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皇女殿下の飛空艇~皇女殿下は鬼畜な艇長にしごかれています~  作者: うにおいくら
第10章 姫巫女様の住む聖樹海

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相談事

「それにしても姫巫女様も人が悪い。何故、転生者である事を今まで黙っていたんですか?」

とシバは表情を緩めて聞いた。姫巫女が転生者だと確信して、親近感を覚えたようだ。


「正直に言うと『伝えるタイミングを逃して、そのままになってしまった』という事ですね。お二人もこの神殿に来る機会はそんなにありませんでしたしね」

と姫巫女は言った。

確かに姫巫女の言う通りだった。初めての出会いが、たまたま偶然というか、考え無しの二人に強引に会う羽目になったというか異例であった。そもそもシバやアキトが気安く会える立場の姫巫女でも無かった。


「そうでしたねぇ……」

とシバにも思い当たる節があり、簡単に納得すると


「そこでご相談なんですけどね」

と低い声で話題を変えた。


「あの『翡翠』は姫巫女様の眷属いや従魔ですよね」


「その通りです。その証が聖樹神那木(カムナギ)の結晶です。『翡翠』の額の角はその結晶で出来ています。私の髪飾りも同じです」


「なるほど……そこで提案なんですけどね。『翡翠』をソフィアの従魔にもできません?」


「はぁ?」

と姫巫女はシバの意外な申し出に理解が追い付いていなかった。


「いや、ソフィアと姫巫女様は同じ魔力波動らしいので、もしかしたらそんな事もできるかな?……って思ったんですけど……」


「ふむ……それは無理でしょうね」

と姫巫女は申し訳なさそうに首を振った。


「そっかぁ……やっぱり主人を二人持つ事は出来ないかぁ……」

とシバは落胆したように呟いた。微かな期待を持っていたが、やはりダメだと分かると力が抜けた。


「はい。如何に異世界モノでもそれは無理な設定だと思います」

姫巫女も何とか期待に応えたいと思っていたが、これは無理な相談だった。


「ですよねえ……話は変わりますけど、姫巫女様はハイエルフとして生まれてもう何年でしたっけ?」

とシバは突然話題をまた変えた。


「……軽く千年は経っていますね」

と姫巫女は昔の記憶を辿るように言った。


「でも、『異世界モノ』と言う言葉が出てくるという事は、我々と同時期から転生した訳ですよね」


「そうなります。前世は鎌倉時代や平安時代ではありません。平成・令和でした」


「なるほどぉ……ソフィアでなんとなく判っていたんですけどね。異世界に飛ばされる時期はランダムなんですねえ……」


「そういう事になりますね。時系列は並行には進んでいないみたいです」


「それにしても千歳って凄いですねえ……」

とシバは感心したように言った。


「千年です。歳で言わないでください。とっても年寄りな気がします」

と姫巫女は少し憤慨しながらシバに抗議した。


「あ、すみません」

とシバは慌てて謝った。女性に歳を聞くのは失礼である。それは相手がこのハイエルフでも一緒だった。


「それにしても転移者と転生者では、魔力の波動が似てはいるけど明らかに違うみたいですね。同じ魔力の波動の転生者同士なら魔導回路が開くと思ったんですけどねえ……そしたら『翡翠』とソフィアも繋がるかと思ったんですけど……安直でしたねえ……」

とシバは残念そうに言った。


「皇女殿下と『翡翠』の魔導回路ですか? それは可能ですよ」

と姫巫女は予想外の言葉を口にした。


2026.08.12 文字修正

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