表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法学園ヤマダ~転生するなら魔法学園とかやりたいって言っただけなのに~  作者: 天野ハザマ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

73/83

73話:青春を止めるな

 ただ、エピンは結構一途だ。家門のこともあるので好きな人と添い遂げる……などというわけにも中々いかないが、「白の聖女」などという異名を持つクリスであれば認めてもらえるかも、という希望も持っていた。そして実際にクリスが頷いてくれるかはさておいて、もし万が一そういう幸運がエピンに訪れたとして、その場合は家門が土下座する勢いでクリスを迎え入れることは確実であった。まあ、そういうことが起こるかはさておいて。


「おい、しっかりしろイヴァン」

「あはは、面白い子だねー!」

「聞いた、エピン!? 俺、認められて……!」

「本当にしっかりしてくれ……」


 そろそろ諦めようかと思うエピンだが、まあ仲間の為にもう少しハリエットと話をしてみることにした。このまま呆けて終わりはちょっと可哀想だからだが、その辺は友情と呼ぶべきなのかもしれない。


「制作系、というお話でしたが……ではダンジョンには素材を探しに?」

「そうだよ!」

「では……その、失礼ですが上手くいかなかったのでしょうか? 荷物をお持ちでもないようですし」

(もしそうなら、そこから関係を深めるチャンスもあるかもしれないからな……)


 イヴァンの恋路がどうなるとしても、ハリエットとの関係は今後の為になる。そう思うエピンだが、残念なことにエピンの推測は間違っていた。白猫コアがハリエットを超有能に設定したせいである。具体的には……ハリエットは収納魔法を会得しているのだ……!


「うふふ、上手くいったよー? ほら!」


 虚空からザラザラと鉱石を出すハリエットにエピンもカリックスも言葉を失い、イヴァンも「えっ」と驚きの声をあげる。

 今、確かに何もない場所から鉱石が出てきた。しかも売店で鉄鉱石以上に高値で売られているものばかりだ。


「先輩、こ、これは……一体何の魔法ですか?」

「あ、知らない? 収納魔法だよ!」

「そんな魔法があるのですか!? 名前からして収納が出来るのですよね!? 容量や制限は……」

「うーん、そこは才能? 詳しく知りたかったら生活魔法を習ってね!」


 生活魔法。分からずにエピンたちは顔を見合わせるが、ハリエットはあえて黙っている。

 こういうのは最初から答えを全部教えるべきではない。悩むのも学びだからだ。


(ま、あたしは教師じゃないから教えてもいいんだけど……面白いしねー)


 自分たちの記憶から照合し付き合わせているエピンたちだが、やはりエピンが代表してハリエットに頭を下げる。


「申し訳ありません。俺たちの勉強不足で担当教師の方が分かりません。教えて頂けませんでしょうか?」

「んー、いいけど」


 言いながらハリエットが指差すのは、すぐ近くにある売店だ。そこに誰がいるのか、当然エピンたちは知っている。


「えっ、ま、まさか!」

「ケイトさんが!?」

「生活魔法の……先生……!?」

「そうだよー、ケイト先生! うーん、世の中全ては学びってことだねー」


 エピンとカリックスは「そうだったのか」と驚いているが、イヴァンは衝撃のあまりその場に崩れ落ちるように座り込んでしまう。

 まあ、仕方ないかもしれない。アイテムの勉強のためにイヴァンは足しげく売店に通っていたのに、そんなことも知らなかったのだ。

 いや、もしかすると学園案内をもっと読み込めば書いていたかもしれない。しっかり読めない奴だとハリエットに思われてしまったかもしれない。そんな複雑な落ち込み方がイヴァンを崩れ落ちさせたのだ。


「……俺はダメな奴だ」

「ほんと面白い子だねー?」

「寛大な評価に感謝します、先輩……」


 エピンのフォローもすでに諦めの領域だが、イヴァンの肩を軽く叩いて「しっかりしろ」と引き起こす。


「お前の知らない部分を色々見られたのは面白いけどな。そろそろ元に戻れ」

「あ、うん……先輩もなんかすみません……」

「いいよー? 面白かったし」

「あの、色々と教えてもらいたいこともあるんですが、その時はご相談に行ったりしていいでしょうか?」

「都合が合えばね!」

「ありがとうございます!」

「差し当たってはこのデザインだけどねー? ちゃんと死霊魔法がどういうのかを理解してから作った方がいいと思うな。デザインって相手の理解から始まるとこあるから」

「た、確かに……デザインが先走った自覚はあります」

「うんうん。魔法装備って基本的に効果が先に来てデザインに落とし込んでいくとこあるから、たとえば……」


 専門的な話を始めたハリエットとイヴァンをそのままに、エピンとカリックスは少し離れる。放っておいてあげた方がいいと、そう思ったからだ。


「……そうか、ダンジョンに収納魔法、か。俺たちはまだ入り口にすらいなかったわけだ」

「凄い、よね。フル活用すれば……何日でも潜っていられるんじゃないかな」

「そうだな。意外とそういう先輩も多いのかもな」

(クリス先輩に会えないのも、もしかしたら……)

「もう、ハリエットったら先にどんどん行っちゃって……あら」

「クククク……クリス先輩!?」


 ダンジョンから出てきたクリス……ハリエットに念のため知識のすり合わせをするために潜っていたのだが、初めてのクリスとの対面に驚いたエピンが固まり、カリックスがオロオロして。

 慌てて走って来た白猫コアが面白い場面を幾つか見逃したことに気付き舌打ちも出来ずに「ニャオウウウウ……」と悲しそうに鳴いていたことはまあ……白猫コアに関してはどうでもいいのだけれども。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
新キャラキタ━(゜∀゜)━! そのうち停学していた先輩(設定)とか出てきそうですねw この学園深夜にお忍びで駆けずり回りたいwww
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ