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魔法学園ヤマダ~転生するなら魔法学園とかやりたいって言っただけなのに~  作者: 天野ハザマ


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60話:必要な魔法はたくさんあるぞ

「というわけで偉大な魔法使いですこんにちは」

「はあ」


 校長室の机の上で自慢げに言う白猫コアに、ダリアン校長は非常にどうでもよさそうな表情で頷く。

 実際どうでもいいのだ……何言ってるんだこの猫、って感じである。


「なんだよダリアン。やる気が見えないぞやる気が」

「生徒の話だけならともかく、貴方の自慢話にはこれっぽっちも興味が……」

「ええい教育者の鑑め! それでいいと思う!」

「まあ校長ですからな」


 こうも早く1階の隠し部屋が見つかったという事実は、確かにダリアンも驚いた。

 ハッキリ言ってコアが仕込んだお遊び要素であるし、見つかるにしてもまだ先のことだと思っていた。

 それを見つけたというのはなるほど、才能と言えるだろう。


「その生徒……エピンとイヴァンでしたな」

「ああ。リリカとキアラのコンビと同じくらい面白いかもな」

「ふむ……」


 リリカは魔法拳、キアラは召喚魔法。

 エピンは属性魔法でイヴァンは鍛冶魔法。

 学園が始まる前には想定していなかった組み合わせが上手くいっているというのは本当に白猫コアの言う通りに面白いとダリアンは思う。


「そのまま成長していくといいですな。きっと良い関係になることでしょう」

「だな。それにこの時点で隠し部屋が見つかったっていうのは大きいぞ」

「ふむ? ……ああ、鍛冶魔法の真価が学園内に広まると?」

「すぐじゃないかもしれないけどな。隠し部屋にあるアイテムはどれもそのままじゃ使えないものばかりだろ」

「……確かに」


 1階の隠し部屋にある属性のオーブにしたところで、そのままでは使えない。

 適切なアイテムの形に加工しなければならず、それには鍛冶魔法や、場合によっては細工魔法などが必要になってくる。

 エピンとイヴァンのコンビであれば杖にするだろうから鍛冶魔法だけで足りるだろう。

 そういった魔法の重要性が知られるというのは素晴らしいことであり、出来れば早い段階で知られてほしいことでもあった。


「こういうのは教師があーだこーだ言うものじゃないしな。ていうか、そもそも学園案内で余さず紹介してるし」

「とはいえ、紹介するようなイベントは必要だったように思いますがのう」

「長い話なんて生徒は寝るぞ。俺がそうだったから知ってる」

「まあ、コアはそうでしょうなあ」

「お前俺の評価が低い気がするけどな? 真面目だって評判だったんだぞ。ああいうのは真面目に聞くほど脳が疲れて眠くなるもんなんだよ。話の面白さがどうのってのは関係なくな」

「ふむ」


 まあ、ダリアン校長としても白猫コアの言っていることはよく分かる。

 長い話というのは疲れるものだし、興味のある分野以外への集中をしろと言っても無茶だ。

 生徒としても「あー、疲れた」で終わってしまうのは実にもったいない。

 となると、眠くならないようなイベントが大事……ということだろうか?


「ではお祭りですな」

「え? なんで?」

「要は知らない魔法を面白く知ることが出来れば問題ないわけですからな。学園内での各魔法の人気不人気もハッキリしてきてはいますが、ここらで一つ生徒には楽しく知見を広めてもらうことにしましょうか」

「いやいや待て、その前に説明してくれ」

「魔法祭ですな。次回以降は生徒に頑張ってもらう部分を増やすとして、今回は教師陣で露店を出すのですよ。各魔法の特徴が大きく出たものを、ね」


 露店。お祭り。そこまで聞けば白猫コアにも、ダリアン校長が何を考えているのか分かるというものだ。


「ああ、ああ! 分かったぞ、学園祭だな! それで名前を魔法祭にしようと!」

「そういうことです。属性魔法は分かりやすく人気ですので、アベル先生には何か楽しげなことをやっていただきましょうかのう」

「楽しげなこと、ねえ……じゃあ花火でもあげてもらうか。まだこっちにはそういう文化ないし」

「よろしいのではないですかな」


 本人の知らないところでアベルの役目が決まっていたが、まあ人気教師なので仕方がない。


「つーか問題はエダムだろ。アイツに何やらせんだ? ほっとくと演舞とか言い出すぞ」

「エダム先生は熱血ですからなあ……」


 ダリアン校長も白猫コアも、お祭りの間中演舞を続けているエダムが容易に想像できる。

 凄いには凄いのだが、それで喜ぶ者がいるのか……ちょっと分からない。


「うーん……凄いってことが分かればいいんだよな?」

「まあ、そうですな」

「じゃあ、アイツの身体能力と魔法で映えることをやろう」

「となると……アレですかな」

「おう、やっぱアレだろ。前の世界でも人気だった気がする」


 エダムの役割がやはり本人の居ないところで決まっていくが、エダムは「ではそうしましょう!」と快活に言うだろう。


「生徒たちも自分で企画とかやりたがるだろうし、今回は『魔導祭』ってことにしよう。生徒のやるイベントを『魔法祭』にすればなんかこう、差別化できるだろ? あー、あとはアレだな、()()()()()()()()。魔法学園がどんな場所か直接見せるのは大事だろ」

「大変よろしいかと」

「おし、では決まりだ! 今夜は職員会議ってことでダリアン、通知よろしくな!」

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