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魔法学園ヤマダ~転生するなら魔法学園とかやりたいって言っただけなのに~  作者: 天野ハザマ
第二章

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90話:再びの二階、再びのオーク

 そして、二階層。オークの振り下ろした棍棒をイヴァンの新しい盾がなんとか防ぎ、カリックスのスケルトンナイトが横から剣で刺していく。


「エピン!」

「任せろ! ファイアボール!」


 杖を構え放ったエピンの火魔法は……今までのものとは違う。杖に付けられた初心者のファイアオーブがその威力を増加させ、杖そのものに付与された魔法威力増加の効果も合わせた結果。それは今までとは比べ物にならない威力を叩き出す。


「ギアアアアアアア!?」


 だから、流石のオークもその頭部をファイアボールの魔法で吹っ飛ばされ絶命する。その場に落ちたイエンやアイテムをキャリーゴーレムが回収していくが、それらは今のエピンたちにとっては全く重要ではない。

 何故か? 当然だ。前回は全く歯が立たなかったオークをこうも簡単に倒せてしまったのだ。これを成長と呼ばずなんと言えばいいのだろう?

 エピンたちは顔を見合わせ、まずはエピンとイヴァンがお互いの手を叩き合う。そのままカリックスにエピンとイヴァンが手を向けて……おそるおそるカリックスも真似をすれば良い音が響く。


「ハハッ、やったな!」

「エピン、さっきの魔法凄かったよ!」

「それはイヴァンのおかげだ! ああ、カリックスもやっぱり凄いな!」

「へへ……あ、ありがとう」

「よし、この調子でいくぞ! 目標は三階の階段を見つけることだ!」


 歩いて、歩いて。戦って。カリックスのボーンアーマーを使う必要すらなく進んでいく。

 隠し部屋は見つからないしオークは倒せるといってもゴブリンより遥かに強いしで、それでも良い調子で進んでいた……のだけれども。


「……なんかさあ。結構な頻度で罠があるの怖くない?」

「シーフゴーレムがいないと、ひどい目にあっていた気がするな……」


 今も丁度レンタルしてきたシーフゴーレムが罠の解除をしてくれているが、二階層に入ってから本当に道に仕掛けられた罠が多い。どんな罠か分からないのも怖いし、そうなるとシーフゴーレムを手放せなくなってくる。


「やっぱり、お金かかるし……次回は僕の収納魔法でアイテム、回収しようよ」

「そうだな。限界値が分からないから今回は借りたが……」

「あ、解除終わったみたいだよ」


 今回もシーフゴーレムとキャリーゴーレムを借りてきているが、正直長く潜れば潜る程に得になる仕様なので、今段階で必須なのはシーフゴーレムだとエピンたちは考えていた。

 勿論、今後を考えれば罠解除などの魔法を使える仲間を引き入れる必要もあるのかもしれないが、それは今すぐにどうにかしなければいけない話ではない。

 戻って来たシーフゴーレムが中衛に復帰し、イヴァンを先頭に進んだ先にあったのは十字路だ。

 どの道に進めばいいかは分かるはずもない。だからイヴァンは慎重に道の先を覗き見て、念のために槍の穂先であちこち突いて。


「なんか右のほうに宝箱が見えるんだけど……たぶん罠、あるよね?」


 そう、右の道の先にあったのは確かに宝箱だ。木製に金属部品のついた、これでもかというほどに宝箱だが……此処は二階層なのだ。何か変な罠が仕掛けられていたところで不思議ではない。


「どうする、二人とも? 俺としてはミミックだったりする可能性も否定できないんだけど」


 宝箱の姿で人をおびき寄せるというモンスターの名前をイヴァンがあげれば、エピンもイヴァンも悩んでしまう。実際アレがミミックだった場合、勝てるかどうか?

 しかし罠のかかっている普通の宝箱であった場合は、シーフゴーレムでなんとか出来そうだ。


「……よし、シーフゴーレムに開けてもらおう」

「いいね、それだ」

「賛成……」


 エピンが指示してシーフゴーレムを向かわせるが、宝箱を見ていたシーフゴーレムは罠はかかっていないよ、というかのように両手をあげてフルフルと首を横に振る。


「よし、シーフゴーレム。そのまま開けてくれ」


 続いて飛んできたエピンの指示でシーフゴーレムが宝箱の蓋を開けたとき。シーフゴーレムが素早い動きで飛んできた宝箱を回避する。


「飛ん……ミミックだ!」

「ファイア!」


 すさかずエピンがファイアの魔法を唱えるが、嘲笑うようにヒラリと回避した宝箱に黒い枝のような何かがパキパキと生え……四足の足と二本の腕に変わる。

 開いた宝箱の奥にあるのは、深い闇のような色をした黒。そう、イヴァンが危惧した通り、これはミミックだ……!


「くそっ、速い!」

「俺が押さえるよ!」


 槍を突き出すイヴァンだがミミックはやはりヒラリと回避し、シーフゴーレムの繰り出したナイフも避けてしまう。


「ファイア!」


 その隙を狙い繰り出したエピンの再度のファイアも避けて……けれどエピンが一番の脅威であることは分かるのだろう。大きくジャンプし大口を開けるミミックはしかし、その声を聞いたのだ。


「……ボーンアーマー」


 エピンのその背後。白い骨の鎧を纏うカリックスが、ミミックを迎撃するべく大地を蹴って跳んだ。

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