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皇女殿下の飛空艇~皇女殿下は鬼畜な艇長にしごかれています~  作者: うにおいくら
第9章 クロードの修業

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魔力を流し込む

「なるほど……そうだろうな」

シバはそういうとクロードに近づき、彼の背後に回った。そして背中に手を置いて


「さっきと同じように構えて」

と指示した。


「うん」

とクロードは返事をすると再び木刀を構えて魔法付与を始めた。

さっきと同じようにうっすらと木刀が赤みを帯びて光り出した。その瞬間更にその赤みが増して木刀の先から炎が揺らめきだした。


クロードはそれを見て驚いたように


「おお!」

と声を上げた。


「意識を集中して」

とシバが注意した。


「うん」

とクロードは木刀を構え直して剣先を凝視した。

まだ炎がゆらゆらと剣先から出ていた。


「肩から俺の魔力が流れているのが分かるか?」


「うん。両肩が熱い。その熱さが両肩全体に広がっていくのが分かるよ。そのままそれが両腕から剣先まで流れ込んでいるのが伝わってくる。この熱さが魔力の流れなんだね?」


「そうだ。その通りだ。その感触を忘れないように意識を集中して」

とシバはすぐに途切れそうになるクロードの集中力に気を配りながら、彼の背中に置いた手をゆっくりと離していった。


 その状況をシバはクロードから少し離れて暫く見ていたが、木刀の剣先から揺らめく炎は消えずに揺れていた。


「どうだ? 魔力の維持のコツは掴めたか?」

とシバは聞いた。

クロードは木刀の先を見つめたままですぐには返事をしなかったが、やがてその姿勢のまま


「うん。何とか維持できている。こんな感覚は初めてだけど、コツみたいなものは分かった様な気がする」

と言った。しかしそれは維持するだけで精一杯だと誰もが分かる状況だった。


 その様子を見てシバは


「じゃあ、一回止めて」

とクロードに指示した。

クロードは大きく息を吐いて肩の力を抜いた。揺らめいていた炎は同時に消えた。


「じゃあ、今度は一人でやってみようか?」


「分かった。やってみるよ」

と言うとクロードは木刀を構え直した。

暫くすると木刀が赤く光り出し、剣先から炎が揺らめきだした。それはさっきと違って弱々しい炎であったが、その状態を暫くクロードは維持する事が出来ていた。


「ほぉ。やるな」

とシバは感心したように言った。


「でしょう?」

とクロードはどや顔で言った。直ぐに図に乗るのが彼の悪い癖かもしれないが、シバはそれには触れずに


「その調子でもう一度」

と同じ事を再度求めた。


「うん」

とクロードは答えると再び同じ事をやってみせた。


「もう、完璧だな」

とシバが言うと


「でも、気を抜くと直ぐに流れは止まってしまうよ。魔法付与を維持するのは難しいよぉ。このまま木刀を振り回すのは無理だよぉ」

とクロードは弱音を吐いた。


「そりゃそうだ。まだ付与してないからな」

とシバは真顔で言った。


「へ?」

とクロードは唖然とした表情を見せた。



「今やったのは魔力を剣に伝える方法を教えただけ。それを剣に固定化させるのはまた別の話だよ」

とシバは言った。


「え?」

とクロードは意外そうな表情を見せたかと思うと、その表情はすぐにうんざりとした表情に変わった。


「あからさまに嫌がるなよ」

とシバは笑いながら言った。


「そんな事は無いけど……先は長そうだよねぇ……」

とクロードは答えながらも、本気でうんざりはしていた。もうやる気が半分以上失せていた。本当に分かりやすい性格の男である。


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