無限章ー第1話〜∞∞∞〜
源歴3858年にて…
カメリア。日本。シロア。コクチュウ。タイリア。
世界的大五国が遂に全世界を巻き込む第九次世界大戦争へと発展したー
混乱の中ーとある日本の政治家が目をつけた。
記憶と魂。
己の「失いしもの」を自覚し、それでも戦う者――
――失記者。
偶発的な要因が多く、長らく人為的再現は不可能とされてきた。
日本の政治家は狂気に等しい決断を行った。
…これが成功すれば戦争に勝てるー
そう考えた者達は倫理を捨て、人工的に失記者を作り上げる施設を創設した。
施設の創造にて、終始之知者と呼ばれる男の協力の元ー
彼は“最古の知”と“旧世代の知恵”が融合した存在。
その知識は、あまりにも深く、重く、広かった。
「知識があるからこそ過程を知る」
「過程があるからこそ、生死を知る」
「生死があるからこそ、人は抗う」
そう。彼が設定したのは…
無限に等しい知恵の書が眠る空間…
それらを読み解き、
己の欠落と向き合わせる。為に課される不確率的に起きる殺戮の試練の連続…
理なき死。
理なき問い。
理なき選択。
それはいつしか、人々からこう呼ばれるようになった。
――“無限図書館”。
運営開始:1日目記録
対象:0〜19歳の身寄りなき健常者 200名
投入完了。
まずは【衣・住・食】の提供を完全実施。
精神安定を観察するため、環境は理想状態を模倣。
初期試練:自動課題をランダムに5名へ割り当てる。
→ 結果:全滅。
対象全員、精神破綻・自死・暴走により自滅。
記録者より報告:
「現時点における“己の欠落の自覚”は誘導不可能。」
当実験施設無限図書館の設計思想を再検証。
試練の自動運用を一時凍結。
結論:
“失記者”の発生は、一晩で起き得る現象ではなかった。
長期的プロジェクトとして、
精神成熟・記憶誘導・試練設計の三軸にて構築を再構成中。
運用3日目ー
身寄り無き者達へ知恵を与えても己の欠落へと至る確率が低いと判明。
試練の内容を被験者195名との交流を深める様に変更。
運用1ヶ月目ー
被験者195名達にグループが出来るようになった。
グループA:独裁者気質を持つ者が集まった集団。
グループB:協調性を重視し、組織構築を行った集団。
グループC:他者との接触を拒絶する“孤閉型”。
グループD:明確なコミュニティを形成せず、単独行動を好む者。
運用2ヶ月目ー
グループAとグループBとの対立が拮抗し始めたので、
殺戮の試練を再起動ー
結果。グループBの8名が生存。
生存者103名へ減少する。
その中で、失記者へ発現した者8名
その中で最も気になる存在の発見。
運用期間中、識別No.175に形式の発現らしき物を発見。
随時監視カメラ越しで観察を行ってたが、
彼の形式使用時だけが映らず、
突如彼が消えて気づいたら敵が両断されると言った状態が幾度も起きる。
このことから識別No.175を要注意人物へと置き換える。
運用4ヶ月目ー
生存者50名程へ減少。
失記者へ発言した者28名。
識別No.175は随時監視対象としているが、
識別No.175の周辺の人々の形式の確立を発見。
識別No.25は運用開始から4ヶ月間、ひたすら本を読み続けており、
本を元にした戦い方を行ってると確認。
識別No.25は皮肉にも私へと似てる為、反旗を起こさないかと警戒。
これより識別No.25も要注意人物へと確立。
識別No.140はあらじかめ分かってたかのようなたたかい方をする様になる。
しきりに100%や、数字的な確率を述べる様になった事から
可能性を元にする形式と仮定する。
識別No.12はまず有り得ない。
自動的に制作される試練を無傷でクリア。
内通者へその人物との接点を持つように告げるが、
全て無効。
しかもあらゆる嫌がらせを回避する様な行動を見せる。
統計論として識別No.12を未来視に近い形式を得たと判断。
識別No.140と同様に私へ反旗を起こす可能性がある為要注意人物へと繰り上げ。
運用5ヶ月目ー
生存者28名へと減少。
しかも、グループDとグループCの12名が無限図書館の脱走をした。
私も彼らの行方を追うが、遭遇した善によって彼らの回収が不可能になり、
脱走者除く5名のみしか生存してない為…
運用不可能を確認…
……次こそは…絶対に成功させてみる…
私こそが…神になる……
つづく
短編なので2話投稿します。




