第15話〜慈準〜
時宗は異空間の円卓の先にある部屋に辿り着く。
部屋の扉には慈悲と書かれてる。
「…完成してるといいが…」
扉を開けると強烈な風圧を時宗に襲う。
「何回みてもこれはキツイなぁ…」
部屋の中には…愛の一族の愛縛部屋と似た…形状のモヤモヤがたちまち占め尽くす。
その中で100本を超える遺物達が置かれてるが、どれも破壊されている。
「…失敗か…こんな時に限って…」
そう言い残し部屋を後にする…が。
甲高い音が聞こえ始め、時宗が焦って部屋に入るが…
1本のレイピアがふわふわと浮いている。
レイピアから戦場の叫び声の様な声が聞こえる。
「…汝ノ者ヨ…私を創り出したのか…?」
「…流石。英雄ダルクジャンヌ…」
時宗は膝を下ろし、頭を下げる。
時宗は続ける。
「かの高き英雄ダルクジャンヌよ。」
「生前の行いは後の世代に称賛されてる。」
「…重箱の隅をつつくようで悪いが…」
「今世界を巻き込んだ争いが起きそうだ…」
「…英雄ダルクジャンヌ様のお力が欲しい!!」
「…良いでしょう…グランドマスター時宗…貴方の血がなかったら私は産まれなかった。」
「…失記者の遺体、もしくは素体になる人体の1部が必要です…」
時宗が立ち上がる。
「あぁ。それならもう準備済みだ。」
時宗が持ってきたのは時宗と同じ顔立ちをした遺体…いやクローン…
「…そこまでして救いたいのですか。」
「…あぁ。みんなが笑って幸せを感じ取れる生にしたいんだ…」
「…分かりました。」
英雄ダルクジャンヌは時宗が差し出したクローンに入り込み、
肉体、顔、背格好までもが中性ヨーロッパ風貌の女性と変貌する。
「…少し先の話になるが。これから争いが起きる。」
「…その人物は源ノ破者…恐らく君にも因縁はあるはずだ。」
「…勇者である私を殺した張本人です…」
「…やっぱりか。終時のおかげだな…」
「時期が来るまでここで待って欲しい。」
「わかりました。」
その言葉を最後に時宗は部屋を出る。
「…奇跡的に今1人の付喪神が完成したけど…」
「…これからは同時進行で行う必要があるな…」
「…もう人徳も捨てないとな…」
その前方には、15個の扉があったー
各地の扉に以外の名が書かれてる。
「怠惰」
「痛撃」
「嫉妬」
「倫愛」
「信仰」
「強欲」
「無欲」
「武欲」
「希望」
「絶望」
「憤怒」
「純血」
「喪失」
「差飾」
「平念」
これだけの入念な準備…
倫理観を捨て去った人工的な付喪神の確立…
彼は。恐らく。これから来る三者よりも…その先の脅威を見え透いての行動なのだろうか。
たが。この入念な準備は後に効いてくる…
つづく




