています~  作者: うにおいくら
第15章 親子の事情

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姫巫女様の神殿で

「あれ? 今日はソフィアの稽古は無しですか?」

とクロードは道場に着くなり、隼人に聞いた。いつもならクロードより先に道場に来て、朝稽古をしているソフィアの姿が見えなかったので少し心配になったようだ。


「ああ、彼女なら姫巫女様の神殿に行っているぞ」


「え? 神殿? 何をしに?」

とクロードは驚いたような声で訊き返した。


「魔法の修行らしい。俺も詳しい話は聞いていないのだが、彼女は魔導士でもあるそうだな?」

隼人の言う通り、ソフィアは新しく手に入れた魔導書(グリモワール)に書かれている魔法の習熟修練に姫巫女様の神殿に赴いていた。


「あ……そうでした。パーティ内では前衛だったので忘れていましたが、彼女は聖属性魔法を駆使する魔導剣士でした!」

とクロードは改めて気がついたように声を上げた。


「流石は皇女殿下だな。何でもこなされるのか……」

と隼人は感心したように呟いた。しかし彼はもっと大事な事を忘れていた。シバとアキトはそれ以上の魔導剣士である事を……。もっともミカサの乗員もそれを意識する事はあまりなかったので、彼だけが忘れていたというわけではなかった。


「それにしても今更魔法ですか……」

とクロードは首を傾げていた。




 その頃ソフィアは姫巫女の神殿の前庭に居た。ソフィアは神殿を背にして立っており、そのすぐ隣には姫巫女がいた。その二人を見守るように少し離れたところから、『翡翠』と『白銀九尾』が見守っていた。

ソフィアは魔導書(グリモワール)を開いて左手に持ち呪文を唱えようとしていた。


「ソフィア様。魔導書(グリモワール)の魔法を呼び出すには、呪文と同時に魔力と精霊を呼び出すための波長を合わせなければなりません。まずは魔導書に書かれた呪文を唱える事により、魔法陣を呼び出すのです」


「はい」

とソフィアは答え魔導書を片手に呪文の詠唱を始めた。


「アニマ・クリスタリア、凍てつけ白銀の地よ。息吹すらも白き結晶へ変える、絶対零度の静寂よ。氷界展開し、万物を閉ざす蒼き氷原となせ。氷晶の精霊よ、我が契約の血に応え、地を白銀の檻で満たせ……」


 空中に鮮やかな大きな青色の魔法陣が現れ、それを挟むように小さな魔法陣が両脇に2つずつ現れた。

その魔法陣が全て光り輝いた瞬間


「その冷徹なる眷属を以て領域を統べよ! フリージング・フィールド!」

とソフィアは叫んだ。それと同時に周辺一帯の地面に冰結界が張り巡らされて前庭は凍った。

この魔法は大地と空間を一瞬で凍らせる魔法である。この魔法が発動されると相手は足元から氷漬けとなり身動きが取れなくなるという代物である。


 その様子を見て二匹の幻獣は驚いたように声を上げていた。そして満足げな表情を見せると頼もしげな視線をソフィアに送っていた。


「流石です。ソフィア様。素晴らしい。魔法陣もちゃんと自分のモノにしていますね」

と姫巫女は満面の笑みをたたえて言った。彼女もソフィアの魔法を見て安心したように明るい表情だった。


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