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皇女殿下の飛空艇~皇女殿下は鬼畜な艇長にしごかれています~  作者: うにおいくら
第13章 魔導書

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理由

「何かあったんだ? 俺たちはあの魔獣を退治して満足して帰ったが、その奥に何があるかなんて考えた事も気に留めた事も無かったな」

とその当時を思い出しながらシバは答えた。

ただシバの今の言葉には若干の嘘があった。

さっさと帰ったのは満足してではなく、これ以上便利使いされたくなくて退散しただけだった。


 今では『この女王、民の為なら何でも使う、手段を択ばない女王である』とシバとアキトは確信していた。


「実はあの氷穴の奥には地下遺跡があった……」

とスキノは言った。


「ほぉ……そんなものがあったのか……で、そこにお宝が眠っていたとか?」


「そうだ。よく分かったな。あの魔獣はその遺跡とお宝を護っていたようじゃ」

とスキノは答えた。


「本当にお宝があったのか?……しかしあの氷穴は神聖な場所と言っていなかったか? なのにあれからその聖地を探索したのか? 罰が当たったりしなかったのか?」

とシバは驚きながら聞いた。


「あたらん、あたらん。それよりもあんなことがあった後だからな。それにあそこを護る魔獣も倒してしまったしな。調べない訳にもいくまい」

とスキノは表情を曇らせた。本音を言えば、本人たちも調べたくて調べた訳ではなかった。


 本来であればシバの言う通りあの氷穴は、誰も足を踏み入れてはならない禁足の聖地であった。故にこれまで誰もそこを探索しようなどとは考えなかった。しかし、流石にそういう訳にもいかなかった。


「で、分かったのか? あれが何故、急に暴れ出したのか? そしてこの島を何故氷の世界に変えたのか?」

とシバは聞いた。


「うむ。暴れ出した理由は分かった。誰かがあの魔獣を怒らせ、たたき起こしたのだと」

とスキノは眉間に皺を寄せながら言った。


「はぁ? 誰が? そんな無謀な事を?」

とシバは驚いたように聞き返した。


「どうやらラシール帝国の奴等らしい……」

とスキノは憎々しげに言った。


「らしいとは?」


「その遺跡に氷漬けにされたラシールの軍人の死体が沢山転がっておったわ」

とスキノは吐き捨てる様に言った。


「ほぉ……そりゃラシールで間違いないな。魔獣をたたき起こして、殺(や)られていたら世話が無いな。でもなぜあの帝国の奴等がこの北島までやって来たんだ?」


「そこまでは分からん」

とスキノは首を振った。


「それにそんな多数のラシール帝国の軍人が侵入してきたのを、この島の奴等は誰も気が付かなかったのか?」

とシバは少し呆れた様な表情を見せて問い詰めた。


「そうだ。誰も気が付かなかった……」

誰が見ても明らかにスキノは悔し気に答えた。


「ふむ……この遺跡の宝が目的でやって来て、魔獣を目覚めさせたのか……?」


「そう考えるのが普通だろう?」


「あるいは魔獣自体を目覚めさせることが目的だったとか……」

とシバが言った。


「はぁ? そんな事をして何の得がある?」


「少なくとも『北の大地』は氷漬けになってどうしようもなくなった」


「目的はこの島か?」

とスキノは驚いたように身を乗り出しシバに聞き返した。


「そういう可能性もあるかもしれないという……あくまでも仮説だ」

とシバは表情を緩めて言った。


「そうか……」

と身を乗り出していたスキノは脱力したように椅子に座り直した。


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