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水棲の月  作者: 鯖林檎
第二章 泡影の海月
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〇 0話


 朝起きて見る。出勤中に見る。仕事中にも休憩中にも見る。退勤しながら見る。ご飯を食べながら、風呂に入りながら、布団に入りながら見る。通知の数字が、ついては消えていく。止まらない。


 バズるって本当に気持ちいい!


『かわいい』

『これ好き』

『ほんとこれ』


 あー! いいね最高! SNS最高!


『こいつよく見るとブスだよね』


 ──は? 何? なんだこいつ。何様? じゃあお前はどんな顔してんの? 見に行ってやろ。いや、フォロワー二百って、雑魚じゃん。全然いいねされてない、笑える。晒してやろ。


『晒しはよくないと思うよ〜』


 善人ぶって話しかけてくんなよ。

 フォロワー集めてから出直してこい。


『スルースキルなさすぎ』

『さすがに酷い』

『ブロックします』


 なんだこいつら。死ね。死ね死ね。殺す殺す殺す。どいつもこいつも。フォロワーが少ない一般人のくせに。


 私はお前らとは違う。口を開けばバズる。

 私を誰だと思ってる。

 二万のフォロワーが、価値を認めた人間だ。


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