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皇女殿下の飛空艇~皇女殿下は鬼畜な艇長にしごかれています~  作者: うにおいくら
第13章 魔導書

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永久氷穴の魔獣

「なんだぁ? 何の話だ? 全く話が見えん」


「ほれ、お主たちが初めてこの北島に来た時の事じゃ。お主たちのパーティとそこのスサノ帝と七人で退治した『永久氷穴の魔獣』の事だ……」

とスキノ王は過去の話をし出した。当時シバとアキトはメリッサとフレデリック、そして新たに仲間になったダミアンとパーティを組んでいた。


「ああ、それか……それなら覚えている……それがどうした? あの魔獣が復活でもしたか?」

とシバは怪訝な表情で聞き返した。


「いや、流石にそれは無い」

とスキノは首を振った。


 シバ達が初めてこの『北の大地』と呼ばれる北島に訪れた時の事である。その時もスサノ帝に連れられて……というか同じようにテスト飛行中の飛空艇ミカサに、スサノ帝を乗せてこの国へやって来たシバ達だった。


 その時、まだ王女殿下だったスキノに開口一番


「ほう、それが噂のチート達か。ならば我が国の凍土を全て溶かし、今すぐここを小麦畑にしてもらえるか?」

とシバとアキトは無茶振りされた。


 この王女スキノは二人を見るなり、その鑑定能力で彼ら二人が『超火力魔法』『天候操作魔法』『土壌変化魔法』のチート持ちである事を見破っていた。一瞬で『カタログスペック』を確認するかの如く値踏みしていた。


「なんだ? なんだ?」


――俺たちを便利ツールか何かだと思ってないか?――


と意味も分からずに驚く二人に、スサノ帝は苦笑しながら


「スキノも必死なのだ。それだけ民を思っているという事だ」

と二人を宥(なだ)めた。

その当時、『北島』は『永久氷穴の魔獣』のお陰で『氷に閉ざされた大地』と化していた。それを『肥沃な大地』に変えたいというスキノの願望が、そのまま口をついて出たとスサノ帝は説明した。


 この王女殿下は民の事を考えるあまり、周りが見えていない言動が多々あった。それは今でも基本的には変わっていない。



 そんな事をシバは思い出しながら


「復活した訳ではないのか……だったらどうした?」

と聞き返した。聞き返しながら同時に


――またろくでもない事を頼まれるのではないか?――

と警戒していた。


 あの時、 


『永久凍土を溶かせ!』という依頼はその場で断ったものの、その後に依頼されたのが『永久氷穴の魔獣退治』だった。それはまだ腕試しがしたい盛りの二人にとっては願ってもない話だったので引き受けたが、今は違う。


「あの魔獣が暴れたおかげでこの国は一気に氷の世界となった。夏でも一面が銀世界のままだった。お主らのお陰で、この国はまた四季を迎える事が出来るようになった。それは今でも感謝しておる」

とスキノは心の底からシバとアキトに感謝していた。


「お主らパーティと引き合わせてくれた帝にも感謝しておるがな」

と笑った。


「お主らはあの魔獣を退治するとさっさと帰ったが、あの永久氷穴の奥には何があったと思う?」

とスキノ王は表情を改めてシバに問いかけた。


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