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魔法学園ヤマダ~転生するなら魔法学園とかやりたいって言っただけなのに~  作者: 天野ハザマ


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48話:進捗、どうですか?

本日3回目の更新です!

 ……生徒たちも寝静まった夜中。魔法学園ヤマダの教師たちは教員棟の地下、コアルームに居た。

 教員棟といっても、此処は実質的には校長室と、あとは教員用の私室……あとは様々な物品が保管されている倉庫に近い。とはいえ教師陣は夜中も各自に与えられた教室にも私室があるので、此処にいるのはダリアンとコアくらいのものだ。コア曰く「利便性を追求したら初期施設が意味がなくなってきた、あるあるだよな」ということらしい。さておいて。


「さて、各自の報告を聞こうか」


 久方ぶりに本来の姿に戻ったコアだが……この形態がなんだかんだと安心できる形ではある。白猫コアの姿は学園内を出歩いて直接生徒たちを見るためのものだ、というのもあるだろう。

 そんなコアを囲む円卓にいる教師陣は、それぞれ自信に満ちている。

 まず最初に声をあげたのは、当然のように武術教師のエダムだ。


「俺はリリカ君を鍛えています。彼女は実に筋が良い! 立派な魔法拳士になるのは確実です!」

「ああ、リリカか。彼女はいいよな、やる気があって素直で才能もある! 俺もすげー注目してる」

「でしょう?」

「でもなー、エダム。お前、他の生徒も教えろよ。リリカしかいねーじゃん。どうなってんの?」


 白猫コアはリリカを見に行ったりするせいで知っているが、武術館ではリリカ以外の生徒が出入りしていない。野外訓練場は人がいることもあるが、エダムに教えを乞う者はいない。


「いやあ、王族だの貴族だのは自分の家門の武術に誇りを持ってますしな。庶民は庶民で属性魔法とかのほうが好きなんでしょうなあ」

「ま、世間の魔法のイメージってそっちだろうしな。じゃあアダムはどうよ?」


 属性魔法教師であるアダムは無表情だが……それをほぼ変えないまま「まあ、目に見える成果はないな」と溜息をつく。


「初日に厳しく気を引き締めさせた結果、生徒は常に適度な緊張感を保っている。ただ、属性魔法は本人の魔力量や資質が大きく影響するし成果の差が目に見えて分かりやすい。適宜面談を行い、他の魔法に資質がありそうならそちらへの紹介を考えている」

「お前のところが一番分かりやすく成果が見えてんだよなあ……」

「足りていない」

「まあ、そうだな。成果って言えば精霊魔法のほうはどうだ?」

「順調です」


 穏やかに微笑むのは精霊魔法教師のイリシアだ。こちらも属性魔法と同じく人気で生徒がいつも練習をしているのが見える、のだが。


「ただ、ちょっと女子の比率が多いのが気になりますね。どうしてなんでしょう?」

「大精霊がイケメンパラダイスだからじゃね? 普通の精霊はバラエティ豊かなのに、大精霊が知能高いしお前を好きすぎて全員タイプの違うイケメンになってんだろ」

「ですが、結構可愛いところもあるんですよ?」

「まさかお前が乙女ゲーみたいなことになるのは予想外だったぜ……で、生徒のほうは?」

「精霊と契約出来た子たちは増えていますよ。ただ、最初の想定から完全に変わりましたからね」


 そう、精霊に意思が生まれた……いや、取り戻したせいで外の世界での精霊魔法使いは軒並み酷いことになっているのは間違いない。今まで契約がどうこうなんて考えなくても使えていたものが使えなくなっているのだから。勿論、精霊と対話してまた精霊魔法を使えるようになっている魔法使いもいるかもしれないが。


「ま、いいんじゃね? 魔塔の連中には苦労してもらおうぜ」

「ええ、そうですね」


 鍛冶魔法に調理魔法、錬金魔法に……それぞれの進捗を聞くと、コアはうんうん、と頷く。

 まあ、まだ魔法学園は始まったばかりだ。そう慌てる話でもない。むしろ、早くも頭角を現している生徒がいることを喜ぶべきだ。


「ああ、1つよろしいですかな?」

「なんだよダリアン。懸念でもあるのか?」

「たいしたことではありませんがの。今はまだ大丈夫でしょうが、学園生活に慣れていけば派閥を作り始める生徒も出るでしょう。そちらにも注視していかねば」

「あー……確かにな。それも適度なら青春だけど、皆よろしくな。アホやらかすようならぶっ飛ばしていいから」


 派閥が出来るのも、派閥同士がバチバチやるのも青春ではある。それが適度であるならばコアは笑っていられる。それで済むレベルでどうにかしてくれよ、という話であり……教師陣はその意図をしっかりと理解して頷く。


「よし、じゃあ進捗確認はここまで! それじゃあ皆、此処からは楽しい学園運営の時間だ! 必要なものがあればどんどん言ってくれ! さあ、来い! カモーン!」

「ああ、では儂から1つ提案を」

「流石ダリアン、流石校長! 未来へ導くリーダー! 何が必要だ!?」

「そのノリをいつものものに戻す方法ですかな」

「お前、実はアベルよりズバズバ言うよな」

「儂が言わねばアベルの言葉のナイフが突き刺さるでしょうからな」

「かもな」


 黙って肩をすくめているアベルだがまあ……きっと本当にそうだろうとはコアも思う。

 初日で一端生徒を全員追い返したのはアベルだけだし。


「で、聞かせてくれよ。何が必要なんだ?」

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