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摩訶高校の奴ら  作者: とんぼ。


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46/50

大食いにチャレンジする奴

 学校も終わり放課後。


 本当は不和ふわと話をしたかったが、今日はやめにした。彼女の体調が悪かったら、流石に申し訳がたたない。


 ということで俺は近くのファミレスへ足を運ぶ。

 そこでは今日から大盛りキャンペーンが始まるのだ。対象のメニューを制限時間内に食べ切れれば料金はタダ。定食屋ではなくファミレスで行われるのは珍しいと思い、早速訪れる。


 大盛りになっているメニューはオムライスだった。

 注文すること15分。テーブル上には俺の頭1,5個分ほどのオムライスが置かれる。


 「おぉ。………よし。いただきます。」


 制限時間は18分。なんとも中途半端だが、ルールはルール。腕をまくり、スプーンを握りしめた。


 まずはひと口。


 口内に卵とチキンライスが入る。咀嚼をすると、卵の甘味とチキンライスの塩分が広がった。

 濃すぎない、むしろ優しい味付けはファミレスというより家庭の味に達している。


 「うまいな。」


 デミグラスソースを堪能しつつ呟く。


 それから一人でオムライスを楽しむ。が、それも最初の7分のみ。それ以降は胃袋が悲鳴を上げ始めたのだ。


 やはり大盛り。侮ってはいけない。


 お冷やで喉を潤し、心を落ち着かせる。


 「…………ふぅ。」


 深呼吸をすると、ふと仕切りを隔てた後ろの席から声がした。


 「それでね、不和ふわちゃん。私、この人と再婚することにしたの。」

 「つまり僕は新しいパパってことだ。」


 なんと、随分深刻そうな話だ。


 予想するに、子供へ再婚相手の紹介でもしているのだろう。

 そんな話、ファミレスでするべきではないと思うが。なんて思っていると、何か引っ掛かりを覚えた。


 「ん?不和ふわ……?」


 不和ふわ。それはクラスメイトの名だ。とはいっても、同名なだけかもしれない。特別珍しい名前でもないのだから。


 「…………そう、なんだぁ。……えーっと。おめでとう。わたし、反対しないよ。安心して。」

 「!」


 その声を聞いてはっきりと分かった。いま後ろにいるのは紛れなく、クラスメイトの不和ふわだ。

 まさか彼女の家庭内の話を耳にするとは思わなかった。偶然とはいえ、デリケートな話題だ。少し申し訳ない。


 「…………あ。わたし、ちょっと急用思い出した。……先に出るねぇ。」

 「そう。気をつけてね。」

 「それじゃあまたな。不和ふわちゃん。」


 不和ふわは2人に見送られ、席を立ったようだ。


 俺は彼女を追いかけなければならないと感じた。

 何故なら、おめでとうと言った時の声音は普段のような飄々としたものではなく、やや震えた強がったようなものだったからだ。


 オムライスを全て腹におさめ、急いで会計する。


 まだ、不和ふわには追いつくはずだ。

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