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皇女殿下の飛空艇~皇女殿下は鬼畜な艇長にしごかれています~  作者: うにおいくら
第6章 異世界転移の記憶 シバとアキト

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ダンジョンの中で

 と、ここまでシバが話したところで、ソフィアが唐突に


「え~! 森の賢者様を(ばばあ)呼ばわりしたんですか!?」

と驚いたように叫んだ。


 アガサ・ヴァイスリッターはモルタリア帝国だけでもなく、その周辺諸国の人間までもが知る大魔法使いである。モルタリア帝国では『三大魔法術師』の一人として崇め奉られている。本人はそれが嫌で帝都から少し離れた小さな村で隠居生活を送っていた。そこへシバとアキトの二人が偶然にもノコノコとやって来て『ババア』呼ばわりしたのであった。


「うん。その時はアガサの婆さんがそんなに凄い人だとは思わなかったからね。単なる防具屋の(ばばあ)だと思っていたよ」

とシバは笑って言った。まだ婆さん呼ばわりは直っていないようだった。


「よくその場で焼き殺されなかったですね」

とソフィアは呆れたように言った。


「まあね」

とシバは笑った。


「でも、隠蔽のスキルに気が付いて良かったですね」

とソフィアも安堵したように言った。


「それはね。でもそのおかげでエライ目にも遭ったけどね」


「そうなんですか!??」


「うん。色々あったんだよねぇ。ある程度は力を見せておくことも大事だよ」

とシバはそれ以上語らなかった。


 そう、あれは転移してから三日目の事だった。アガサに言われるまま二人は村のギルドで冒険者登録を行った。受付で聞いたところによると、ここのギルドはモルタリアの帝都デークハーゲンにあるギルドの支店だという事だった。


 『森の賢者』様のご紹介である。登録はすんなりと終わった。

そして二人はある程度の武器と防具を買いそろえてダンジョンへと入って行った。


 二階層目に入ったところで、見知らぬ六人組のパーティに声を掛けられた。


「あんたら初心者だろう? 俺たちと一緒にやらないかい?」

とリーダー格の男が優し気な言葉で二人を勧誘してきた。

全員がシルバークラスの冒険者だと言っていた。『スキル隠蔽』の効果もあって、彼らの目にはこの二人はホワイトクラスの初心者冒険者パーティであり、冒険者としてのレベルもそれほど高くは見えていなかった。


 しかし二人はチートである。まだ力加減が判っていないチートである。普通に考えて危険極まりない冒険者である。今はその自らも持て余している能力を確認するためにこのダンジョンに潜っているのであった。なるべく人の目に触れたくなかった。そこでアキトがそのパーティの誘いを丁重に断った。


 十階層目に入った時、再びその六人組の男たちが現れた。


「初心者の癖によくこの階層まで来れたな」

と言ってきたのはさっき声を掛けてきたリーダー格の男だった。たださっきとは違ってなれなれしい言葉遣いと態度だった。どちらかと言えば二人を見下しているようだった。


 シバ達が黙っていると


「よっぽどいい武器と防具を持っているんだな」

と他の男が値踏みするようにシバの武器に手を掛けようとした。


「勝手に触るな!」

とシバが怒鳴ると


「ふん。これは失礼したな。しかしだな、お前らには似つかわしくないその武器を置いていけよ。俺たちが使ってやるよ」

とその男は薄笑いを浮かべながら言った。男たちは本性を現した。


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