表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法学園ヤマダ~転生するなら魔法学園とかやりたいって言っただけなのに~  作者: 天野ハザマ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

79/83

79話:死霊魔法使いは結構凄い

 初めて使うもの程勝手の分からないものもないだろう。エピンも、これが学園のレンタルしているものでなければ怪しさのあまり使うという発想はなかったに違いない。

 探索支援ゴーレム。召喚魔法使いのロックゴーレムと比べると体格こそ小さいものの、洗練されたスタイルをしている。金属製だというのは、まさにその最たるものでイヴァンが目を輝かせているのもその辺が理由であったりする。

 さておき、シーフゴーレムは前を歩きキャリーゴーレムが後ろを歩いているのを見るに隊列という概念がしっかり存在している。召喚魔法の第一歩と言われているゴーレムだけでこれ程のことが出来るとはエピンにしてみれば驚きであり、同時に恐ろしかった。


(アベル先生や属性魔法を疑うつもりはないが、俺が覚えるべきはこっちだったんじゃないかと思わされるな……1つの道を極めた先にある光景、か……)


 よく見れば索敵をするように顔を動かしているシーフゴーレムの動きを見ながらエピンは教師たちの魔法の実力の底知れなさを改めて感じ取るが、イヴァンは目をキラキラさせている。楽観的でもあるが、知らない技術を知るのが楽しいのだろう。


「あ、ゴブリン!」


 イヴァンの声と同時にシーフゴーレムはナイフを構え、僅かに遅れてイヴァンが剣と棒を構える。


「シーフ、俺が前に出るから君は2人を守って」

「リョウカイ」


 短い音声が返ってきて、イヴァンはゴブリンとの距離を詰めていく。

 ゴブリンは3体。油断は出来ないが、イヴァンが倒すわけでもないので防御に全集中力を注げばいい。

 そう、何しろ今回は……カリックスの出番なのだから。

 奇声をあげて襲い掛かってくるゴブリンの振るう武器を受け止めるべくイヴァンは盾を油断なく構えて。


「ボーンシールド」


 虚空から現れ一瞬のうちに組み上がった真っ白な盾がイヴァンを守り、ガンガンと叩く音が聞こえてくる。


「骨の……盾?」


 無数の骨が隙間なく組み上がり構成された盾はイヴァンの全身を隠しきるほどに大きく、そんなものが目の前に現れたことにイヴァンもエピンも驚く暇すらない。


「分解……構成、スケルトン!」


 骨の盾が崩れた直後、そこから組み上がったスケルトンたちがゴブリンへと襲い掛かり組み伏せる。武器を持っていない以上肉弾戦になるのかと思い、イヴァンはどうすべきか一瞬悩んで。


「……やっちゃえ」


 その想像通りに、スケルトンたちはゴブリンを仕留めるまでマウントポジションで殴り続ける。

 やがてドロップしたイエンをキャリーゴーレムが拾って回収していくが……あまりにも手慣れたやり方に、エピンもイヴァンも驚きのあまり何を言っていいのか分からない。分からないが……代表するようにエピンが「おつかれ」と声をかける。


「お、おつかれ……どう、だった?」

「凄かったよ。戦闘経験があるのか?」

「ダンジョンの経験は……うん。一人で少し潜った、かな」

「それでか。いや、本当に鮮やかだった。死霊魔法というのは俺が想像するよりも凄いんだな」

「うん、凄かったよ! 俺、感動した!」


 イヴァンの端的な感想だが、感動したと言われれば嬉しいものだ。カリックスも「あ、あは……」と嬉しそうに笑って、スケルトンたちも照れ隠しに頭を掻くような仕草をしていた。一体どういう仕組みなのかはエピンにもイヴァンにも分からない。


「ねえねえ、あのスケルトンってさ、武器とか防具は装備出来ないの?」

「その場にあれば着けられる、けど……重い、から」

「ああ、そっかあ。それじゃあ……」

「いや待て二人とも。その答えがすぐそこにあるぞ?」

「「あっ」」


 エピンの視線の先、キャリーゴーレムの魔法、収納魔法。ハリエットも使っていた魔法だが、なるほど。カリックスが収納魔法を習得すれば、そこにスケルトン用の装備を入れておけばいいということになる。


「あとの問題は金、だな……スケルトンが今、3体か。自分のとスケルトンのものを合わせて4人分となると、相当厳しいぞ……?」

「お金かあ……僕も頑張るけど、当座のものは必要になってくるよね」

「厳しい、ね……」


 しかもスケルトンを前衛として使うのなら鎧に兜、剣や盾、あるいは槍……色々なものが必要になってくるし、それを管理するコストもある。魔法学園の武具は全て魔法武具なので錆などの問題はないが、へこんだり壊れたりすれば当然修繕の必要が出てくる。


「ナルメク先生も、仰ってた。スケルトンをスケルトンらしく使うにはお金がかかるって……だからさっきのボーンシールドみたいな、魔法があるんだって」

「あの盾は凄かったよねー。何処から出てるの?」

「魔力で、作ってる」


 そう、死霊魔法で現れるスケルトンは全て魔力で構成されている。正確には死属性の魔力が合う魔法であって、分類の仕方によっては属性魔法ともいえる魔法なのだが……持っているのがレアである死属性を持つ者は少なく、それ故に死霊魔法使いは戦場や墓場などに漂う死属性の魔力を求めてくるわけだ。

 このダンジョンにも死属性は存在している……というか全ての属性が存在しているのだが……カリックスはまさにそのレアな死属性を持つ生徒であり、死霊魔法教師のナルメクがカリックスを見たとき、テンションを無言のまま上げていたことはまあ、別の話だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ