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皇女殿下の飛空艇~皇女殿下は鬼畜な艇長にしごかれています~  作者: うにおいくら
第14章 ソフィアと魔導書

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姫巫女の神殿

 『北の大地』と呼ばれる北島から戻ったシバは、早速ソフィアを連れて姫巫女の神殿を訪れた。


神殿の奥の玉座の間に鎮座した姫巫女を前に、板の間にシバとアキトそしてソフィアの三人は座った。

その三人を挟んで両側には五人の守護巫女が座っていた。


「本日はお時間を頂きありがとうございます」

とシバが床に手をつき頭を下げながら礼を述べた。


「いえいえ。それはそうとソフィア様はスサノ帝とお会いになられたそうですね」

と姫巫女は優しい笑顔を見せてシバに尋ねた。

シバは


「はい。その通りです」

と答えてソフィアに視線を移した。それを受けて


「はい。先日、お目通りがかないました」

とソフィアは姫巫女に笑顔で答えた。


「帝もソフィア様にお会いしたがっておりましたからね。シバ殿が帝から急かされたようですね」

と姫巫女は笑みを浮かべながらソフィアに語り掛けた。


「本当に光栄な事です。わが父同様、帝からの温かいお言葉を掛けて頂きました」

とソフィアは姫巫女に、父フレデリックと同じように帝から頂いた助言で迷いが吹っ切れた事を語った。


 ソフィアの話を笑顔で聞いていた姫巫女は


「それは良い経験をなされましたね。祖国(くに)へお戻りになられた時は、お父上殿にもこの姫巫女が『くれぐれもよろしく』と申しておったとお伝えください。フレデリック様であれば良き帝として民を導いておられる事でしょう」

とソフィアに言った。


「姫巫女様もわが父と面識がありましたか?」


「はい。それは勿論ありますよ。そこのお二人がこの神殿に乱入してからすぐ後にお会いしましたよ」

と姫巫女は微笑みながら視線をシバとアキトに向けた。二人は瞬時に目をそらして俯いた。


「あ、その乱入狼藉の話は私も聞きました。シバさんとアキトさんが大暴れしたんでしたよね」

とソフィアは楽しげに言った。


「大暴れしたのはシバだ! 俺ではないよ」

とアキトは即座にソフィアの言葉に反論した。


「何か話が誇張されているような気がするんだが……誰にその話を聞いたの?」

とシバが感情を抑えて冷静にソフィアに確認すると


「ひいちゃんが教えてくれました」

とソフィアはあっけらかんと答えた。ソフィアは姫巫女と初めて対面した後に、『翡翠』からその話を聞いていた。


「あのバカ犬めぇ……余計な事を……」

とシバとアキトは同時に歯ぎしりをして悔しがった。と同時に


「おい! バカ犬! 居るんだろう? 出て来い!」

とシバが怒鳴った。しかしさっきまでシバ達が感じていた翡翠の気配が一瞬で消えた。


「あら? ひいちゃんがどっかに行っちゃいましたね」

とソフィアが言った。ソフィアは同じ姫巫女の眷属として翡翠の動向は手に取るように判っていた。


「ちっ! 逃げたか……」

とシバは悔しそうに呟いた。



「シバ殿、アキト殿、そう言う話は後々になって尾ひれがついて面白おかしく伝わっていくのですよ」

と姫巫女が笑いながら二人を宥める様に言った。


「それはそうですけどね……」

と二人は流石に姫巫女の言葉に逆らう訳にもいかずに、渋々怒りの矛先をおさめた。


「あと百年もしたらそれも伝説になる事でしょう」

と姫巫女は屈託のない笑顔で言った。千年以上生きている彼女にそう言われては、言い返す言葉も見つからない二人だった。


「はぁ……それだけは勘弁願いたいですね……」

と二人は力なく肩を落とした。

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