新しい仲間、ケイ
アイルはスラム街に隣接する小さな酒場を訪ねた。
彼は、とりあえず一時的にでもジェイの代わりを務められる人間に心当たりがあった。
彼は酒場の一番奥の席で、4人の冒険者が酔いつぶれて椅子に倒れ込んでいた。その中で、一人だけ酒に酔っていない女がいた。
「うっす」アイルは自分でも間抜けな声のかけ方だと思った。彼女はアイルを見つめ返した。「話があるんだけど」
「何の話だ」黒い短髪を逆立てた男が代わりに答えた。彼は確か、この冒険者たちのリーダーでガイといった。
「明日ルケントに突入するのは知ってますか」
「ああ、聞いた」
「俺たちも仲間を殺されました。あなたたちと同じように」ガイはアイルを見つめて先を促した。「明日の襲撃に参加するには、どうしてもジェイの代わり……俺たちの死んだ仲間の代わりが必要なんです。前衛を貸してくれませんか」
「お前のことがお呼びだだとよ」彼は女の方をみて言った。
「私はあなたたちのことを知らないし」女は言った。「具体的に何をやらせるつもりなの」
「僕たちの役割は囮です。僕らともう一組で、先にルケントに侵入してゴブリンをおびき出します。
「それ、どれくらい危険なの?生き残れる見込みは?」
「俺たちの仲間には、敵の能力に対する特効がいます」アイルはその特攻を持つ人物について話した。セレスはしばらく悩んだ後、ガイに向かって話した。
「これからこの団はどうなるの?」
「わからねえ。俺はまだ何も決めてねえわ」
「お金はあるの」
「ほとんど使っちまってるよ」
セレスはアイルの方を向いて聞いた。「その任務、報酬はいくらなのよ」
「俺たちの報酬は、1人につき金貨1枚です」
「金貨1枚じゃ命はかけられないわね」
「ここは俺に腰を任せてくれ」アイルは後ろを振り向いて言った。「金貨8枚ではどうですか」
「8枚……金貨8枚って、君たちはそんなにお金を持っているの?」
「俺たちルケント狩りの最初から参加してたんです。なのでお金はあります」
「そう…わかった。私も参加する」




