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皇女殿下の飛空艇~皇女殿下は鬼畜な艇長にしごかれています~  作者: うにおいくら
第6章 異世界転移の記憶 シバとアキト

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初めての村

「なんか、絵にかいたような『異世界の最初の村』だな」

とシバが笑って言った。アキトもそれにうなずいた。


 この村に着くまでに魔石もそれなりに手に入れたので、二人は防具屋へ行ってそれを金に換えようと考えた。今までの異世界モノのアニメやラノベで得た知識を活かす時である。


 それは村に入ってすぐに見つかった。

防具屋の看板もどこかで見た様な看板だった。


 木製の扉を押し開くと、最初に目についたのは目の前のカウンターに座っている老婆だった。

老婆はぎょろっとした眼つきで二人を見ると黙って視線を逸らした。


シバがカウンターにさっき手に入れたばかりの魔石をリュックから出して並べた。


「これ買い取って貰えるかな?」

とシバは聞いた。聞きながらも


――果たして日本語が通じるのか?――


と表情には出さなかったが不安で一杯だった。


 老婆は魔石を一瞥して言った。


「たくさん集めたな」

とひとこと言った。


――お、日本語が通じた――


とシバとアキトは会話に困らない事が分かって安堵した。


「ところでお主たちはどこから来た?」

と老婆はシバとアキトの顔を無比べながら聞いた。


「はぁ……?」

聞かれてどう答えていいかシバは迷っていた。


――なんて言えば良いんだ? 日本からって言っても良いのか? 転移して来たなんて言ってもダメだろう? だからと言って嘘をつくにも、ここの村の名前さえ、さっき知ったばかりだぞ……どうしよう?――


と助けを求めるようにアキトの顔を見た。

アキトも同じ事を考えていたようで、既に思考が止まっていた。


「その様子……お主ら、この国の者ではないな……というかこの世界の人間でもないな……もしかして違う世界から来たのか?」

と老婆は二人を見上げて言った。


「え?」

とシバとアキトは同時に声を出した。


「なるほどのぉ……そういう事か……異世界人召喚の話は聞いた事はあるが……その様子だとそうではないようじゃな……しかしその人並外れた能力、魔力。そんな人間がこの世にいるわけがない。それも二人も揃って目の前にいる。どう見てもこの世界の人間とは思えぬ」

とその老婆は二人を見るなり、異世界人だと見破った。


「鑑定眼か?」

とアキトが聞いた。


「そうじゃ。道具屋や武器屋は買い取りもするからな。鑑定の能力は必要じゃ。それよりもお前らはその力も魔力も隠してもおらん。見る奴が見たらすぐに分かる。何故隠さん?」

と諭すように老婆は言った。


「え? 隠せるのか?」

とシバとアキトは慌てて各々のステイタス画面を開いて確認した。

ステイタス画面のスキルに『ステイタス隠ぺい』の項目があった。


 二人は慌ててこれを使った。

それを見て老婆は


「ふむ。それなら大丈夫じゃ。なんとか冒険者志望の村人Aで押し通せる」

と笑った。


「婆さんありがとう。助かったわ」


「婆さんと言うな。わしにはアガサ・ヴァイスリッターという親から貰った立派な名前がある」

と憤って言った。


「それは悪かった。婆さん。これからはアガサの婆さんと呼ばせてもらうよ」

とシバは笑顔で言った。

アガサはムカついた顔をしたが、何も言わなかった。それはただ単に『こいつには何を言っても無駄だ』と悟っただけだった。それにアキトは気が付いて苦笑いを浮かべていたが、その場の空気を読んで


「せめてアガサの母さんと呼べよ」

と助け舟を出した。


「ああ、そうだな。そう呼ぼう」

とシバは素直にアキトの意見に従った。


「うむ。お前たちを生んだ覚えはないが、それなら許してやろう」

とアガサも納得したようだった。


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