第3話〜裏大旅〜
ジユは変身を終え、ウカを容赦なく両断したー
勿論あっさり終わる訳でも無く、ウカは再生をし、
ジユと攻防が繰り広げられる。
その中でヘイラは思考を止めなかった。
「…おかしい。父様は確かに再生はできる。」
「たがそれは他者に記憶を譲渡してるという状況限定…」
「善さんが全ての記憶を回収してるのが事実であれば…」
「今の攻撃で絶命されるはず…」
「土地その物に譲渡をしてると解釈されていたら倒す事は出来ないわ…」
その無垢な思考が裏切られる形で…
戦闘の中で。息子がヘイラの胸を貫いていた…
「…ヘイラあぁぁぁぁ!!!!」
ジユが叫び、ウカはニヤリと笑う。
息子は無表情に手を引き、ヘイラは地面に伏せる。
「…そいう事ね…息子にだけ…純度の高い記憶を託してた…」
「…そして。私があなたを裏切る事は想定済みよ。」
砕けた骨が白光を放ちながら組み直され、肉が勝手に盛り上がり、呼吸音と共に胸が閉じていく…
自死の選択もとって無く、胸の貫きで確実に即死しているのに…
何故か再生ができてきた…
「…息子よ。私の形式を舐めてなかったらこんな行動を取らなかっただろう。」
「…お前何をしている…!!」
「…いとも容易く散る運命を背負い続ける存在…」
「私は平行世界に飛ばされて、疑問に思った…」
「…私がひとつの世界に居続けれず…生存できるのは何故か…?」
「…数万の世界線を渡っても私はいなかった。」
「…つまり!この基本世界のみしか存在しない私!!」
「すなわち!!私は平行世界がある限り他殺死は不可能である!!」
「私はこれを無平行存魂と名付けている!!」
「…なんだよそれ馬鹿げてる…」
「…私は家族を…捨て次に進む。」
ヘイラは時計を手に持つ。
「平平切断ー」
その声共に息子とウカの体が切断される…
いや…下半身のみが飛ばされたと言うべきだろう…
上半身のみ残ったウカはぼやく。
「…ヘイラ。これからも…家族を恨み続け…」
「世間の常識と反し…永久的な苦痛を味わえ…」
「お前は!!家族を捨てるんだ!!」
その言葉を聞いたヘイラは動じない。
「私は私だ。最低限の感謝はある…たがそれだけだ。」
「家族を捨てると決めた未来に導かせたお前が悪い…」
「…クソが…俺は…あの親父と同じ未来に導いたのか…」
ダンジョン・メモリーの崩壊共に、ウカと息子は消滅する…
その頃ー南極では盛大な光と銃線が交差する…
「おーい。お前鈍ったんじゃねーの?スロ。」
「喋るな。何故俺と同じ姿をしてるか知らんが」
「とっとと解決させろ。」
スロと対峙してる相手は…
スロと同じ顔してるが、老けた老人であった。
「変わりねぇなー。お前の父親だってのに冷たいな。」
「…父?」
「まさかお前それすらも忘れたのかよ!お前の目的を否定したら家出したじゃねぇか!!」
その言葉でスロは大きく動揺する。
同時に…スロの中でかつてあったかのような記憶が流れ込む…
かつて終始ノ知者に記憶を消されていたが…
何の因果か270年経ってスロは記憶を思い出す…
思わず、スロは膝が崩れる。
「…そいうことかよ。クソ親父。」
「おー思い出したか?家業も継がずにぶらぶらしやがって。」
「…ぶらぶらしてない…俺は普通に働いて旅をしてる…」
「仕事お?物乞いのこと言ってんのかぁ?」
「早く帰って暗殺業を継げよ。」
スロはその言葉に眉間に皺を寄せる。
「…悪いがもう俺は旅死宮を担当してる。」
「暗殺業は俺の代で廃業だ!!」
「言うようになったじゃねーか。」
「早く人を殺したという結果を見せろや!!」
「…昔からそうだ。お前は結果しか見ない…」
「過程があるからこそ結果がある…」
「結果があるから過程を重んじる…」
「だからこそ俺は終わりのない旅を歩む…!!」
スロの矢の閃光が父の影を穿つ…
「…俺の形式は否旅…」
「どんな事でもさえ…過程を早め。結果へ導く…!」
「それが俺とお前の違いだ…」
「…お前長生き出来ないぞ…」
「長生きだ?俺はもう旅をする時は必ず遺書を書いてんだ!」
「佳人薄明…おれはその生き方を貫く!!」
「…育て方間違えたな…そんな思いを…俺は塞いでたんか…」
「…クソ親父の俺が言う。」
「…さっきの言葉は訂正する…お前は長生きできる…強く生きろや。」
その言葉共にダンジョン・メモリーが崩壊する…
更地となった跡地でスロはぼやく。
「…分かってるさ。クソ親父。」
スロは過未夢実を抱え。また旅を続ける…
つづく




