第10話〜 喧未〜
カノウとシルヴァの最後の兄妹喧嘩はあっさりとした結末に終え、
シルヴァは地面に寝転がってる。
「……はは、強くなったな、、」
「……兄さん当たり前よ。私は全ての可能性が見えるんだから。」
「勝つのは必然よ。」
「その負けず嫌いな所変わらないな…」
「なぁ覚えてるか。親の虐待を耐え抜いてさ…」
「こっそりアイス買いに行って。二人で分け合ったな…」
「あのアイスほんと硬すぎるんだよな……あずき味なのに…」
「知ってる?あのあずき味のアイスだけで釘打てるそうよ。」
「…そりゃ歯が欠けるわ。」
「でもあの味が好きなのよね。今でもあのアイスを食べてるわ。」
「食いすぎんなよ。」
カノウは持参してたリュックサックから2つのアイスを取り出す。
「……持ってきたのかよ…」
シルヴァはカノウの持つアイスを取り出し、口に入れる…
ガチィンンと音が鳴り響く。
「やっぱかてぇな。」
「ええ…」
「…強く生きろよ…」
その言葉を最後にシルヴァは消える。。
「本当に最後の最後まで…クソ兄貴め。」
カノウの目には一筋の涙を流してた。
その頃扉C地点では…まさに有り得ない出来事が起きる。
龍と光龍との銃撃戦の中で…
龍の流れ弾が社医の胸元を貫いたー
それを見た全員はすぐさま武器を捨て社医に向かう。
「……おい!!自死の選択をしろよ…!!」
龍が焦った表情で迫る。
「ううん、僕は自死の選択が出来ない…」
「前にやった魂分割実験で…」
「泊は機械。僕は…クローンに分けたんだけど上手くいかなくてね…」
「そのせいで魂その物が八割ダメになった…」
魂分割実験とは。
かつて泊と社医が魂を理解する者はどこまで追求できるのか?で始まった。
泊は機械へ魂を分割し、運用に成功したが…
社医は己のクローンへ魂を分割するが…運用はできず失敗した。
その為クローンは彼の研究室の奥底に眠ってるが…
分割された魂がいきなり自我を持つということはまず極小の可能性。
たとえ記憶を譲渡しても…厳しいだろう。
「龍…悔いなくていい…君はダンジョン・メモリーの理に沿っただけだ…」
「…おい!!社医!!君は…いつもそうだ。昔から無茶する俺らを叱っておいて…お前だけは誰も知らないような事をやって無茶をしてた…」
「言えよ…あんたがいるから俺はあの時心気無く逝けんだぞ!!」
「…すまないね。最後に枷を残すような事をして…」
その言葉を最後に社医は息をしなくなった…
全員が悲しむ中ー
龍の体に異変が起きる。
龍が動かないと思ってた心臓が再び動き始める…
更に彼を中心にダンジョン・メモリーが吸収され始めるー
光龍とバビオンは龍から離れ、見つめる……
酷く苦しむ龍…
「うあああああああああああ」
目元が光り、巨大なオーラを発する。
そのオーラの影が光り終えた頃には…
「…本当なのかこれは…」
「…俺は付喪神となったのか…?」
「…社医の死で付喪神になるとか…なんだよそれ…」
龍は膝から崩れ落ち、地面を叩く。
バビオンは呟く。
「この事が…全てのダンジョン・メモリーに理として…」
「存在するなら世界の均等が…崩れるわよ…」
そのボス枠は…付喪神として存在が出来ることが判明したー
つづく




