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魔法学園ヤマダ~転生するなら魔法学園とかやりたいって言っただけなのに~  作者: 天野ハザマ


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46話:もっと強くなりたいって気持ちは大切だよね

 キアラが新しい目標を定めていた頃。野外訓練場でリリカはエダムに今回の冒険について語っていた。

 勿論、ミミックとの戦いの顛末やどう思ったかまで全てだ。それをエダムは静かに頷きながら聞いていた。


「……こんな感じです。終わってみれば未熟さを思い知りました」

「なるほどな。良い学びだったな!」

「えっ」

「自分の弱さを知ることは自分の現在地を知ることだ! そして何より、もっと強くなれるという証明でもある! 何しろ、何処を良くすればいいかを知れたのだからな!」


 未熟であるなら鍛えればいい。弱みがあるなら強くすればいい。エダムにしてみれば簡単な話だ。むしろ、ほんのちょっと魔法拳の触りを学んだだけなのにそこまで出来たこと自体が賞賛に値する。


「リリカ君!」

「お、おす! エダム先生!」

「君に足りないものは攻撃力だ!」

「おす! その通りです!」

「ではどうする! 君の攻撃力を上げるために必要なものは何だ!?」

「属性魔法です!」

「半分正解だ!」

「は、半分ですか!?」

「そうだ! 魔法とは基本的に中距離攻撃だ! 勿論覚えることでリリカ君の全体的な戦闘力は向上するだろう! しかし攻撃力という点ではどうかな⁉ 魔法拳士の道を選んだ君にとって、最初に選ぶ道はそれだろうか!?」


 リリカは考える。キリアンは魔法も魔法剣も使っていた。だからそれが正しいと思っていた。

 しかしキリアンの、その2つの使い方はどうだろうか?

 それにエダムも半分正解と言っていた。魔法を覚えること自体は間違ってはいない。けれど「最初」ではない。つまりそれは、魔法剣や魔法拳……魔法武技というものについての理解をリリカが間違えているということではないだろうか?


「おす、エダム先生。質問があります」

「聞いてみたまえリリカ君!」

「……もしかして、魔法拳の火や風は、普通の魔法と違う仕組みなんでしょうか?」

「大っ正解だ!」

「ひゃっ」


 エダムの喜びのクソデカボイスにリリカが気圧されてエダムは「おっと、すまない」と咳払いする。

 しかし、リリカは本当に飲み込みが早いし前向きで真面目で……この生徒を他に獲られなくて良かったと、本当にそう思うのだ。


「平たく説明しようか。以前、剣や拳などに魔法を纏わせると思うのは、見た目だけしか見ていないからだと説明したな?」

「おす!」

「まず通常の魔法はこうだ……ファイアーボール!」


 エダムが手のひらを野外訓練場に存在するターゲットに向ければ、そこから火球が放たれる。

 着弾と同時に爆発する火球はターゲットに見事に命中して。黒焦げになったターゲットはどういう仕組みか、すぐに元に戻っていく。

 ちなみにどういう仕組みかというとターゲットが壊れると状況に応じて自動修復するようにコアが設定しているからであったりするがさておいて。


「次に魔法拳だとこうなる……フレイムナックル!」


 エダムの右腕を火が覆い、そのままエダムはターゲットに向けて突進する。


「フゥン!」


 気合と共に殴ったターゲットがひしゃげながら吹っ飛び、そのまま燃え盛る。


「まだまだあ! フリーズナックル!」


 氷雪がエダムの左手を覆い、吹っ飛ばしたターゲットが地面に落ちる前に追いつきぶん殴ればターゲットは氷の塊と化し、そのまま上空へと吹っ飛んでいく。


「そしてこうだ! 右手にサンダーナックル、左手にサイクロンナックル!」


 エダムの右手を激しい電撃が覆い、左手の周囲を渦巻く風が覆う。

 そして、エダムは両の手を組み巨大な1つの拳のようにして前へと向ける。


「合体魔法拳……サンダーサイクロン! てぇりゃあああああ!」


 バアン、と。エダムが両の手を離し再び握った両拳に雷纏う竜巻が宿る。

 繰り出す右の拳から雷の竜巻が放たれ、左からも続けて放たれる。

 それは融合し巨大な電撃竜巻と化して、野外訓練場を余波だけで削りながら凍り付いたターゲットをチリ1つ残さず完全粉砕してしまう。


「ひえっ……」

「この通り! 魔法武技とは基本的にはそれぞれの属性を宿した特殊な強化魔法であるといえる! 勿論、魔法である以上は燃やしたり凍らしたりも出来る! 己の筋力を超えた威力を叩き出し、それだけでは出来ない魔法効果の付属! 何よりそれぞれの手に違う魔法を宿すことで離れた敵に攻撃も出来たりと、可能性もまさに無限大! こう言うとアベル先生は反論するかもしれんが、リリカ君! 魔法拳はいいぞ! 君はこれを学び学年最強だって目指せるはずだ!」

「お、おす……!」

「大変よろしい!」


 エダムは豪快に笑うと、拳をグッと握ってみせる。必要であると感じることは、まさに学びの原動力。この機を逃さずに魔法拳士としての初歩を叩き込むつもりだった。


「ではやるぞリリカ君! 今日中にフレイムナックルくらいは使えるようになろう!」

「お、おす!」

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― 新着の感想 ―
魔法名、フレイムナックルとファイアナックルが出てきますが、上位魔法と下位というか基本の魔法です?
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