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皇女殿下の飛空艇~皇女殿下は鬼畜な艇長にしごかれています~  作者: うにおいくら
第13章 魔導書

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この国の成り立ち

「なんだと!!」

とスサノ帝とスキノは同時に叫んだ。


「どういう事だ?」

とシバは二人の様子を見て訝しげに聞いた。シバはまだ理解が追い付いていなかった。


「この国の成り立ちをお主は聞いた事がないか?」

とシバの質問に答える様にスキノが言った。


「そんなもん、ある訳ないだろう?」


「そうか……なら教えてやる」

とスキノに代わってスサノ帝が語り出した。


 このトウイの国には『国造りの神話』というものがある。

遠い昔、イササギという冒険者がこの北島に辿り着き、その後南下し本島に渡った。その当時、この島々はその島毎にいくつかの村が存在するだけの国と呼べるような状況ではなかった。

 イササギは暫くは本島を拠点に彼はこの国の島々を巡り特に大きな四つの島々を統一し、始めて国家として一つにまとめたという話である。


 その後、数百年経ってその統一国家は、いつの間にか島ごとに王を戴くようになり緩やかに分裂していった。


 それを再度纏め上げたのがスサノ帝である。

今この四つの島を統治する四人の王は、全てこのイササギの子孫という事になっている。


「なるほど……この国の四人の王がそのイササギの子孫である事は分った。という事はこの魔導書はあんたらの先祖……いや、始祖が生み出したという訳か?……それっていつの時代の話だ?……」

とシバは呟いた。


「そうだ。吾輩を生み出したのはこの王たちの始祖イササギである。この島が国になる前の話である」

と魔導書がシバのひとりごとに答えた。


「あの遺跡はその始祖の時代の遺跡か?」


「そうだ」


「ふむ。だったら、この王たちは身内みたいなもんではないのか? けち臭い事言わずに見せてやれば良いものを……」

とシバは呆れたように言った。この話を聞いてシバはもうこの魔導書の事など、単なる内輪もめ程度の話にしか聞こえず、興味も関心も失ってどうでも良くなっていた。


「出し惜しみしているわけではない。さっきから言っておろう。読む価値があるものには、この魔導書は開かれると」


「なんだ? もしかしてそれは俺に『その価値ある人を探せ』と言っているのか?」

とシバは魔導書に向かって苦々しげに聞いた。


「その通りだ。もうお主には、その者の顔が浮かんでおろう」


「ふん。そこまでお見通しか……だったら会わせてやるよ」

とシバは半ば不貞腐れたように言った。


――なんだかこの魔導書に踊らされているような気がしてならん――


とシバは内心とても気分が悪かった。


「まぁ、良い……という事でスキノよ。この『古本』は借りていく」

そう言うとシバはその魔導書を手に取った。


「失礼な!『古本』と呼ぶな! 吾輩にはグリモワールという名がある!!」

と魔導書は反論したが、それをシバは全く顧みる事もなく


「お前なんか腹立つから、ここに入って大人しくしてろ!」

と自らのアイテムボックスに魔導書グリモワールを放り込んだ。

何か不満げにグリモワールは悪態をついていたが、虚しくアイテムボックスへと吸い込まれていった。


 スサノ帝とスキノはそれを唖然として見ていたが、


「さも有りなん」

と特段気にする素振りも見せなかった。


 その後、この三人は何事も無かったかの如く宴会を続けたのであった。




これでこの章は終わりです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

なるべく早く14章はアップしたいと思います。





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