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皇女殿下の飛空艇~皇女殿下は鬼畜な艇長にしごかれています~  作者: うにおいくら
第10章 姫巫女様の住む聖樹海

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聖樹海を前にして

 翌朝。早速シバ達三人は飛空艇を降り、『翠影(すいえい)の聖樹海』へ続く道に立っていた。


 飛び去る飛空艇を見送った後


「昨晩はよく眠れた?」

とシバはソフィアに聞いた。


「はい。ぐっすり眠れました。ばっちりです」

とソフィアははっきりとした口調で答えた。いつもより明らかに元気が良かった。


「う~ん。本当にそうみたいだねぇ。朝から元気だ」

とシバは笑った。


「はい。これから樹海ですよね。この三人で行動を共にするって初めてですよね」

とソフィアは嬉しそうに言った。


「うん。そうだね。いつものメンバーの方が良かったかな?」

とアキトがあえて聞いた。


「そんな事ないですよ。お二人とご一緒出来るのは心強いですし、楽しみでもあります」

とソフィアは慌てたようにアキトの言葉を否定した。


「そうなの?」

とシバが聞き返した。


「はい。この異世界で最強と言われるお二人とご一緒出来るんですから。それにここって樹海っていうぐらいですから魔獣とか居ますよね?」

とソフィアは期待に満ち溢れたような表情で聞いた。どうやら彼女は姫巫女様に会うよりもこの樹海で魔獣相手に腕試しを楽しみにしているようだった。あわよくばシバとアキトの戦い方を、この目で見る事もできるかもしれないという期待もあった。


 もっともこの異世界転移最強チートの二人がわざわざ一緒に同行してくれるというので、ソフィアは『もしかしたらとんでもない魔獣が存在する樹海なのではないか』と勝手に期待していた。


「う~ん。樹海と言っても、一応『聖なる樹海』という設定だからなぁ……居るのは魔獣というより幻獣だねぇ」

とシバがそれを察したように少し申し訳なさそうな表情で言った。


「え?……幻獣ですかぁ」

とソフィアは落胆したように肩を落とした。


「なんだ? ソフィア、残念そうに見えるんだけど」

とアキトが聞いた。


「樹海と聞いて腕試しができると思ってうずうずしていたんですけど。幻獣ですよねえ……」

とソフィアは諦め顔で言った。

幻獣とは聖獣と言い換えても良い位、魔獣とは全く正反対の位置に存在する。なので冒険者の使役獣としてともに行動を同じくする事はあっても戦う事はまずなかった。もっともその幻獣に敢えて攻撃を加えれば戦えない事は無いが、その時は命を代償に支払う事になる。


「その通り。幻獣だよ……ソフィアの期待には応えられない可能性が高いな……」


「いえ、それは……はぁ……」

とソフィアは呟くように言った。


「ここは聖なる樹海だからね。会いに行くのは魔王ではなく姫巫女様だからねぇ。腕試しにはならないかもしれないなぁ」

とアキトも申し訳なさそうにシバの言葉を補足した。


「そうですよねぇ……」

とソフィアは残念そうな表情を見せて言った。


「ソフィア、期待に応えられなくてごめんね」

とシバは謝った。


「いえいえ。少し残念ですが姫巫女様に会ってみたいし、どんな方か興味が湧いてきたのでそこは楽しみです。それに幻獣も会ってみたいです」

とソフィアはあえて笑みを浮かべて言った。


「ところでソフィアは幻獣に遭った事はあるの?」

とシバが聞いた。


「いえ。ないです。なのでそれはそれで楽しみです」

とソフィアは答えた。彼女にとっては幻獣とは話には聞いた事あったが、見た事もない想像の存在でしかなかった。


「そっかぁ……まあ、今回の目的は姫巫女様に会う事だからね。幻獣にも会えると良いね。じゃあ行こうか」

そういうとシバ達は聖樹海へと一歩踏み出した。


2026.07.03 加筆修正。

2026.11.08 文章修正。

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