表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
摩訶高校の奴ら  作者: とんぼ。


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
66/67

決断する奴

 やなぎ留唯るいと共に帰宅した明星あけぼしてる

 彼は普段通り、仰々しい門に迎えられて家へ入る。


 レンガによって形造られた家、もとい屋敷のなかに入るとすぐに赤い絨毯が目につく。その次に映るのは使用人の姿だ。


 「おかえりなさいませ。お坊ちゃま。」

 「……………あぁ。」


 なんとも時代錯誤な光景である。


 てるは先ほどまでクラスメイトと帰っていた自分と、今ここにいる自分が同一でないかのような錯覚に襲われた。


 そうして黙っていると彼の鞄を預かった使用人が突然、頭を下げる。


 「お坊ちゃま。今朝の件、ご迷惑をおかけしました。大変、申し訳ございません。」

 

 今朝の件とは、彼らが乗る車が故障した出来事だ。

 おかげで元の予定は狂ったが、その代わりに学校というものをその身で体験できた。


 「気にするな。とは言わないが、必要以上に気負うな。」

 「左様ですか。………ありがとうございます。」


 かかとを絨毯に沈ませながら自室へと行く。

 側には上着や鞄を預かった使用人がいる。


 「お坊ちゃま。明日あすのご予定ですが、」

 「明日あすは学校だ。」

 「!学校、でございますか…?」


 使用人が驚くのも無理はない。


 何せ、彼らの雇い主かつてるの父は義務教育以降の学校を不要と判断していたからだ。

 故に、今日この日までてるが高校へ顔を出すことはなかった。


 「あぁ。そうだ。」

 「………僭越せんえつながら。理由を聞いてもよろしいですか。」

 「理由か。」


 部屋の前。ドアノブへかけた手を止める。


 彼自身、学校に行くという行為へどのような意味づけをすればいいか迷っていた。が、そこでやなぎ留唯るいとの会話を思い出す。


 「………無駄ではないからさ。少なくとも、得るものはある。……父には私から伝えておく。」

 「畏まりました。」


 使用人の返事と共に自室へ入る。


 「ふ。」


 てるは小さく息をこぼして、明日からの学校生活への期待を内にし体を休めるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ