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魔法学園ヤマダ~転生するなら魔法学園とかやりたいって言っただけなのに~  作者: 天野ハザマ


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50話:ちょっと男子ー?

本日2回目の更新です

 さて、此処で改めて言わなければならないことがある。

 魔法学園ヤマダに入学した学生たちは二種類に分かれている。

 招待状を持つ者、そしてその同行者である。

 一度学園に入ってしまえばその区別はなくなるが……招待状を持つ者は、これまた二種類に分かれるのだ。

 一方は、キリアンに招待状を貰った者。これはたとえばリリカやキアラがそうだ。

 一方は、クリスに招待状を貰った者。これはエピンやカミルが該当する。

 彼等、あるいは彼女等はキリアン、あるいはクリスに助けられ、あるいは噂や絵姿などを通して強い憧れと共に魔法学園へやって来た。

 その憧れは凄い美形である二人への恋に変化するのは然程難しいことではなく……エピンとカミル……属性魔法を学ぶこの二人もまた、クリスへの恋心を抱いていた。

 だから、だろうか? なんとなくそれを悟った二人は、魔法使いとしてのライバルだけではなく恋のライバルになっていたのだ。


「ファイア!」


 射撃練習場。属性魔法の練習をする生徒が集まるこの場所で、エピンの放つ火の基礎魔法ファイアがターゲットに炸裂し燃やす。アベルのように粉砕するようなことはないが、それでも新入生としてはそれなりに良い威力だ。


「……よしっ」

「何がよし、なんだ?」


 そんなエピンに冷たい目を向けるのはカミル。二人とも違う国の貴族の息子ではあるが、此処では爵位など関係はないということもあって遠慮がない。


「なんだよカミル。言いたいことでもあるのか?」

「あるさ。ファイアってのは……こうだろ!」


 カミルの放ったファイアはターゲットを大きく揺らし、されど炎の強さはエピンほどではない。ないが……確かにアベルが手本として見せたファイアに近いのはこちらのカミルのものだろうか?


「エピン。お前のファイアは本当に炎だけなんだよ。攻撃魔法だってことを考えればアベル先生のような実際の打撃力もあるものになるはずだろう」

「それはあくまで一例だろう。ファイアという魔法を考えるに、発火効果を高めるのは正しいはずだ! 魔法は自分の中でのイメージだと言われたのを忘れたのか!」

「今からオリジナリティを出して何の意味がある! 手本通りに出来ないのを言い訳してるだけじゃないか!?」

「なんだと!」


 ケンカ一歩手前に見えるが、手が出ないのはアベルの教育のせいだろうか。とはいえ見に来た白猫コアとしては無い胃が痛くなりそうだ。


(おいおい、ダリアン……これの何処が面白い関係なんだよ)


 肝心のアベルは何処に行ったのか。他の生徒たちも止めるつもりがないように見えるのが白猫コアとしては不思議でならなくて。しかし、すぐにその理由を理解する。


「いいか、ファイアに打撃力を求めるならファイアーボールをどう使い分けする気だ! アベル先生のファイアは俺達に可能性というものを見せてくれたのであって、アレはあくまで応用だと考えるべきだろう!」

「ファイアーボールは同じ火属性でも爆発を主軸に置いている! むしろそこからファイアに打撃力を持たせる発想に行きつくべきだろう! 全ての魔法は相互補完関係にあるとみるべきだ!」

(お? 風向き変わってきたな)


 そこで白猫コアもようやく気付く。

 これはケンカかもしれないが、討論という名のケンカだ。互いにアベルに習ったことを解釈し、実践して……その上で互いの認識を戦わせているのだろう。

 であればなるほど、確かに周囲の生徒が止める理由もない。むしろエピンとカミルの認識を聞くことで自分の中の魔法知識とすり合わせ改良できる。だからやらせておいたほうが得なのだろう。


「なるほど全ての魔法は相互補完関係にある、か。それは俺も賛成だ! だが、いや。だからこそ基本の形をしっかりと見据え、それから初めてアベル先生のような形に持っていくべきじゃないのか!」

「ああ、それに一理あるのは認めよう! だがな、改良された道具を前にして基本が大事だと改良前のものを作るのに意味があるか!? 最適解への最短距離を進むべきだ!」


 白猫コアが聞くに、どちらも正しいような気がする。しかし白猫コアは教師ではない。ならば誰が教えるのか? その答えは一つしかない。


「どちらの意見も正しい。原点を見据えるか、すでにある改良点から始めるか……それは互いのやりやすいほうでやるべきだ。魔法へのアプローチには個人差があることを忘れてはならない」


 ようやくやって来たアベルにエピンとカミルは同時に「はい!」と背筋を伸ばし答える。

 というか、狙ったようなタイミングだ……何処かに隠蔽魔法で隠れていた可能性すらある。

 アベルとしては、この二人の関係を利用して成長させることに決めたのだろう、けど。


(あー、なるほどなあ。まだまだみたいに言ってた理由が分かったぞ。この二人が互いの考えを認め合ったらようやく、みたいな感じかあ?)

第2章開始です。


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― 新着の感想 ―
エピンって相乗り組で直接紹介状をもらったのではなく同行者枠で来てるのでクリスに助けられたことがあるは設定が矛盾しそう。 実際助けられた場面があったけどそこでスルーされてたと言う場合は成立するけど、それ…
意味なく敵対ではなくこういう関係性はとても青春 
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