3:親友となる男
翌日
俺たちが学校に慣れる様に午前中は学校の解説だったり、学年全体の教師の説明、授業形式などなど、いろんな物が説明された
そして午後からゆっくりと授業を始める
現在、昼休み中である
教室内は既にグループが出来ており、俺はどこにも属していない
元よりコミュ障の俺にとって、話しかけるなんて世界を救うより大変な事だ
だから、俺はこの日、屋上でお昼ご飯を食べる
いつもは鍵が掛かっているのだが、先生から許可をもらい屋上にやってきた
屋上は綺麗で、普段開放されていないとは思えない
この屋上が入れるようになったのはループ5回目
とある先輩に話してから、毎ループ俺が入れるようになった
あの先輩は俺と同じくループしているんじゃないかと疑うほど勘がいい
彼女のお陰で、通過するのも許可されるようだった
一人暮らしなため、お弁当を作る気力もなく、コンビニのおにぎりと菓子パンである
食べ合わせという言葉は無視する物とする
俺が縁に座り、おにぎりを食べ終えた
次に菓子パンに手を付けようとした瞬間、誰も来ることがない屋上の扉が開かれた
そこには、さっき噂したばかりの先輩、文月 加奈と英優希がやってきた
文月は俺の幼馴染で、一個上2年生の一応先輩だ
彼女はこちらに歩きながら話しかけてくる
「やっほ~、魁君。なんか、廊下を歩いていたら君を探している新入生君がいてね?ここかな?って思ったから来たよ~」
「ありがとうございます、文月先輩」
「言ったでしょ?苗字じゃなくて名前。先輩は要らないって」
「承知いたしましたよ、加奈」
この人は昔からそうだ
彼女と俺は昔からの中、いわゆる幼馴染だ
昔から勘が良かったが、ループ内は異常なレベルだ
俺がいろいろ考えているうちに、彼女は扉の縁に手を掛けながら話してくる
「自分の役目は果たしたから。それじゃ!」
そう言って彼女は屋上から帰る
すると、優希が話しかけてきた
「君が依織を助けてくれた人か?」
「そうだね。彼女も大変だろう?いい家柄なんだから…」
「…!家柄を知っているのか?」
「あぁ……少しね」
「……?そうか」
彼は疑問に思ったのか、首を少し傾げる
まぁ、ただの一般の出の奴が、何故か元貴族の娘を知っている
これがいかに異常か
「それで、何で助けたんだ?」
「え?あぁ」
一瞬理解が出来なかったが、俺は素直に答える
「俺はただ、変に絡まれている人が居たから避けただけ。それよりも、彼女チャイムに間に合ったのか?」
「は、はぁ………間に合ったとおもうぞ?」
彼は理解が追いついていない顔をしながら答える
貴族達は貸し借り命の関係
助けたということは、その分求めてくるのが基本の世界だ
勿論、これも改めて聞いてみたら建前でしかないだろう
だが、結局俺が受ける返しはとても大きい物
「そうか………なら、欲しい物は1個何でも言ってくれ。僕は君に何かを返したい」
「わかった。じゃあお前と友達になろう。貸し借りなし、持ちつ持たれつで貴族庶民関係なし、ただの友達だ」
「…わかった」
「そうかそうか!なら、今日から俺達友達な!」
「は、はあ…」
これから、しばらくは躊躇いがある
だからこそ、俺は優希を頼りまくるし、弱みは見せる
そうじゃなきゃ、こいつの欲望が叶う事がない
まぁ、俺は平民、優希は大が付くほどの貴族
頼れることは数えきれないだろう
「話はそれだけか?それだったら俺はここで昼飯の続きさせてもらうな」
「お、おう。それじゃあ…な」
「おう。気を付けろよ!」
返事も無く、彼は去って行った
屋上への階段は、見つかりにくい場所にあり階段も急
転ばぬように気を付けて欲しいところだ
俺だって実際、何回か転びかけた
最も、転げたところで俺が傷つくことなどありはしないがな
さっ、菓子パン改めメロンパンを頬張るとしよう
そうして一口頬張る
口いっぱいに優しい甘みが広がり、周りについているビスケットが崩れていく
この味は数百年たってもおいしいと思える
やっぱり総菜パンもいいが、菓子パンもいいな
そう考えながら食べていると、気が付いたらなくなってしまった
どうせ後数百、下手したら数千は食べる事になるだろう
とりあえず、明日は焼きそばパンにしよう
俺はゴミをポケットに突っ込み、立ち上がった
「もう帰るのかい?魁君」
そんな言葉が、扉の方から聞こえて来た
「おや、源一郎さん」
扉には背筋がピンと伸びた白髪の老人が立っていた
彼の名前は文月 源一郎
由緒ある文月家の現当主であり、文月加奈の祖父、白西高等学校校長、そして……
現総理大臣である、文月 学の実の父親だ
ちなみに、この情報は国家機密レベルの情報だ
俺としては文月家の当主というより、親友のおじいさんという感じだ
「屋上は気に入ってもらえたかな?」
「もちろんですよ。ここのお陰で、伸び伸びと過ごせますから」
「ふふ。それはよかったよ」
彼は優しく笑いかけている
彼はとてもやさしいが、同時に加奈と同じぐらい自由人でもある
違うのは、彼女よりも権力があるという事
急に他県に引っ越すこととかざらにあるらしい
実家の隣に引っ越してきたのも、それが原因だったそうな……
「それで、どうされたのですか?」
「そうだねぇ。ここから儂の気が済むまで話さないか?」
「え……えっと、申し訳ございませんが、流石に授業をサボるのは…」
「儂は良いと思うぞぉ。孫が、魁君がループしているって言われているからね。あの子は変な嘘はつかない。実際、あの子の言う通り屋上を魁君だけ許可したら、本当に魁君が来たんだからね。それなら、テストの点数だって取れるだろう?」
「……ふふ。それもそうですね。ですが、校長である貴方がそんなこと言ってよろしいので?」
そう聞くと、彼は豪快に笑う
「はっはっは!今更じゃろう?」
「…そうでしたね。お話、お付き合いしますよ」
「そうかそうか。それは助かる」
そう言って彼はこちらへと歩いてくる
実際、彼の言っている事は間違っていない
毎回多少の違いはあれど、テストの内容が変わる事はめったにない
それに、毎回受けていた時に覚えてしまった…
授業中は本当に暇だったから、向こうから頼まれる分には喜んで受けよう
そうして、午後の授業が終わるまで、ゆっくり話を続けた…
どうもどうも
はい、ここまでで書き溜め分終わりです
え?
向こうでは十話分書き溜めているって言っていたって?
知らんよんなもん
だって、こちらは見切り発車で書き始めた物ですよ?
ただでさえちょっと忙しいのに、設定を練って書いていたらこうもなります
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました
今後も、‘‘できれば‘‘お付き合いください!
お相手は十月二十一日の私、葉都でした
ということで、ではでは~




