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第15話〜時善終〜



戦争締結数日後ー


ウロボロス病院にて…


無とソクがあらゆる管に繋がれて沈黙の眠りを続けている…


それを白がガラス越しに見つめる。


「…無とソクさんは…大丈夫なんですか…」


そばに居た社医が答える。


「…無君は僕の形式で直したけど…一時的に魂にヒビが入ってしまってるから、暫くは絶対安静だけど…」


「問題はソク君だね…」


「ソクさんと無の違いは…?」


社医は深いため息を吐き出す。


「ソク君は、元々下半身不随だったの。」


「彼が10代の時に形式を得て歩けるようになったんだけどね…」


「神はホント残酷だね…ソク君は常に形式を発動しないと、体を動かせなくなってきていた。」


「己の不随を解決させる為に、循環を早めた。」


「でも、歩けるようになった後に、循環の形式が暴走し始めたの…」


「だから彼は常に酒を飲んでた。」


「あと、ソク君は200年問題に越えられなかった。」


「それはなんですか…?」


「人間の記憶の容量は基本200年が限界。」


「肉体だけでは200年だけど魂を理解してやっと…512年の生を生きられるの。」


「魂を理解できずに…このまま進んでしまうと残りの生は寝たきり状態になってしまう…」


「ソク君本人の頑張りを見守るしかないよ…」


「…魂って存在するんですか?」


「学問的には否定されているけど…

魂が無ければ説明できない現象も、実際には山ほどあってねぇ。」


「科学では解明できない…つまり己の思念の拡大を深化させてこそ無機質的根源的概念に等しく儚い。」


「…難しいですね…」


白はソクの心音のモニターを見つめる…


ウロボロスの中にあるとある喫煙所にてー


時宗は一つのタバコを取り出し、大きく煙を吐き出す。


その時に善がやってくる。


「善さんあなたタバコ吸ってたん?」


「いいや。僕は吸ってないけど、君に話がある。」


「…飛行機の事故の件ですか…?」


「カノウと練に無茶苦茶怒られたんだから少し勘弁して…」


善は少し笑うが…いきなり空気がピリッと引き締められる。


「…時宗。君どこまで知ってるんだ…?」


その問いに時宗も急速に表情が強ばる。

「どこまでとは…?」


「…君。今回のヴァーネの戦争最初から知ってただろ?」


「いや。知ってるんじゃない。未来の記憶を持ってるんだろ…答えてくれ時宗…!!」


時宗は手元のタバコを潰し、もう一本タバコを取り出すー


「…流石善さん。練達を育てただけある…」


「なら。逆に聞こう。善さん。」


「何故250年前の無限図書館の存在を知っておきながら放置してたんだ…!!」


「善さんが気づいて!!あの惨劇を止めれたはずだ!!」


「ミライ、カコ、デンキ、カノウの兄シルグァ、、」


「…あの事件で私の戦友は半分亡くなった!!応えろ!!」


善は時宗の問いに沈黙する…


「…なぁ!答えてくれ!私は強くないんだ!!今も彼らの思い出が夢に出てくるんだ!!」


「…すまない。」


「あの時は第9次世界大戦争中であり…私が無限図書館という人工的に失記者を作り出そうとする機関もあったのも知ってた…」


「…止めたさ。私も倫理的に反してると…たが…」


「私でもさえ世界的な戦争は止められない…」


「…時宗。これだけはわかって欲しい。」


「私は最善を尽くした…」

善の目に少し涙が見えた。

善の発する声はとても悔しそうで…今も後悔してるかのように、言葉を捻り出してたー

「…分かりました。善さん。」


「少しだけ教えましょう。これは他の人も誰も知らない内容です…」


時宗は手を差し出す。

善はそれに答えるー


旧東京都地点ー


カノウは電話越しにヴァーネの壊滅したという知らせを聞いたー


「…やはり3人目の付喪神…善さんが来るとはね…」


カノウは廃墟を歩き、元々ヴァーネがアジトにしてた場所へ辿り着く。


家族のように生活していた写真が額縁へ飾られていた…


「…本当になんでこうなったんだろうね…」


カノウは足取りを止めない。


「…近頃シンギュラリティが起きすぎている…」


「白、クザ、ジユ。」


「メイザ、シバ、善…」


「失記者の理外の存在の確立…」


「付喪神…」


「もしかしたらもうすぐ…新たなシンギュラリティが起きる…」


そう告げた刹那…

旧東京都へ大きな揺れが起きる。


「かなりデカイね…」


しかし、なにかが違った.

ブラックホールのように1点へ建造物が吸収されるー


「…まずいね。」


カノウは走り出し、置いてあった車へ乗り込みー


ハイスピードで車を動かし、ブラックホールから逃げ続ける。


20〜30km程移動させた後、カノウは降りる…


「…何あれ…デカすぎる…」


吸収された建物の代わりに…


旧東京都の住宅街の一隅に。巨大な家が完成していたー


つづく

次回の投稿は内容量少ないので、4話投稿します。

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読んで頂きありがとうございます。 次回もお楽しみに!!!
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